ウクライナの隣国ポーランドの大統領府の高官は3日、自国が保有する複数の旧ソビエト製のミグ29戦闘機をウクライナに引き渡したと明らかにしました。
ミグ29をめぐっては、スロバキアが先月、NATO=北大西洋条約機構の加盟国からウクライナへ初めて戦闘機を供与していました。
軍事支援を受けて、ウクライナは近く大規模な反転攻勢に乗り出す構えです。
ゼレンスキー大統領は5日、ドゥダ大統領の招待でポーランドを訪問する予定で、ウクライナからの避難民の支援や軍事支援をめぐり、協議するとみられます。
一方、ロシアは同盟関係にあるベラルーシに戦術核兵器を配備すると表明していて、首都ミンスクに駐在するロシアのグリズロフ大使は2日「西側の国境に置かれ、安全を確保する可能性を高めるだろう。欧米の批判にかかわらず必ず行われる」と述べ、ベラルーシ西部の国境地域に戦術核兵器が予定どおり配備されるという見通しを示しました。
ベラルーシは、西部でポーランドと、北部でリトアニアやラトビアなど、ともにNATO加盟国と隣接していて、けん制を強めています。
また、NATOのストルテンベルグ事務総長は、北欧のフィンランドについて、すべての加盟国による承認手続きが完了したとして、4日にNATOに加盟すると明らかにし、「フィンランドはより安全になり、NATOはより強くなる」と意義を強調しました。
これに対し、ロシア外務省のグルシコ次官は3日、国営のロシア通信に対し、「ロシア西部と北西部で軍事力を強化していく。フィンランドの領土にNATOの軍などが展開した場合は、ロシアの安全保障を確保するための追加の措置を取っていく」と述べ、警戒を強めています。