Báo tiếng Nhật: ChatGPT 就活も法律相談も広がる活用どう向き合う？

質問しつもんや指示しじに対にたいして、わずかな時間じかんで自然しぜんな文章ぶんしょうなどを作成さくせいする対話たいわ式しきAI“ChatGPT”。

国内こくないでもことしに入はいり多おおくの企業きぎょうが新あらたなサービスへの活用かつようを発表はっぴょうしています。就職しゅうしょく活動かつどうでも学生がくせい、採用さいようする企業きぎょうの双方そうほうに早速さっそく変化へんかが。

私わたしたちはどう向き合むきあえばいいのでしょうか。

「離婚りこんしたいんですが…」

無料むりょうの法律ほうりつ相談そうだんなどを行おこなうサイトの運営うんえい会社かいしゃでは、相談そうだんへの回答かいとう文ぶんの作成さくせいにChatGPTを活用かつようできないか検討けんとうを始はじめています。

サイトに寄よせられる相談そうだんは月つきに平均へいきんでおよそ1万まん件けん。

現在げんざいはサイト上じょうに寄よせられる相談そうだんに、弁護士べんごしがひとつひとつ回答かいとう文ぶんを作つくって載のせているため、深夜しんやの相談そうだんにはすぐに対応たいおうできないといった時間じかんの制約せいやくがあります。

これをChatGPTで24時間じかん、より多おおくの相談そうだんに対応たいおうできるようにしたいと考かんがえています。

実用じつよう化かに向むけて検証けんしょう中ちゅうの画面がめんを見みせてもらいました。

相談そうだんは離婚りこんや遺産いさん相続そうぞくなど身近みぢかな問題もんだいが多おおいということで、今回こんかいは「離婚りこんしたい」と打ち込うちこんでみます。

すると20秒びょうほどで次つぎのような回答かいとうが出でてきました。

「相談そうだん者しゃ様さまのお気持きもちに寄り添よりそいます。離婚りこんにはいくつかの方法ほうほうがあります。1つ目めは協議きょうぎ離婚りこんで、夫婦ふうふ双方そうほうが合意ごういして離婚りこん届とどけを提出ていしゅつする方法ほうほうです。（中略ちゅうりゃく）まずは、どの方法ほうほうが相談そうだん者しゃ様さまの状況じょうきょうに適てきしているか検討けんとうし、適切てきせつな手続てつづきを進すすめてください。専門せんもん家かの意見いけんも参考さんこうになるかもしれません」

文章ぶんしょうは、まず相手あいての気持きもちに寄り添よりそうことばで始はじまり、次つぎに法律ほうりつに基もとづいた離婚りこんの方法ほうほうを説明せつめい。最後さいごに今後こんごの対応たいおうについてアドバイスをして終おわっています。

追加ついかの質問しつもんをすると、それまでのやりとりを踏ふまえて文脈ぶんみゃくに沿そった回答かいとうもできるそうです。

120万まん件けんのデータから

ChatGPTが作つくる回答かいとう文ぶんの元もとになっているのは、これまでサイト上じょうで受うけてきたおよそ120万まん件けんにのぼる法律ほうりつ相談そうだんのデータです。

これを学習がくしゅうさせることで似にたような相談そうだんに対にたいして、適切てきせつな回答かいとうができるようにしているといいます。

気きをつけているのが個人こじん情報じょうほうの管理かんり。

サイトでの無料むりょう相談そうだんは個人こじん情報じょうほうを記載きさいする仕組しくみにはなっていませんが、相談そうだんの中なかにはまれに名前なまえや電話でんわ番号ばんごうなどが書き込かきこまれているケースがあるそうです。

これらをデータとして残のこさないようこまめにチェックする必要ひつようがあるといいます。

また過去かこのデータを使つかっているため、最近さいきんの法ほう改正かいせいの内容ないようが反映はんえいされていないこともあります。

サイトの運営うんえい会社かいしゃでは特別とくべつチームをつくり、何なん度どもテストを行おこなって回答かいとうに間違まちがいがないか確認かくにんし、必要ひつように応おうじて修正しゅうせいした内容ないようを追加ついかで学習がくしゅうさせているということです。

弁護士べんごし法ほうでは、資格しかくがないのに弁護士べんごし業務ぎょうむを行おこなう「非ひ弁べん行為こうい」が禁止きんしされていることから、運営うんえい会社かいしゃでは法律ほうりつに抵触ていしょくしないか確認かくにんをしたうえで、取り組とりくみを始はじめたいとしています。

「弁護士べんごしドットコム」元もと栄さかえ太一郎たいちろう社長しゃちょう

「AIによる無料むりょうのチャットなら気軽きがるに何なん度どでも相談そうだんすることができますし、深夜しんやであってもリアルタイムで回答かいとうできます」

「弁護士べんごしに相談そうだんしたいと思おもっても実際じっさいにサポートを受うけられていない人ひとの助たすけになればと思おもいます」

急増きゅうぞう！“ChatGPT”サービス

プレスリリース配信はいしん大手おおての「PR TIMES」によりますと、この会社かいしゃを通をつうじて企業きぎょうが発表はっぴょうした「ChatGPT」を活用かつようしたサービスや商品しょうひんの件数けんすうは、ことし1月つきから4月つき10日にちまでに258件けんに上のぼるということです。

月別つきべつに見みると1月つき8件けん、2月つき25件けん、3月つき154件けん、4月つきは10日にちまでに71件けんに上のぼっています。

業種ぎょうしゅ別べつにみると、およそ7割わりにあたる179件けんは「情報じょうほう通信つうしん」で、52件けんが「サービス業ぎょう」でした。

サービスの内容ないようは、

▽顧客こきゃくからの問い合といあわせへの対応たいおうのほか、

▽英会話えいかいわのレッスンなどの学習がくしゅうアプリ、

▽会議かいぎの議事ぎじ録ろくの要約ようやく作成さくせいや

▽旅行りょこうプランの提案ていあんなどで、

さまざまな分野ぶんやで利用りようが広ひろがっています。

「志望しぼう動機どうきを考かんがえて」就活かつでも

都内とないの大学だいがくに通かよう4年生ねんせいの女子じょし学生がくせいは、3月つきから志望しぼう企業きぎょうの分析ぶんせきやエントリーシートの作成さくせいなどに利用りようしています。

希望きぼうする企業きぎょうとともに「強つよみを教おしえて」とか「志望しぼう動機どうきを考かんがえて」などと入力にゅうりょくすると、すぐに自然しぜんな文章ぶんしょうで回答かいとうが返かえってくるということです。

こうした回答かいとうに、自分じぶんの経験けいけんや思おもいを加くわえて内容ないようを修正しゅうせいするなどして作成さくせいしたエントリーシートを14社しゃに提出ていしゅつし、このうち複数ふくすうの会社かいしゃの書類しょるい選考せんこうに合格ごうかくしたということです。

女子じょし学生がくせい

「ChatGPTにキャリアプランを考かんがえてもらったとき、自分じぶんの考こうえと全まったく違ちがう回答かいとうが来きて逆ぎゃくに自分じぶんの考かんがえが明確めいかくになったこともありました。メリットも多おおいので自分じぶんの就活かつの軸じくを定さだめていくために今後こんごも使つかっていきたいです」

このESを書かいたのは学生がくせい？AI？

神戸こうべ市しに本社ほんしゃがある採用さいようコンサルティング会社かいしゃが12日にち、オンラインで開催かいさいしたセミナーには60あまりの企業きぎょうの人事じんじ担当たんとう者しゃが参加さんか。

「ChatGPT」を使つかえば求人きゅうじん情報じょうほうや学生がくせい向むけのメールの作成さくせい、それにエントリーシートの添削てんさくなどが自動じどう化かされ、業務ぎょうむを大幅おおはばに省力しょうりょく化かできることなどが説明せつめいされました。

その上うえで、今後こんごはエントリーシートを見みるだけでは学生がくせいとAI、どちらが書かいたのかを見抜みぬくのは難むずかしいとして、面接めんせつなど対面たいめんのコミュニケーションの重要じゅうよう性せいが高たかまるとアドバイスしていました。

セミナーを企画きかくした「アローリンク」安東あんどう由ゆかり歩ふ副ふく社長しゃちょう

「人材じんざい採用さいようの分野ぶんやでもChatGPTの影響えいきょうが大おおきくなると考かんがえ、関心かんしんを持もつ企業きぎょうが増ふえています。採用さいよう担当たんとう者しゃは学生がくせいと実際じっさいに対面たいめんし、AIでは表現ひょうげんできない部分ぶぶんを見極みきわめていくことが重要じゅうようになると思おもいます」

激化げきかする開発かいはつ競争きょうそう

13日にちにはアメリカのIT大手おおてアマゾンが文章ぶんしょうの要約ようやくなどができるAIの提供ていきょうを発表はっぴょう。

世界中せかいじゅうで競争きょうそうが激化げきかする中なか、国内こくないでも開発かいはつが加速かそくしています。

都内とないのスタートアップ企業きぎょうは、日本にっぽん語ごに特とく化かした独自どくじのAIを開発かいはつ。

日本語にほんごへの対応たいおうが優すぐれていることに加くわえて、データを海外かいがいではなく国内こくないのサーバーに保存ほぞんしたいというニーズに応こたえているということです。

「ELYZA」野口のぐち竜司りゅうじ取締役とりしまりやくCMO

「対話たいわができるAIが人手ひとで不足ふそくを解消かいしょうする手段しゅだんになると思おもっています。専門せんもん的てきな人材じんざいを雇用こようできない中小ちゅうしょう企業きぎょうでもこのAIなら仕事しごとを代行だいこうできる。事務じむ系けいの仕事しごとを中心ちゅうしんに影響えいきょうを受うけるという前提ぜんていで考かんがえる必要ひつようがあると感かんじています」

急速きゅうそくな広ひろがりに懸念けねんも

企業きぎょうや個人こじんで急速きゅうそくに活用かつようが広ひろがる対話たいわ式しきAI。

海外かいがいでは、その勢いきおいにブレーキをかけようとする動うごきも出でています。

イタリア当局とうきょくは3月つき、膨大ぼうだいな個人こじんデータの収集しゅうしゅうなどが個人こじん情報じょうほうの保護ほごに関にかんする法律ほうりつに違反いはんしている疑うたがいがあるとして、ChatGPTの使用しようを一時いちじ的てきに禁止きんし。4月つき中ちゅうに具体ぐたい的てきな対策たいさくを講こうじるよう指示しじしました。

国内こくないでも学位がくい論文ろんぶんなどで使用しようすることを禁止きんしする大学だいがくが出で始はじめています。

また開発かいはつ競争きょうそうがコントロールできない状況じょうきょうに陥おちいっているなどとして、アメリカの非ひ営利えいり団体だんたいが開発かいはつを中断ちゅうだんするよう求もとめたオンラインの署名しょめい活動かつどうには、複数ふくすうの著名ちょめい人じんが賛同さんどうしています。

AIに頼たよる？頼たよらない？適切てきせつに判断はんだんを

情報じょうほう学がくに詳くわしい国立こくりつ情報じょうほう学がく研究所けんきゅうじょの佐藤さとう一郎いちろう教授きょうじゅは、社会しゃかいを変かえるリスクもあるとしたうえで頼たよるときと頼たよるべきでない時ときを人ひとが判断はんだんする必要ひつようがあると指摘してきします。

国立こくりつ情報じょうほう学がく研究所けんきゅうじょ佐藤さとう一郎いちろう教授きょうじゅ

「ChatGPTは学習がくしゅうした文章ぶんしょうによって回答かいとうに偏かたよりが出でます。学習がくしゅうデータを恣意しい的てきに偏かたよらせることはとても簡単かんたんで、利用りよう者しゃがChatGPTの書かく回答かいとう・結果けっかだけに満足まんぞくし、情報じょうほうの原典げんてんなどを見みに行いかなくなれば、情報じょうほう空間くうかんを自由じゆうにコントロールできることになります。これは簡単かんたんに世論せろんを操作そうさできるということでもあるのです」

「これからChatGPTはアプリや文書ぶんしょを作成さくせいするソフトウエアに実装じっそうされるなど“使つかわずに過すごすのが難むずかしくなる”という状況じょうきょうになってくると思おもいます。ただこれはあくまで道具どうぐなので、得意とくい・不ふ得意とくいや向むき・不向ふむきがあります。大人おとなも子こどももそうですが、AIに頼たよる時ときと頼たよるべきでない時ときを適切てきせつに判断はんだんし、実践じっせんする情報じょうほうリテラシーが必要ひつようになってくると思おもいます」