同居している家族が「当日の朝起きたらいなくなっていた」と話していることも分かり、容疑者がこれまでのところ、具体的な供述をしていないことなどから、警察当局は携帯電話を解析するなどして動機やいきさつの解明を進めることにしています。
15日午前11時半ごろ、和歌山市の雑賀崎漁港で岸田総理大臣が衆議院和歌山1区の補欠選挙の応援演説を始める直前に、筒状の爆発物が投げ込まれました。
岸田総理大臣は現場から避難してけがはなく、警察官1人が腕に軽いけがをし、警察は、兵庫県川西市の木村隆二容疑者(24)を威力業務妨害の疑いでその場で逮捕しました。
警察は16日未明から木村隆二容疑者の自宅を捜索していました。
捜索は16日午前9時すぎまで続き、捜査員たちは関係資料が入ったとみられるダンボール箱、10箱余りを運び出して車に積みこんでいました。
また、捜査関係者によりますと、火薬とみられるものやパソコンなどを押収したということです。
警察は、木村容疑者が所持していた免許証の情報などから容疑者の特定を進めたことが分かっていますが、このほかに、本人の携帯電話が押収されていたことが捜査関係者への取材で分かりました。
また、同居している容疑者の家族は「前日の夜には家にいたが、当日の朝起きたらいなくなっていた」と話しているということです。
木村容疑者は、調べに対し「弁護士が来てから話す」として、事件についての具体的な供述をしていないことから、警察当局は携帯電話に残された履歴の解析や関係者への聞き取りなどから、動機やいきさつの解明を進めることにしています。