NHKでは試合を総合テレビで中継するほか、NHKプラスで同時・見逃し配信を行います。
試合の最新情報を速報でお伝えします。
==速報中==
《先発メンバー》
日本代表「なでしこジャパン」
前回の第1戦の先発メンバーから2人が変更となり、ディフェンダーに北川選手、フォワードに上野選手が起用されました。
【GK】1.山下杏也加
【DF】2.清水梨紗/3.南萌華/5.高橋はな/13.北川ひかる
【MF】4.熊谷紗希/10.長野風花/14.長谷川唯/15.藤野あおば
【FW】8.上野真実/11.田中美南
北朝鮮代表
【GK】1.パク・チュミ
【DF】2.リ・ミョングム/3.リ・クムヒャン/15.ウィ・ジョンシム/16.パク・シンジョン/20.リ・ヘギョン
【MF】9.チュ・ヒョシム/10.リ・ハク/12.チェ・クムオク/14.ホン・ソンオク【FW】7.スン・ヒャンシム
チケット販売“日本側が北朝鮮側を上回る”
「なでしこジャパン」が北朝鮮と対戦する28日夜の試合で、ゴール裏のいわゆる応援席のチケットが27日午後5時の時点で、北朝鮮側は用意された3000枚が完売した一方、日本側は2044枚となっていました。
日本サッカー協会は販売状況をホームページなどで定期的に更新する異例の対応でなでしこジャパンへの応援を呼びかけた結果、28日午前9時時点で日本側が3082枚販売されて北朝鮮を上回りました。また、スタジアム全体では正午時点で、およそ2万枚が売れているということです。
日本サッカー協会は、チケットが残っている場合は試合中の午後7時半まで販売を続けるとしています。
北朝鮮も高い関心を寄せているか
2月24日にサウジアラビアで行われ0対0で引き分けた第1戦について、北朝鮮では2日後の26日、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」や国営通信が重要なニュースという位置づけで結果を伝えたほか、国営テレビがハイライトシーンを放送しました。
これに先立って首都ピョンヤンでは、2月17日にキム・ジョンウン(金正恩)総書記の父、キム・ジョンイル(金正日)氏の誕生日を記念して「キム・イルソン(金日成)スタジアム」でサッカー女子の国内チームの試合が行われ、キム・ドックン首相らが大勢の市民とともに声援をおくったと報じられていました。
キム総書記は、これまで娘とともに試合を観戦するなどサッカーへの思い入れが強いとされていて、2015年の東アジアカップで女子の北朝鮮代表が優勝した際には、帰国した選手たちをみずから空港で出迎えました。さらにキム総書記は「党に贈り物をもたらした立派な娘たち」としてたたえ、ピョンヤンで凱旋パレードも行われた経緯があります。
北朝鮮のオリンピック委員会はスポーツの国際大会でメダルの獲得数を増やす方針を打ち出しており、28日の一戦で日本に勝利してパリオリンピックの出場権を獲得することで国威発揚を図りたい考えとみられます。
《NHK放送予定》
試合開始予定 2月28日(水)18:34
東京 国立競技場
【放送予定】
NHK総合 18:25~
NHKプラスで同時配信・見逃し配信も
《第2戦 “決戦”見どころは》
サッカー女子のパリオリンピックアジア最終予選はホームアンドアウェー方式で争われ、2月24日の第1戦は、当初、北朝鮮の首都、ピョンヤンで行われる予定でした。しかし、アジアサッカー連盟が北朝鮮とほかの国を結ぶ定期便が運航されていないことなどを理由に中立地での開催を提案し、試合3日前にサウジアラビアのジッダでの開催が決まり、0対0で引き分けました。
第2戦は、28日午後6時半すぎから国立競技場で行われ、します。
異例の事態となった今回の最終予選で、選手たちは長距離の移動や、短期間で寒暖差への対応を求められるなど厳しい環境に立たされ、日本は、第1戦で本来の動きを欠いていました。
中3日で行われる第2戦に向けてはでホームの応援を力に、本来のスピードある攻撃などを復活させることができるかが鍵となります。去年のワールドカップでヨーロッパの強豪を相手に見せた連動を取り戻すことが重要になります。
不動の右サイドバック、清水梨紗選手は、公式練習のあと攻撃のキーマンに前線の田中美南選手をあげ、同じフォワードの選手を近づけるような動きをすることで孤立させずに戦いたいと話しました。
また、中盤の守備的なポジションでプレーするキャプテンの熊谷紗希選手は、相手の両サイドを引っ張り出すことが守備を崩すうえで大事になると話しました。
《出場チームどう決まる?》
サッカー女子のアジアのオリンピック出場枠は「2」です。
最終予選では
▽オーストラリアとウズベキスタンがそれぞれ対戦します。
ホームアンドアウェー方式で2試合を戦い、合計得点が多いチームがパリオリンピックの出場権を獲得します。
並んだ場合は延長戦やペナルティーキック戦での決着となります。
◇北朝鮮代表ってどんなチーム?(世界ランク9位)
北朝鮮はアジアで最も力のあるチームの1つで、最新の世界ランキングは9位、日本の8位に対して、1つ下です。女子のアジアカップでは過去3回優勝した実績があります。
《第1戦 振り返り(2月24日)》北朝鮮 0-0 日本
当初、予定されていた北朝鮮での開催にアジアサッカー連盟が難色を示し試合3日前になってようやくサウジアラビアでの開催が決まるという異例の事態になったとはいえ、本来のなでしこの姿はピッチにありませんでした。
チーム関係者によりますと、第1戦での日本のシュートはわずか3本にとどまりました。
日中の気温が30度を超える厳しい環境の中での試合に慎重に戦わざるをえない部分もあったかと思われますが、苦戦の一番の要因は相手の戦い方の変化に対応できなかったことです。
それまで国際舞台では前線からアグレッシブに仕掛けてくることが多かった北朝鮮がディフェンダーの人数を5人に増やす守備を重視した戦い方を選択、想定していなかった展開に日本は戸惑っていました。
引いて守る相手に前線の選手が引っ張り出される一方で、ボールを奪われた後のロングパスでのカウンター攻撃を警戒するあまり選手どうしの距離が間延びし選手が孤立するケースも多く見られました。
実際に数的不利の状況をつくられ、さあこれからという時にボールを奪われてリズムを崩す場面も多くなっていました。
《20年前の再現なるか》
実は、日本は20年前の2004年にも厳しい状況の中で北朝鮮と対戦したことがあります。勝てばこの年のアテネオリンピック出場が決まるアジア予選の準決勝、会場は当時の国立競技場でした。
当時、日本の女子サッカーは1996年のアトランタオリンピックで1勝もできずに終わったことや、2000年のシドニーオリンピックの出場を逃したことなどから人気が低迷し、国内リーグ「Lリーグ」は複数のチームが廃部となって規模が縮小されました。
こうした中で迎えた2004年のアジア予選、北朝鮮戦はまさに「女子サッカーの未来」がかかった戦いでした。
この試合、日本は右ひざを負傷しながら出場した澤穂希さんの活躍などで、それまで13年間勝ったことがなかった北朝鮮に3対0で勝ってアテネ大会出場を決めました。
これをきっかけに女子サッカーへの関心が高まり「なでしこジャパン」という愛称が発表されて、2011年ワールドカップドイツ大会での優勝やその後の「なでしこブーム」につながっていきました。
澤さんは当時を振り返ってと話しています。
今の日本の女子サッカーを取り巻く環境も当時と似ています。2011年のワールドカップ優勝後の盛り上がりが一時的なものに終わり、2016年のリオデジャネイロオリンピック出場を逃してから人気は下降線をたどりました。
2021年にスタートしたWEリーグの観客数も伸び悩んでいます。攻撃の中心選手の1人、田中美南選手はアジア最終予選に臨むにあたって「女子サッカーの注目度につながる試合だと思うので、去年のワールカップのように泥臭く会場中を巻き込むような試合を見せて勝ちたい」と話し、多くの選手が女子サッカーの未来につなげようと意気込んでいます。
難しい状況の中勝利をつかみ取り、再び女子サッカーへの関心を高めることができるか。北朝鮮戦は、なでしこジャパンにとって絶対に負けられない戦いとなっています。