能登のと半島はんとう地震じしん 2次じ避難ひなん者しゃの中なかには地元じもとを離はなれざるを得えない人ひとも

地元じもとでの仕事しごと諦あきらめ京都きょうとへ

石川いしかわ県けん珠洲すず市しで整体せいたい院いんを営いとなんでいた男性だんせいは、地元じもとで仕事しごとを続つづけることを諦あきらめ、家族かぞくとともに兄あにのいる京都きょうと市しで暮くらすことを決きめました。

珠洲すず市し若山わかやま町まち北山きたやまの小家おいえ伸しん吾われさん（40）の自宅じたくは、能登のと半島はんとう地震じしんによる土砂崩どしゃくずれで全壊ぜんかいしました。

地区ちくにある避難ひなん所しょに身みを寄よせた後のち、いまは小松こまつ市しの宿泊しゅくはく施設しせつに父親ちちおやと一緒いっしょに2次じ避難ひなんしていて、同様どうように避難ひなんしている人ひとたちの相談そうだんに応おうじるボランティア活動かつどうなどにあたっています。

妻つまと2人にんの子こどもは、金沢かなざわ市しにある妻つまの実家じっかで生活せいかつしているということです。小しょう家かさんは珠洲すず市内しないで整体せいたい院いんを営いとなんでいましたが、今回こんかいの地震じしんで建物たてものは半壊はんかいしました。

通とおってくれる人ひとは減へり、以前いぜんのような収入しゅうにゅうを得えることが難むずかしくなると判断はんだんし地元じもとで仕事しごとを続つづけることを諦あきらめました。

2次じ避難ひなん所しょの滞在たいざい期限きげんが迫せまっていることもあり、子こどもたちの教育きょういく環境かんきょうも踏ふまえて、京都きょうと市しで同おなじく整体せいたい院いんを営いとなむ兄あにを頼たよって、家族かぞくで移り住うつりすむことを決きめました。

小しょう家かさん

「ずっと珠洲すずで仕事しごとをしていきたいと思おもっていたので、突然とつぜんこのようなことになりとても寂さびしく思おもいます」

京都きょうと市しでは公営こうえい住宅じゅうたくで暮くらし、しばらくは兄あにを手伝てつだいながら生活せいかつを立て直たてなおしていくということです。

小しょう家かさん

「将来しょうらい的てきには必かならず石川いしかわ県けんに戻もどって来きたいと考かんがえています。状況じょうきょうを見みて復興ふっこうの度合どあいを確認かくにんしながらプランを考かんがえていきたいと思おもっています」

子育こそだてのため当面とうめんは金沢かなざわ市しで

能登のと半島はんとう地震じしんで石川いしかわ県けん輪島わじま市しから2次じ避難ひなんしている女性じょせいは、安心あんしんして出産しゅっさんと子育こそだてができる環境かんきょうで生活せいかつしたいと、当面とうめんは金沢かなざわ市しで暮くらすことを決きめました。

輪島わじま市し山岸やまぎし町まちの松岡まつおか和香子わかこさん（39）は夫おっとと幼おさない子こどもたち5人にん、義理ぎりの母ははのあわせて8人にんで加賀かが市しにある旅館りょかんに2次じ避難ひなんしています。

自宅じたくは能登のと半島はんとう地震じしんで倒壊とうかいして住すめる状況じょうきょうにないということです。

輪島わじまには強つよい愛着あいちゃくがありますが、出産しゅっさんも控ひかえている松岡まつおかさんは、安心あんしんして出産しゅっさんと子育こそだてができる環境かんきょうで生活せいかつしたいと、地元じもとを離はなれることを決きめました。

出産しゅっさんする病院びょういんのほか、子こどもたちが通かよう保育園ほいくえんと小学校しょうがっこうが近ちかくにある金沢かなざわ市しの一いち軒けん家かを借かりたということです。

松岡まつおかさん

「家いえを決きめられた時ときは安心あんしんしました。やっと小学校しょうがっこうなどのことも決きめられるという安心あんしんが30％、本当ほんとうにこれでよかったのかというのが70％です。輪島わじまを離はなれる寂さびしさがあります」

同おなじように2次じ避難ひなんしている被災ひさい者しゃからは、今後こんごの生活せいかつへの不安ふあんを聞きく機会きかいも多おおいということです。

「輪島わじまに戻もどりたいけれどやっぱり戻もどれないという声こえばかりです。今いまの状態じょうたいで戻もどって生活せいかつができるのかと不安ふあんになっているようで、皆みなさんどこに住すめばいいのかとすごく悩なやんでいます」

松岡まつおかさんは当面とうめんは金沢かなざわ市しで暮くらす予定よていですが、いつの日ひか輪島わじまに戻もどれる日ひが来くることを願ねがっています。

「海うみがあり、自然しぜんもあり、人ひとも優やさしく、食べ物たべものもおいしいという環境かんきょうがやはり好すきだったので、将来しょうらい的てきに輪島わじまに帰かえって恩返おんがえしをしたいです」

やむを得やむをえず金沢かなざわ市しに家いえを借かり

地震じしんで一時いちじ孤立こりつ状態じょうたいとなった地区ちくを離はなれて2次じ避難ひなんしている珠洲すず市しの男性だんせいは、金沢かなざわ市内しないに家いえを借かりて家族かぞくと暮くらすことを決きめました。

珠洲すず市し高屋たかや町まちの後のち谷たに真弘まさひろさんは、妻つまと3人にんの子こども、両親りょうしんのあわせて7人にんで、2次じ避難ひなん所しょとなっている加賀かが市しのホテルに身みを寄よせています。

一時いちじ孤立こりつ状態じょうたいとなった地区ちくは今いまも停電ていでんや断水だんすいが続つづき、自宅じたくも被害ひがいを受うけて住すめる状態じょうたいにないということです。

なんとか地元じもとで暮くらせないかと考かんがえていましたが、ホテルの滞在たいざい期限きげんも4月つきに迫せまってきているため、やむをえず、当面とうめんは金沢かなざわ市内しないに家いえを借かりて暮くらすことを決きめました。

次つぎの住すまいは、家族かぞく7人にんが落ち着おちついて暮くらせるよう、部屋へやの数かずが多おおい一いち軒けん家かを選えらびました。

小学生しょうがくせいと中学生ちゅうがくせいの子こどもたちは転校てんこうすることになりました。

引っ越ひっこしの作業さぎょうを進すすめている後谷うしろやさんは、次つぎのように話はなしていました。

「ようやく家いえが決きまりほっとしています。避難ひなん所しょでは子こどもたちもストレスがたまるようなので、ここでのびのびと育そだてたいです」

農家のうかの後谷うしろやさんは、この住宅じゅうたくから珠洲すず市しに通かよい、野菜やさいづくりを続つづけることにしています。

「一瞬いっしゅんですべてがなくなり、どうしていいかわかりませんでしたが、何なにもしないわけにはいかないという気持きもちです。徐々じょじょに復興ふっこうしてほしい、そして珠洲すずに戻もどりたいという思おもいはありますが、今いまは戻もどれるかわからないので、できることだけやっていこうと思おもいます」