米べい連邦れんぽう最高裁さいこうさい トランプ氏しの立候補りっこうほ資格しかく認みとめる コロラド州しゅう予備よび選せん

アメリカ西部せいぶコロラド州しゅうの最高さいこう裁判所さいばんしょは去年きょねん12月つき、3年ねん前まえの連邦れんぽう議会ぎかいへの乱入らんにゅう事件じけんを巡めぐりトランプ前ぜん大統領だいとうりょうが反乱はんらんに関与かんよしたと認定にんていし、国くにに対にたいする反乱はんらんに関与かんよした公務員こうむいんが国くにや州しゅうの職しょくに就つくことを禁きんじた憲法けんぽうの規定きていに基もとづき、大統領だいとうりょう選挙せんきょに向むけた州しゅうの予備よび選挙せんきょに立候補りっこうほする資格しかくはないとする判断はんだんを示しめしました。

トランプ氏しはこれを不服ふふくとして上訴じょうそしていました。

これについて連邦れんぽう最高さいこう裁判所さいばんしょは4日にち、「州しゅうには大統領だいとうりょうや連邦れんぽう政府せいふの職員しょくいんについてこの憲法けんぽうの規定きていを行使こうしする権限けんげんはない」などとして、コロラド州しゅうの裁判所さいばんしょの判断はんだんを覆くつがえしトランプ氏しの立候補りっこうほを認みとめる判断はんだんを示しめしました。

9人にんの判事はんじ全員ぜんいんの一致いっちした判断はんだんです。

判断はんだんではトランプ氏しが連邦れんぽう議会ぎかいへの乱入らんにゅう事件じけんに関与かんよしたのかなどについては触ふれられていません。

最高裁さいこうさいの判断はんだんを受うけてコロラド州しゅうの州しゅう務つとむ長官ちょうかんは翌よく5日にちのスーパーチューズデーに行おこなわれる州しゅうの予備よび選挙せんきょにトランプ氏しの立候補りっこうほを認みとめるとの声明せいめいを発表はっぴょうしました。

有力ゆうりょく紙しニューヨーク・タイムズによりますと、全米ぜんべいの少すくなくとも36の州しゅうで同様どうようの訴うったえや申し立もうしたてが裁判所さいばんしょや州しゅう務つとむ長官ちょうかんなどに対にたいして行おこなわれていて、今回こんかいの最高裁さいこうさいの判断はんだんは、こうした州しゅうにとっても今後こんごの対応たいおうの指針ししんになるとみられています。

これまでの経緯けいいと他た州しゅうの動うごき

この裁判さいばんは去年きょねん9月つき、西部せいぶコロラド州しゅうで共和党きょうわとう員いんを含ふくむ6人にんの有権者ゆうけんしゃが、「トランプ氏しは連邦れんぽう議会ぎかいへの乱入らんにゅう事件じけんに関与かんよした」などとして3月つき5日にちに予定よていされている州しゅうの予備よび選挙せんきょへの立候補りっこうほ資格しかくを認みとめないよう訴うったえたものです。

訴うったえの根拠こんきょとされたのが、合衆国がっしゅうこく憲法けんぽう修正しゅうせい第だい14条じょう3項こうの「アメリカの公務員こうむいんとして憲法けんぽうを支持しじする宣誓せんせいをしたあとに、アメリカに対にたいする反乱はんらんに関与かんよするなどした場合ばあい、文官ぶんかん、武官ぶかんを問とわず、国くにや州しゅうのいかなる職しょくに就つくこともできない」という規定きていです。

コロラド州しゅうの地方ちほう裁判所さいばんしょは原告げんこく側がわの訴うったえを退しりぞけましたが、州しゅうの最高さいこう裁判所さいばんしょは去年きょねん12月つき連邦れんぽう議会ぎかいへの乱入らんにゅう事件じけんが「反乱はんらん」にあたり、トランプ氏しが関与かんよしたと認定にんていしたうえで、州しゅうの予備よび選挙せんきょに立候補りっこうほする資格しかくがないという判断はんだんを示しめしました。

トランプ氏しはことし1月つきコロラド州しゅうの最高裁さいこうさいの判断はんだんを不服ふふくとして連邦れんぽう最高さいこう裁判所さいばんしょに上訴じょうそしました。

連邦れんぽう最高裁さいこうさいでは2月つき8日にち、弁論べんろんが開ひらかれ、ロバーツ長官ちょうかんがコロラド州しゅうの判断はんだんについて「一いち握にぎりの州しゅうが、大統領だいとうりょう選挙せんきょを決定けっていづける事態じたいになりかねず、極きわめて恐おそろしい結果けっかを招まねく」と述のべたのをはじめ、トランプ氏しに立候補りっこうほ資格しかくがないとすることに対にたいし、複数ふくすうの判事はんじから懐疑かいぎ的てきな意見いけんが相次あいつぎました。

また、トランプ氏しが連邦れんぽう議会ぎかいへの乱入らんにゅう事件じけんに関与かんよしたのかなど、事件じけんそのものについて触ふれられることはほとんどありませんでした。

アメリカの有力ゆうりょく紙しニューヨーク・タイムズによりますと、トランプ氏しの立候補りっこうほ資格しかくを巡めぐっては3月つき2日にち時点じてんで、少すくなくとも全米ぜんべいの半数はんすう以上いじょうにのぼる36の州しゅうで同様どうようの訴うったえや申し立もうしたてが裁判所さいばんしょや州しゅう務つとむ長官ちょうかんなどに対にたいして行おこなわれています。

今回こんかい、最高裁さいこうさいで審理しんりされたコロラド州しゅうのほか、東部とうぶメーン州しゅうでは去年きょねん12月つきに州しゅう務つとむ長官ちょうかんがトランプ氏しに立候補りっこうほ資格しかくがないという判断はんだんを示しめし、トランプ氏しが取り消とりけしを求もとめて州しゅうの裁判所さいばんしょに訴うったえているほか、中西部ちゅうせいぶイリノイ州しゅうでも2月つき、州しゅうの裁判所さいばんしょで立候補りっこうほ資格しかくがないという判断はんだんが示しめされました。

今回こんかいの最高裁さいこうさいの判断はんだんを受うけてメーン州しゅうの州しゅう務つとむ長官ちょうかんがトランプ氏しに立候補りっこうほ資格しかくがないとした自身じしんの判断はんだんを取り下とりさげると発表はっぴょうするなど、ほかの州しゅうにもすでに影響えいきょうが出でています。

トランプ氏し「アメリカのための大おおきな勝利しょうりだ」SNSに投稿とうこう

トランプ前ぜん大統領だいとうりょうは連邦れんぽう最高さいこう裁判所さいばんしょの判断はんだんが示しめされた直後ちょくご、SNSに「アメリカのための大おおきな勝利しょうりだ」と投稿とうこうしました。

トランプ氏しが謝意しゃい「非常ひじょうに重要じゅうような判断はんだんだった」

トランプ氏しは4日にち、連邦れんぽう最高さいこう裁判所さいばんしょの判断はんだんが示しめされたあと、南部なんぶフロリダ州しゅうの自宅じたく「マー・アー・ラゴ」で記者きしゃ会見かいけんし「最高さいこう裁判所さいばんしょの判事はんじ全員ぜんいんが一致いっちした判断はんだんを示しめしたことに感謝かんしゃしたい。非常ひじょうに重要じゅうような判断はんだんだった」と述のべ、謝意しゃいを示しめしました。

また、トランプ氏しは3年ねん前まえに起おきた連邦れんぽう議会ぎかいへの乱入らんにゅう事件じけんをめぐってみずからが「在任ざいにん中ちゅうの大統領だいとうりょうとしての行動こうどうは刑事けいじ責任せきにんに問とわれない」と免責めんせき特権とっけんを訴うったえていることに言及げんきゅうし「もし、免責めんせきがなければ、大統領だいとうりょうは存在そんざいしないことになる。なぜなら、誰だれも決断けつだんする勇気ゆうきを持もつことができないからだ」と述のべ、訴うったえを認みとめるよう改あらためて求もとめました。

原告げんこく団だん「トランプ氏し勝利しょうりを示しめすものでは決けっしてない」

連邦れんぽう最高裁さいこうさいの判断はんだんを受うけて原告げんこく団だんは声明せいめいを発表はっぴょうし「最高裁さいこうさいはトランプ氏しについて、反乱はんらんに関与かんよした疑うたがいを晴はらさなかった。トランプ氏しの立候補りっこうほについて法的ほうてきな解釈かいしゃくでのみ判断はんだんしていて、トランプ氏しにとって勝利しょうりを示しめすものでは決けっしてない」としています。

また、原告げんこく団だんの代表だいひょうは声明せいめいの中なかで「トランプ氏しの反乱はんらんへの関与かんよに疑義ぎぎを示しめした判事はんじは誰だれもいなかった。それがすべてを物語ものがたっている。トランプ氏しが連邦れんぽう議会ぎかい乱入らんにゅう事件じけんを率ひきいたのは間違まちがいなく、責任せきにん追及ついきゅうはアメリカ国民こくみんにかかっている」としています。