石川いしかわ「復興ふっこうプラン」 “必かならず能登のとへ戻もどす” 理念りねんに具体ぐたい策さく検討けんとうへ

石川いしかわ県けんは、能登のと半島はんとう地震じしんからの「復興ふっこうプラン」をことし6月つきごろまでに取とりまとめる方針ほうしんで、7日にち、専門せんもん家かを交まじえた初はじめての会議かいぎを開ひらきました。

この中なかで馳知事ちじは「私わたしたちの使命しめいは、将来しょうらいにわたってこの地域ちいきをどうしていくのか県けん全体ぜんたいとして考かんがえることだ。半島はんとうにおける大おおきな災害さいがいは全国ぜんこく的てきにまれであることも考かんがえ、国くにのモデルともなるようインフラの強きょうじん化かを目指めざす必要ひつようがある」と述のべました。

県けんは今回こんかいの「復興ふっこうプラン」の理念りねんに

▽「必かならず能登のとへ戻もどす」ことと

▽「能登のとのブランドを高たかめる創造そうぞう的てき復興ふっこうを目指めざす」ことの二ふたつを掲かかげています。

当面とうめんは地元じもとを離はなれざるをえない被災ひさい者しゃがいることを踏ふまえ、再ふたたび安心あんしんして暮くらしてもらえるよう、インフラの強きょうじん化かとともに、地域ちいきコミュニティーと能登のとの特色とくしょくあるなりわいの再建さいけんに力ちからを入いれていきたい考かんがえです。

これに対にたいし専門せんもん家かからは

▽被災ひさい者しゃにも議論ぎろんに参加さんかしてもらえる場ばを用意よういすべきだとか

▽支援しえんする側がわと被災ひさい地ちのニーズをいかにマッチさせられるかが重要じゅうようになる

などといった意見いけんが出だされていました。

県けんは、3月つき下旬げじゅんにプランの骨子こっしを示しめすことにしています。

輪島塗わじまぬりの塗師ぬりし屋や「みんなが戻もどってきたいと思おもう街まちに復興ふっこうを」

伝統でんとう産業さんぎょうの輪島塗わじまぬりの製造せいぞう・販売はんばいを手てがける塗師ぬりし屋やの松本まつもと昌夫まさおさんは、地震じしんで自宅じたくと工房こうぼうを兼かねた建物たてものが全壊ぜんかいし、避難ひなん所しょでの生活せいかつを続つづけています。

輪島わじま市しにはおよそ400の輪島塗わじまぬりの事業じぎょう所しょがありましたが、地震じしんでほとんどの工房こうぼうが壊こわれ、一時いちじ的てきに市外しがいに避難ひなんしている職人しょくにんたちも多おおいということです。

松本まつもとさんは「1つの工程こうていが欠かけても輪島塗わじまぬりは成り立なりたたないのでみんなが戻もどってきたいと思おもうような街まちに復興ふっこうしてもらいたい。補助ほじょ金きんだけでなくきめ細きめこまかいフォローを進すすめ産業さんぎょうを守まもることが必要ひつようだ」と話はなしていました。

液状えきじょう化か被害ひがい 内灘うちなだ町まちの住民じゅうみんからはいち早いちはやい復興ふっこうプラン提示ていじ求もとめる声こえ

地震じしんの影響えいきょうで深刻しんこくな液状えきじょう化かの被害ひがいが確認かくにんされている石川いしかわ県けん内灘うちなだ町まちの住民じゅうみんからは、いち早いちはやい復興ふっこうプランの提示ていじを求もとめる声こえが上あがっています。

内灘うちなだ町まちでは今いまも上下じょうげ水道すいどうが復旧ふっきゅうしない地域ちいきがあり、一部いちぶの住民じゅうみんは自宅じたく以外いがいの場所ばしょでの生活せいかつを余儀よぎなくされています。

このうち特とくに被害ひがいが深刻しんこくな地域ちいきの1つ、宮坂みやさか地区ちくの宮本みやもと浩嗣ひろつぐさん（81）は自宅じたくが傾かたむいて住すめなくなり、近ちかくに家いえを借かりながら家財かざい道具どうぐの整理せいりに追おわれています。

宮本みやもとさんは「地盤じばんを直なおすには年とし単位たんいで時間じかんがかかると思おもう」としたうえで、「みんな顔がおが分わかる関係かんけいで祭まつりなども熱心ねっしんにやってきた。いつまでに何なにができるか見通みとおしが示しめされないと、みんな知しらない場所ばしょにバラバラに住すむようになって、もう集あつまることもできなくなる」と話はなし、いち早いちはやい復興ふっこうプランの提示ていじを求もとめていました。

珠洲すず 特産とくさんの小豆あずきなど栽培さいばいする農家のうかは

石川いしかわ県けん珠洲すず市しでは、地震じしんの影響えいきょうで農地のうちなどに大おおきな被害ひがいが確認かくにんされています。

珠洲すず市しで特産とくさんの小豆あずきなどを栽培さいばいする農家のうかの皆口みなぐち和寛かずひろさん（72）は「生活せいかつの復旧ふっきゅうが最さい優先ゆうせんなので、住すむ家いえや上下じょうげ水道すいどうなど生活せいかつ基盤きばんを早急そうきゅうに整備せいびして、できるだけ多おおくの人ひとが戻もどってこられるよう復興ふっこうを実現じつげんしてほしい」と話はなしていました。

そのうえで、「何なにがなんでも珠洲すずにいたい。農業のうぎょうを次つぎの世代せだいにつなぐため、できることから地域ちいきで協力きょうりょくし復旧ふっきゅうに取り組とりくみたい」話はなしていました。

珠洲すず 子育こそだて世帯せたいからは地域ちいきコミュニティーの再さい整備せいび求もとめる声こえ

珠洲すず市しの子育こそだて世帯せたいからは、地域ちいきコミュニティーや教育きょういく環境かんきょうの再さい整備せいびを求もとめる声こえが聞きかれました。

葛西かさいさくらさんは去年きょねん5月つき、東京とうきょうから珠洲すず市しに夫おっととともに移住いじゅうしたばかりで、現在げんざいは、夫おっとの実家じっかがある岩手いわて県けんに避難ひなんしています。

7日にちは、り災りさい証明しょうめい書しょの発行はっこうのため2か月かげつぶりに珠洲すず市しに戻もどってきたといいます。

葛西かさいさんは「みんなが戻もどってこられるようにインフラや仕事しごと、それに居住きょじゅう環境かんきょうを整備せいびし、商店しょうてん街がいや祭まつりをみんなで盛り上もりあげていたコミュニティーの結束けっそく力りょくを復活ふっかつさせてほしい」と話はなしていました。

また、角野かくの麻子あさこさんは、実家じっかのある埼玉さいたま県けんからおよそ1か月かげつ前まえに珠洲すず市しに戻もどり、4歳さいと7歳さいの2人にんの子こどもを育そだてながら今いまも断水だんすいが続つづく自宅じたくで生活せいかつしています。

角野かくのさんは「2次じ避難ひなんで子こどもの同級生どうきゅうせいが減へり、教室きょうしつやグラウンドも一部いちぶしか使つかえない状況じょうきょうです。もとの町並まちなみが戻もどるとは考かんがえにくいが、数すう年ねん後ごには広々ひろびろとしたグラウンドで遊あそべるようになってほしい」と話はなしていました。

地域ちいきの復興ふっこうに重要じゅうようと思おもうこと「住居じゅうきょの確保かくほ」最多さいた68％

NHKは先月せんげつ中旬ちゅうじゅん以降いこう、東京とうきょう大学だいがくの関谷せきや直也なおや教授きょうじゅの研究けんきゅう室しつと共同きょうどうで、能登のと地方ちほうにいた被災ひさい者しゃを対象たいしょうにアンケートを実施じっしし、これまでに得えられた104人にんからの回答かいとうをもとに中間ちゅうかん結果けっかをまとめました。

この中なかで「地域ちいきの復興ふっこうに重要じゅうようと思おもうこと」について、複数ふくすう回答かいとうでたずねたところ、

▽「住居じゅうきょの確保かくほ」が最もっとも多おおく全体ぜんたいの68％に上のぼりました。

次ついで、

▽「過疎かそへの対策たいさく」が47％、

▽「医療いりょう・高齢こうれい者しゃ施設しせつの充実じゅうじつ」が42％、

▽「観光かんこう産業さんぎょうの存続そんぞく」が40％、

▽「農林のうりん水産すいさん業ぎょうの存続そんぞく」と「防災ぼうさい対策たいさく」がいずれも33％と、

安心あんしんして暮くらせる生活せいかつ環境かんきょうやなりわいの確保かくほを求もとめる回答かいとうが目立めだちました。