日本新聞: 給食ない夏休み支援要請が増加フードバンク食料確保に苦心

給食きゅうしょくない夏休なつやすみ支援しえん要請ようせいが増加ぞうかフードバンク食料しょくりょう確保かくほに苦心くしん

Jul 19, 2023 19:07

Furigana

学校がっこうが夏休なつやすみに入はいり給食きゅうしょくがなくなる時期じきを迎むかえることから、全国ぜんこくのフードバンクは子こどもがいる世帯せたいを中心ちゅうしんに食料しょくりょうの配布はいふを集中しゅうちゅう的てきに行いっています。一方いっぽうで、物価ぶっか高騰こうとうの影響えいきょうで支援しえんの要請ようせいが増ふえている団体だんたいも多おおく、食料しょくりょうの確保かくほに苦心くしんしています。

全国ぜんこくフードバンク推進すいしん協議きょうぎ会かいに加盟かめいする全国ぜんこく37のフードバンクは、給食きゅうしょくがなくなる夏休なつやすみの期間きかん中ちゅうに子こどもがいる世帯せたいを対象たいしょうに食料しょくりょうを集中しゅうちゅう的てきに配布はいふする取り組とりくみを行おこなっています。

このうち神奈川かながわ県けん平塚ひらつか市しで活動かつどうするフードバンク湘南しょうなんでは、食料しょくりょうを取とりに来きた人ひとにスタッフが箱はこや紙袋かみぶくろに入いれたレトルト食品しょくひんや菓子かしなどを手渡てわたしていました。

物価ぶっか高騰こうとう支援しえんの要請ようせいは1.8倍ばいに

このフードバンクでは物価ぶっかの高騰こうとうに伴ともなって去年きょねんの春はるごろから、これまでの1人にん親おや家庭かていに加くわえ若わかい世代せだいなどからも幅広はばひろく支援しえんの要請ようせいが増ふえ始はじめ、昨年度さくねんどは4352件けんと前まえの年としの1.8倍ばいとなりました。

支援しえんの要請ようせいはことしに入はいってからも増ふえ続つづけていて、団体だんたいでは夏休なつやすみを前まえにふだんより多おおくの企業きぎょうなどに声こえをかけて食品しょくひんを集あつめましたが、確保かくほが追おいつかず、1世帯せたいに配くばれる量りょうが減へっているということです。

個人こじんの寄付きふが減少げんしょう企業きぎょう提供ていきょうの災害さいがい備蓄びちく米まいなど増ふえる

また、支援しえんの中身なかみについても、個人こじんからの寄付きふが減へったことで要望ようぼうの多おおいおかずになる食品しょくひんやお菓子おかしなどが減へり、企業きぎょうから提供ていきょうされた災害さいがい備蓄びちく米まいや乾パンかんぱんなどが増ふえたということです。

食品しょくひんを受け取うけとった53歳さいの女性じょせいは中学生ちゅうがくせいと大学生だいがくせいの2人にんの子こどもを育そだてているということで「子こども2人にんが食たべ盛ざかりで、夏休なつやすみで家いえにいる時間じかんも長ながいし食費しょくひは気きになります。物価ぶっか高だかで食品しょくひんも高たかく感かんじ手しゅが出でないものもあるので、ここでいただけるのはありがたいです」と話はなしていました。

「ぎりぎりの生活せいかつの人ひとたちに物価ぶっか高だかが追い打おいうち」

フードバンク湘南しょうなんの大関おおぜきめぐみ理事りじ長ちょうは「今いまが過去かこ最高さいこうの支援しえん件数けんすうです。ただでさえ、ぎりぎりの生活せいかつの人ひとたちが物価ぶっか高だかが追い打おいうちになって苦労くろうされているので心配しんぱいしています。私わたしたちの活動かつどうで、少すこしでも夏休なつやすみに母親ははおやや子こどもたちがゆとりある生活せいかつをおくれる手助てだすけができたら」と話はなしていました。

全国ぜんこくフードバンク推進すいしん協議きょうぎ会かいがアンケート調査ちょうさ

物価ぶっか高騰こうとうはフードバンクの活動かつどうにどのような影響えいきょうを及およぼしているのか、全国ぜんこくフードバンク推進すいしん協議きょうぎ会かいが地域ちいきの課題かだい解決かいけつに取り組とりくむNPOと共同きょうどうでことし1月つきから2月つきにかけてアンケート調査ちょうさを行おこないました。

調査ちょうさは全国ぜんこくの215のフードバンクを対象たいしょうに行おこなわれ、85団体だんたいが回答かいとうしました。

この中なかで、去年きょねん1月つき以降いこう、物価ぶっか高だかの影響えいきょうで支援しえん要請ようせいが増ふえたかどうかについては、77％を占しめる65団体だんたいが「増加ぞうかした」、15％の13団体だんたいが「変かわらない」、8％の7団体だんたいが「減へった」と答こたえました。

また、支援しえんの対象たいしょうについては「広ひろがった」と答こたえたのは77％の65団体だんたい、「変かわらない」が22％の19団体だんたい、「狭せばまった」が1％の1団体だんたいとなりました。

寄付きふされる食品しょくひんの量りょうについては「増加ぞうかした」が38％の32団体だんたい、「変かわらない」が29％の25団体だんたいに上のぼった一方いっぽうで、「減少げんしょうした」が全体ぜんたい3分ぶんの1の33％、28団体だんたいに上のぼりました。

また、調査ちょうさでは、増ふえる支援しえん要請ようせいに対にたいし少すくないスタッフで対応たいおうせざるをえない現状げんじょうも浮かび上うかびあがっています。

スタッフの数かずについて、回答かいとうがあった67団体だんたいのうち「1人にんから3人にん」が28％で最もっとも多おおく、次ついで「7人にんから10人にん」が22％、「4人にんから6人にん」が15％で、もっとも規模きぼの大おおきい「40人にんから49人にん」は3％にとどまりました。

「フードバンクが応こたえられるぎりぎりの状態じょうたいに」

全国ぜんこくフードバンク推進すいしん協議きょうぎ会かい米山よねやま廣明ひろあき代表だいひょう理事りじ

全国ぜんこくフードバンク推進すいしん協議きょうぎ会かいの米山よねやま廣明ひろあき代表だいひょう理事りじは「物価ぶっか高だかや光熱こうねつ費ひの上昇じょうしょうで、生活せいかつ基盤きばんがぜい弱ぜいじゃくだった1人にん親おや家庭かていを中心ちゅうしんに支援しえんを求もとめる声こえが上あがっている。大学生だいがくせいや外国がいこく人じんも支援しえんするようになり、これほど多おおくの層そうから支援しえんを求もとめる声こえが上あがるのはフードバンクの歴史れきしの中なかでも初はじめてのことだ。社会しゃかい的てきなニーズに対にたいし、フードバンクが応こたえられるぎりぎりの状態じょうたいになっている」と説明せつめいしました。

そのうえで「特とくに夏休なつやすみにかけて、小ちいさい子こどもがいる家庭かていでは給食きゅうしょくがなくなるので食費しょくひが日頃ひごろよりかかる時期じきになる。そもそも十分じゅうぶんな食事しょくじをとることができるのが給食きゅうしょくだけの家庭かていもあるので、困窮こんきゅう世帯せたいの子こどもにとっては集中しゅうちゅう的てきにサポートするのが非常ひじょうに大事だいじな時期じきでもある。食品しょくひんや資金しきん的てきな寄付きふを含ふくめて、全国ぜんこくのフードバンクを支ささえていただきたい」と呼よびかけました。