「フジテック」をめぐっては、
香港の
投資ファンド「オアシス・マネジメント」が
当時の
内山高一社長ら
創業家との
間に
不透明な
取り引きが
あると
指摘し、
去年6
月の
株主総会で
内山氏の
取締役の
再任案に
反対するよう
ほかの
株主に
呼びかけました。
フジテックは、「取り引きに問題はない」としつつも、総会の直前になって内山氏の再任案を撤回する異例の事態となっていました。
フジテックは第三者委員会を設置し、調査を進めていますが、内山氏が取締役を外れたあと、会長に就任して社内にとどまったことで、両者の対立がさらに激しくなります。
フジテックは内山氏の会長就任について、「事業への影響を最小限にするための措置だ」としたうえで、内山氏は取締役会などには参加せず、必要に応じて事業に関連したアドバイスを依頼していると強調し、経営への直接的な関与はないと主張しています。
対する「オアシス」は、社外取締役が内山氏の会長就任を認めたことは監督責任を果たしていないとして、全員を交代させるよう求める事態となっていました。
今回、5人の社外取締役のうち3人が解任されましたが、株主の提案によって社外取締役が解任されることは極めて異例です。
フジテックの取締役会は9人のうち、会社側が選んだ取締役が5人、ファンド側が選んだ取締役が4人の構成となり、会社側は過半数を維持しますが、ファンド側の影響力が増すことによって経営の混乱が深まることが予想されます。
香港投資ファンド「積極的に監視していく」
この結果について、フジテックの
大株主の
香港の
投資ファンド「オアシス・マネジメント」は、「
現任の
取締役および、
経営陣に対する重大な
メッセージに
なる。
説明責任、
透明性などを
含む有意義な
変革を
求めて
いく。
新たな
取締役会がフジテックを
内山家の
支配から
解放し、すべての
株主の
利益のために
協力して
行動することを
最も期待している」
などとする
声明を
出しました。
そのうえで、「取締役会の行動を積極的に監視していく」として、今後もフジテックへの関与を続ける考えを示しました。