総裁と副総裁の人事案については、現在の副総裁の任期が満了となる来月19日までに本会議で採決される見通しです。
政府は今月14日、国会に対し、日銀の黒田総裁の後任として、経済学者の植田和男氏を起用するとともに、副総裁に前金融庁長官の氷見野良三氏と日銀理事の内田眞一氏を起用する案を提示しました。
このうち、副総裁候補の2人に対する所信聴取と質疑が、先週の衆議院に続いて28日、参議院の議院運営委員会で行われています。
この中で内田氏は、「今の大規模緩和のもとで雇用者数が増え、賃金の上昇も見られた。ただ、思ったほど賃金が上がらなかったという指摘があるのは全くそのとおりだ。金融緩和をしっかり維持することで企業が収益をあげ、十分賃金を払える環境をつくっていきたい」と述べました。

一方、氷見野氏は、「日銀の使命である金融システムの安定について、現在、具体的に懸念のある状況とは受け止めていないが、海外では隠れていたぜい弱性が表に出る事例もいくつか出ている。不均衡やぜい弱性がどこかに潜んでいないか、注意深くモニタリングしていく必要がある」と述べました。
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