日本新聞: ラグビー日本代表イングランドに敗戦「超速ラグビー」及ばず

ラグビー日本にっぽん代表だいひょうはことし最初さいしょのテストマッチとして東京とうきょう国立こくりつ競技きょうぎ場じょうでイングランド代表だいひょうと対戦たいせんし、17対たい52で敗やぶれました。

日本にっぽんは、ことし1月つきに就任しゅうにんしたエディー・ジョーンズヘッドコーチの初戦しょせんで、スピードを生いかした「超ちょう速そくラグビー」を掲かかげて挑いどみましたが及およばず、イングランドとのテストマッチは12連敗れんぱいとなりました。

日本にっぽんが先制せんせいも…

世界せかいランキング12位いの日本にっぽんは、ことし最初さいしょのテストマッチとして世界せかい5位いのイングランドと対戦たいせんし、東京とうきょう国立こくりつ競技きょうぎ場じょうには4万まん4029人にんの観客かんきゃくが詰つめかけました。

前半ぜんはん、日本にっぽんは開始かいし早々そうそうの2分ふんにスタンドオフの李り承うけたまわ信しん選手せんしゅがペナルティーゴールを決きめて3点てんを先制せんせいしましたが、イングランドに得意とくいのキックから主導しゅどう権けんを握にぎられ、14分ふんにトライを奪うばわれて逆転ぎゃくてんされました。

その後そのごもトライを重かさねられ、18点てん差さで迎むかえた前半ぜんはん終了しゅうりょう間際まぎわにはスタンドオフのマーカス・スミス選手せんしゅに右みぎサイドに芸術げいじゅつ的てきなキックパスを通とおされてトライを決きめられ、3対たい26と大おおきくリードされて試合しあいを折り返おりかえしました。

後半こうはんもイングランドのペースで進すすみ、3つのトライなどで42点てん差さとされた26分ふん、途中とちゅう出場しゅつじょうで代表だいひょう初はつキャップの山本やまもと凱選手せんしゅの突破とっぱからウイングの根塚ねづか洸こう雅みやび選手せんしゅがトライを決きめたほか、29分ふんには途中とちゅう出場しゅつじょうのフルバック、山沢やまざわ拓也たくや選手せんしゅのトライで追い上おいあげました。

しかし、その後そのご、レッドカードで1人にん少すくないイングランドにさらにトライを奪うばわれ、17対たい52で敗やぶれました。

日本にっぽんは、ことし1月つきに就任しゅうにんしたジョーンズヘッドコーチが掲かかげた「超ちょう速そくラグビー」をコンセプトに、素早すばやい球たま出だしなどを見みせる場面ばめんもありましたが、密集みっしゅうやスクラムでプレッシャーを受うけペナルティーを重かさねて、ペースをつかめませんでした。

これでイングランドとのテストマッチは12連敗れんぱいとなりました。

日本にっぽんは来月らいげつ13日にちには仙台せんだい市しで世界せかい13位いのジョージア代表だいひょうと、来月らいげつ21日にちには札幌さっぽろ市しで世界せかい8位いのイタリア代表だいひょうと対戦たいせんし、9年ねんぶりに復帰ふっきしたジョーンズヘッドコーチのもと新生しんせい日本にっぽん代表だいひょうとして初はつ勝利しょうりを目指めざします。

エディー・ジョーンズHC「明あきらかに残念ざんねんな結果けっか」

日本にっぽん代表だいひょうのエディー・ジョーンズヘッドコーチは、試合しあい後ごの会見かいけんで「われわれにとって明あきらかに残念ざんねんな結果けっかで悔くやしく思おもう。ただ、内容ないようは非常ひじょうに大おおきな財産ざいさんになったと思おもうし、セットピースでも競り合せりあうことができた。テストマッチに初はじめて出場しゅつじょうした選手せんしゅにとってはすばらしい学まなびの機会きかいになったと思おもう」と時折ときおり、笑顔えがおも見みせながら振り返ふりかえりました。

そのうえでみずから掲かかげた「超ちょう速そくラグビー」については、「最初さいしょの15分ふんはイングランドにかなりプレッシャーをかけられたと思おもうが、フィジカルの面めんでもメンタルの面めんでもチームとしてのキャパシティーがまだ十分じゅうぶんではなかった。今後こんごはもっとペースを上あげて多様たようなアタックをしていきたいが、それには練習れんしゅうあるのみだ」と話はなしていました。

リーチマイケル「フィジカルの差さを感かんじた」

日本にっぽん代表だいひょうのキャプテン、リーチマイケル選手せんしゅは、試合しあい後ご「自分じぶんたちが目指めざしていた『超ちょう速そくラグビー』ができた部分ぶぶんはあったが、フィジカルの差さを感かんじた。ディフェンスでエネルギーを使つかう部分ぶぶんがたくさんあった。ボールを持もっているときはよかったが、なかなか継続けいぞくできなかった。反省はんせい点てんは多々たたあると思おもう」と振り返ふりかえりました。

そのうえで「結果けっかは悔くやしいが、必かならず自分じぶんたちの財産ざいさんになる。若わかい選手せんしゅもどんどん出でてきて、このチームは必かならず強つよくなる。次つぎの試合しあいに向むけてもっといい準備じゅんびをして頑張がんばりたい」と前まえを向むいていました。

大学生だいがくせいで初はつキャップの矢崎やさき「いい緊張きんちょう感かんで」

早稲田大わせだだい2年ねんの矢崎やさき由ゆかり高だか選手せんしゅは、2017年ねん当時とうじ東海大とうかいだいの野口のぐち竜司りゅうじ選手せんしゅ以来いらい、7年ねんぶりに大学生だいがくせいで初はつキャップを獲得かくとくしました。

フルバックで先発せんぱつ出場しゅつじょうした矢崎やさき選手せんしゅは「正直しょうじきすごく緊張きんちょうしたが、きのう緊張きんちょうしすぎたせいか、きょうは少すこしリラックスして、いい緊張きんちょう感かんでできたと思おもう」と振り返ふりかえりました。

そのうえで「ボールに触さわる回数かいすうを多おおくしてチームに勢いきおいを生み出うみだしたかったが、イングランドは想像そうぞうしていたとおり強つよかった。3年ねん後ごのワールドカップで勝かてるように、もっとボールタッチを増ふやしていきたい」と今後こんごの課題かだいも口くちにしていました。

同おなじくテストマッチ初はつ出場しゅつじょうとなったフッカーの原田はらだ衛まもる選手せんしゅは「最初さいしょのスクラムから思おもったよりも相手あいての重おもさが伝つたわってこなかった。セットプレーのところはうまくできたと思おもうが、相手あいてがうまくて反則はんそくをしてしまった」と話はなし、スクラムに一定いっていの手応てごたえを感かんじている様子ようすでした。

「超ちょう速そくラグビー」厳きびしい船出ふなでに

今回こんかいのテストマッチで、ジョーンズヘッドコーチがことし1月つきの就任しゅうにん以来いらい掲かかげてきた「超ちょう速そくラグビー」がベールを脱ぬぎましたが、イングランドの強固きょうこなフィジカルに跳ね返はねかえされ、思い描おもいえがいた攻撃こうげきの形かたちを展開てんかいすることはできませんでした。

「最初さいしょの20分ふん、相手あいてが見みたこともない速はやさでプレーする」という当初とうしょのゲームプランどおり、前半ぜんはんの開始かいし直後ちょくごはボールと人ひとが素早すばやく連動れんどうするプレーを随所ずいしょに見みせ、国立こくりつ競技きょうぎ場じょうに詰つめかけた4万まん4000人にんを超こえる観客かんきゃくを沸わかせました。

ラインアウトでもすぐにボールを入いれるなど、直前ちょくぜんの宮崎みやざき合宿がっしゅくで取り組とりくんできたプレーで、相手あいてに休やすむ時間じかんを与あたえない「超ちょう速そくラグビー」の一端いったんを見みせました。

しかし、前半ぜんはん14分ふんに逆転ぎゃくてんのトライを許ゆるすと、そこからペースを取り戻とりもどすことはできませんでした。

ジョーンズヘッドコーチが「相手あいてがやってくることはわかっている」と話はなしていたとおり、イングランドは、得意とくいのキックを使つかって前進ぜんしんし、強固きょうこなフィジカルでプレッシャーをかけてきました。

日本にっぽんはそれを跳ね返はねかえすことができず、フィジカルの面めんで完全かんぜんに力負ちからまけしました。

一方いっぽう、収穫しゅうかくとなったのは、8人にんの選手せんしゅたちがテストマッチに初はじめて出場しゅつじょうし、世界せかいのトップレベルを肌はだで感かんじたことです。

去年きょねんのワールドカップにも出場しゅつじょうした経験けいけん豊富ほうふなメンバーがそろったイングランドに対にたいし、スクラムで互角ごかくに組み合くみあう場面ばめんも見みられました。

選手せんしゅたちも「思おもったよりも組くめた」と手応てごたえを口くちにしましたが、結果けっか的てきにスクラムで何なん度どもペナルティーを取とられ、この試合しあいが初はつキャップのプロップ、竹内たけうち柊ひいらぎ平ひら選手せんしゅは「低ひくくいきすぎて先さきに体からだが落おちてしまった」と相手あいての試合しあい巧者こうしゃぶりを実感じっかんしていました。