横田めぐみさんは47年前、中学1年生の時に新潟市の中学校から帰る途中、北朝鮮に拉致されました。
めぐみさんはことし還暦で、5日に60歳の誕生日を迎えます。
これを前に母親の早紀江さん(88)が3日、記者会見しました。
早紀江さんは会見場にめぐみさんの写真や、めぐみさんが小学生の時に学校行事で山口県萩市に行った際に買ってきてくれたお土産の小さなつぼを持参し、「60歳のイメージが湧かないし、想像がつかないです。ちゃんと食べているのかもわからず、かわいそうで、早く何とかしたいとばかり思っています。何年もかかっている問題なので気持ちも言い尽くせません。私自身も年をとって疲れがたまってきていますし、異常なことが日本で起きているのを重く、深く考えさせられます」と述べました。
いまも安否が分からない拉致被害者は政府が認定しているだけでも12人に上っていて、健在な親は、88歳の横田早紀江さんと有本恵子さんの父親で96歳の明弘さんの2人だけになっています。
早紀江さんは「これ以上、何年生きられるか分かりませんし、向こうで待つ被害者たちの命も分かりません。日本政府の方には、みんなが帰って来られるようしっかり頑張っていただきたい」などと述べ、政府に対し一刻も早くすべての被害者を取り返してほしいと強く求めました。
拉致問題 林官房長官“早期に被害者の家族らと面会したい”
拉致問題の担当大臣を兼務する林官房長官は、臨時閣議のあとの記者会見で「拉致問題は石破内閣の最重要課題だ。肉親との再会を切なる思いでお待ちの高齢の家族の心痛を察すると、解決には一刻の猶予も許されない」と述べました。
そのうえで、できるだけ早期に被害者の家族らと面会したいという考えを示しました。
そして「家族の思いを胸に刻み、政府の責任で何が最も効果的かという観点から今後も不断の検討を行っていく。すべての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、全力で果断に取り組んでいく」と強調しました。