イラン最高さいこう指導しどう者しゃ ハメネイ師し イスラエルをけん制けんせい

イランの最高さいこう指導しどう者しゃハメネイ師しは4日にち、首都しゅとテヘランで行おこなわれたヒズボラの最高さいこう指導しどう者しゃナスララ師しを追悼ついとうする式典しきてんで演説えんぜつしました。

このなかで、ハメネイ師しは1日にちに行いったイスラエルに対にたいするミサイル攻撃こうげきについて「われわれの軍事ぐんじ組織そしきによる輝かがやかしい仕事しごとは完全かんぜんに合法ごうほうで正当せいとうだった」と述のべ、改あらためて正当せいとう性せいを強調きょうちょうしました。

その上うえで「今後こんご、必要ひつようがあれば正ただしく合理ごうり的てきな措置そちが再ふたたびとられるだろう」と述のべ、対抗たいこう措置そちをとる構かまえのイスラエルをけん制けんせいしました。

イスラエル軍ぐん ヒズボラへ攻勢こうせい強つよめる

イスラエル軍ぐんはイランの支援しえんを受うけるレバノンのイスラム教いすらむきょうシーア派は組織そしきヒズボラへの攻勢こうせいを強つよめていて、レバノン南部なんぶへの地上ちじょう侵攻しんこうとともに連日れんじつ、首都しゅとベイルートなどへの空爆くうばくを続つづけています。

アメリカの有力ゆうりょく紙し「ニューヨーク・タイムズ」は複数ふくすうのイスラエル政府せいふ高官こうかんの話はなしとしてイスラエル軍ぐんは3日にち、ベイルート郊外こうがいの地下ちかでヒズボラの幹部かんぶらが会議かいぎを行おこなっているとの情報じょうほうを得えて空爆くうばくを行おこなったと伝つたえました。

幹部かんぶの中なかには9月つきに殺害さつがいされたヒズボラの最高さいこう指導しどう者しゃ、ナスララ師しの後継こうけい者しゃになる可能かのう性せいがある人物じんぶつも含ふくまれていたとしています。

レバノン政府せいふは4日にち、イスラエル軍ぐんによる攻撃こうげきで過去かこ24時間じかんで37人にんが死亡しぼうし、150人にん以上いじょうがけがをしたと発表はっぴょうしました。

一方いっぽう、イスラエル軍ぐんが地上ちじょう侵攻しんこうに踏み切ふみきったレバノン南部なんぶでも双方そうほうの戦闘せんとうが激化げきかしている模様もようです。

イスラエル軍ぐんは3日にち、およそ230の飛ひしょう体たいがレバノン側がわから発射はっしゃされたと発表はっぴょうしたほか、4日にちの朝あさ早はやくにもおよそ20の飛ひしょう体たいがイスラエル領内りょうないに向むけて発射はっしゃされたのを確認かくにんしたとしています。

イスラエル軍ぐんのハレビ参謀さんぼう総長そうちょうは3日にち、レバノンとの国境こっきょう付近ふきんを訪おとずれ、「ヒズボラが拠点きょてんを設もうけることは許ゆるさない」と述のべ、ヒズボラへの攻勢こうせいを強つよめる姿勢しせいを強調きょうちょうしました。

国連こくれん安保理あんぽり 一致いっちした対応たいおう打ち出うちだせない中なか

中東ちゅうとう情勢じょうせいの緊迫きんぱく化かを受うけて、国連こくれん安保理あんぽりは9月つき下旬げじゅん以降いこう、繰り返くりかえし緊急きんきゅう会合かいごうを開催かいさいしていますが、常任じょうにん理事りじ国こく間かんの意見いけんの対立たいりつも伝つたえられ、決議けつぎを採択さいたくするなどの一致いっちした対応たいおうを打ち出うちだせていません。

こうしたなか、日本にっぽんを含ふくむ非ひ常任じょうにん理事りじ国こく10か国かこくは3日にち午前ごぜん、共同きょうどう声明せいめいを出だし、中東ちゅうとうでの暴力ぼうりょくの連鎖れんさを非難ひなんするとともに、すべての敵対てきたい行為こういの即時そくじ停止ていしを呼よびかけました。

声明せいめいではすべての当事者とうじしゃに対にたいし、国際こくさい人道じんどう法ほうなどにおける義務ぎむを尊重そんちょうするよう求もとめ、民間みんかん人じんの保護ほごを強つよく要請ようせいしているほか、外交がいこう的てき解決かいけつが唯一ゆいいつの進すすむべき道みちだと強調きょうちょうしています。

また、イスラエルの外相がいしょうが2日にち、国連こくれんのグテーレス事務じむ総長そうちょうを「好このましからざる人物じんぶつ」に指定していしイスラエルへの入国にゅうこくを禁止きんしすると発表はっぴょうしたことについて、国連こくれんの安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいは3日にち、グテーレス事務じむ総長そうちょうを「全面ぜんめん的てきに支ささえる」とする報道ほうどう機関きかん向むけの談話だんわを出だしました。

10月つきの議長ぎちょう国こくを務つとめるスイスの国連こくれん大使たいしが談話だんわを読み上よみあげ、「すべての加盟かめい国こくが事務じむ総長そうちょうとその職務しょくむを損そこなうような行動こうどうをつつしむ必要ひつよう性せいを強調きょうちょうする」としています。

その上うえで、談話だんわではイスラエルを名指なざしすることは避さけながらも「特とくに中東ちゅうとうでの緊張きんちょうの高たかまりという文脈ぶんみゃくにおいて、事務じむ総長そうちょうや国連こくれんと関かかわりを断たつという決定けっていは逆ぎゃく効果こうかだ」と指摘してきしました。

UNHCR報道ほうどう官かん「人道的じんどうてきな大だい惨事さんじといえる状況じょうきょう」

UNHCR＝国連こくれん難民なんみん高等こうとう弁務べんむ官かん事務所じむしょレバノン事務所じむしょのリサ・アブハレド報道ほうどう官かんが3日にち、オンラインでNHKのインタビューに答こたえました。

アブハレド報道ほうどう官かんは「これまでレバノン南部なんぶに限かぎられていた戦闘せんとうの影響えいきょうが国くに全体ぜんたいに広ひろがり、数すう日間にちかんで避難ひなん民みんの数かずが倍増ばいぞうした。避難ひなん所しょが受け入うけいれられる人数にんずうは限かぎられ、ベイルートでは屋外おくがいで寝泊ねとまりせざるをえない人ひとが多おおくいる。これは人道的じんどうてきな大だい惨事さんじといえる状況じょうきょうだ」と話はなしました。

また、今後こんご、気温きおんが下さがるため屋外おくがいでの暮くらしは難むずかしく、一刻いっこくも早はやくさらなる避難ひなん所しょの整備せいびが必要ひつようだと話はなしました。

その上うえで、家いえを追おわれた人ひとに配くばる、毛布もうふやマットレスといった物資ぶっしについて「最悪さいあくのシナリオを考かんがえて準備じゅんびをしてきたものの、急増きゅうぞうするニーズに対応たいおうできるだけの量りょうがない」としています。

さらにレバノンには、内戦ないせんが10年ねん以上いじょう続つづく隣国りんごくシリアから避難ひなんしている人ひともいるとして、「レバノンにいる人々ひとびとはもう十分じゅうぶんに苦くるしんでいる。苦くるしみや喪失そうしつの連鎖れんさを断ち切たちきるためには、政治せいじ的てきな解決かいけつがいますぐ必要ひつようだ」と述のべ、人道じんどう状況じょうきょうを改善かいぜんするためにも戦闘せんとうの停止ていしが求もとめられていると訴うったえました。