ウェストバージニア州、児童性的虐待コンテンツ拡散をめぐるアップル提訴
米国ウェストバージニア州司法長官事務所は19日、米大手IT企業であるアップル社に対し、児童の性的虐待に関するコンテンツが同社のクラウドサービス「iCloud」に保存・拡散されている状況を容認してきたとして、提訴に踏み切った。訴状によれば、アップルは長年にわたり、児童の安全確保よりもユーザーのプライバシー保護を優先してきたにもかかわらず、自社がハードウェアやソフトウェア、クラウドインフラを厳格に管理していることから、この問題を認識していなかったという主張は到底受け入れがたいと指摘されている。
米国内のテック企業には、児童の性的虐待コンテンツが検出された場合、全米行方不明・被搾取児童センターへの報告が義務付けられている。2023年の報告件数は、グーグルが147万件に上る一方で、アップルはわずか267件にとどまっており、この著しい差が問題視されている。
ウェストバージニア州のJB・マッカスキー司法長官は、児童の性的虐待コンテンツについて「極めて卑劣な行為であり、アップルの不作為には弁解の余地がない」と強調した。これに対し、アップル広報は「ユーザー、特に子どもの安全とプライバシー保護は、当社の根幹をなす価値観である。
絶えず進化する脅威に対応し、子どもにとって最も安全かつ信頼できるプラットフォームを維持するため、日々革新を続けている」とコメントしている。
さらに、マッカスキー司法長官は19日の記者会見において、アップルのように膨大なリソースを有する企業には、こうした安全問題に対処する社会的責任があることを改めて強調した。
訴訟では、iCloudがデバイス間で児童の性的虐待画像や動画を容易に検索・閲覧できる仕組みとなっており、ユーザーによる当該コンテンツへのアクセスや拡散を繰り返す際の「摩擦を軽減」している点が問題視されている。今回の提訴は、テクノロジー企業におけるプライバシー保護と児童保護の両立のあり方を、改めて問い直す契機となるだろう。