柔道じゅうどう 永瀬ながせ貴たか規ただしが金メダルきんめだる 2大会たいかい連続れんぞく 男子だんし81キロ級きゅう パリ五輪ごりん

決勝けっしょうは「谷たに落おとし」で一いち本ほん

永瀬ながせ選手せんしゅは初戦しょせんの2回戦かいせんは開始かいし2分ふん足たらずで合あわせ技わざ一いち本ほんで勝かち、3回戦かいせんは、前回ぜんかいの東京とうきょう大会たいかいでも対戦たいせんしたトルコの選手せんしゅとの延長えんちょう戦せんを制せいしました。

準々じゅんじゅん決勝けっしょうは世界せかいランキング1位いで東京とうきょう大会たいかいの銅どうメダリスト、ベルギーのマティアス・カッセ選手せんしゅと対戦たいせんし2試合しあい続つづけての延長えんちょう戦せんとなりましたが延長えんちょう2分ふん40秒びょうすぎに技わざありを奪うばって勝かちました。

準決勝じゅんけっしょうは世界せかい13位いのイタリアの選手せんしゅから開始かいし1分ふんすぎに支ささえ釣り込つりこみ足あしで技わざありを奪うばい、その後そのご、寝技ねわざで抑え込おさえこんで2つめの技わざありを取とり、2分ふん半はんほどで合あわせ技わざ一いち本ほんで勝かちました。

決勝けっしょうは世界せかい選手権せんしゅけん3連覇れんぱ中ちゅうのジョージアのタト・グリガラシビリ選手せんしゅと対戦たいせんし、先さきにで技わざありを奪うばうと、その後そのごも厳きびしい組くみ手しゅで攻せめ続つづけて2分ふん48秒びょう、再ふたたびで今度こんどは一いち本ほんを取とり、金メダルきんめだるを獲得かくとくしました。

永瀬ながせ「きょうの自分じぶんは120点てん」

オリンピック2連覇れんぱを果はたした永瀬ながせ貴たか規ただし選手せんしゅは表彰ひょうしょう式しきで名前なまえがアナウンスされると、一礼いちれいして表彰台ひょうしょうだいに上あがって笑顔えがおを見みせ、金メダルきんめだるをかけられました。

表彰ひょうしょう式しきのあと永瀬ながせ選手せんしゅは「オリンピックという舞台ぶたいを2回かい勝ち抜かちぬくことができたのは本当ほんとうに幸しあわせなことだと思おもいます」と話はなしました。そのうえで金メダルきんめだるを獲得かくとくした前回ぜんかい・東京とうきょう大会たいかい以降いこうの日々ひびを振り返ふりかえり「勝かてない時期じきが続つづきましたが、オリンピックの舞台ぶたいで勝かつことだけを考かんがえてやってきたので、きょう一いち日にち、自分じぶんを信しんじて戦たたかうことができました。きょうの自分じぶんは120点てんだったと思おもいます」と晴はれやかな表情ひょうじょうで話はなしていました。

81キロ級きゅうでオリンピック2連覇れんぱは永瀬ながせが初はつ

30歳さいの永瀬ながせ選手せんしゅは初はつ出場しゅつじょうだったリオデジャネイロ大会たいかいから3大会たいかい連続れんぞくのメダル獲得かくとくで、を達成たっせいしました。今いまの階級かいきゅう区分くぶんになった2000年ねんのシドニー大会たいかい以降いこう、層そうが厚あついで、今こん大会たいかいは5試合しあいで相手あいてに技わざのポイントを1つも奪うばわれずに優勝ゆうしょうしました。これで柔道じゅうどう男子だんしは日本にっぽんが初日しょにちから4日にち連続れんぞくでメダルを獲得かくとくしました。▼銀メダルぎんめだるはグリガラシビリ選手せんしゅで、▼銅メダルどうめだるは韓国かんこくのイ・ジュナン選手せんしゅとタジキスタンのソモン・マフマドベコフ選手せんしゅでした。

永瀬ながせ「やってきたことは間違まちがいではなかった」

オリンピック2連覇れんぱを果はたした永瀬ながせ貴たか規ただし選手せんしゅは、決勝けっしょう直後ちょくごのインタビューで2連覇れんぱについて「まだ信しんじ切きれていないですけどここまでやってきたことは間違まちがいではなかったと思おもいます」と興奮こうふん気味ぎみに話はなしました。

そして「勝かてない時期じきが続つづき、つらい日々ひびでしたが、周まわりの人ひとに支ささえられてここまで来こられたので、本当ほんとうに感謝かんしゃしたいです」とうれしそうに話はなしていました。

ベテラン永瀬ながせ 圧倒あっとうして2連覇れんぱ

東京とうきょう大会たいかいに続つづきパリでも頂点ちょうてんに立たった男子だんし81キロ級きゅうの永瀬ながせ貴たか規ただし選手せんしゅ。みずからに厳きびしく向き合むきあい、妥協だきょうを許ゆるさない稽古けいこの積み重つみかさねが最高さいこうの結果けっかをもたらしました。

永瀬ながせ選手せんしゅはリオデジャネイロの銅メダルどうめだるに続つづいて東京とうきょうでは金メダルきんめだるをつかみ、今こん大会たいかい、柔道じゅうどうの代表だいひょう選手せんしゅでは最多さいたとなる3回かい目めのオリンピックに臨のぞんだ30歳さいのベテランです。関係かんけい者しゃの間までは柔道じゅうどうに対にたいする真摯しんしな姿勢しせいが評価ひょうかされていて、男子だんし代表だいひょうの鈴木すずき桂かつら治おさむ監督かんとくが「これ以上いじょう稽古けいこしないようにお願おねがいするのは永瀬ながせくらいだ」と話はなすほどの練習れんしゅうの虫むしでもあります。

ただ、東京とうきょう大会たいかい後ごは国際こくさい大会たいかいで表彰ひょうしょう台だいにこそ立たちますが優勝ゆうしょうできない時期じきが続つづきました。さらに、去年きょねん12月つきの国際こくさい大会たいかい、グランドスラム東京とうきょうではまさかの3回戦かいせん負まけ。その後そのご、「自分じぶんらしい柔道じゅうどうができなかったのが一番いちばん悔くやしくて無意識むいしきにできていたことが、テンポが遅おくれたり、動うごきができたりしていなかった」と映像えいぞうを徹底てってい的てきに分析ぶんせきして組くみ手しゅの入はいり方かたなどを考え抜かんがえぬきました。

好調こうちょうのときとえりやそでを持もつ位置いちなどの細こまかな点てんの違ちがいも気きづいたという永瀬ながせ選手せんしゅはことし1月つき、その効果こうかを実践じっせんするためにも担当たんとうコーチとともにヨーロッパでの海外かいがい合宿がっしゅくを実施じっし。徐々じょじょに手応てごたえをつかみ、ことし3月つきには東京とうきょう大会たいかい以来いらい、国際こくさい大会たいかいでの頂点ちょうてんに立たちました。

自分じぶんの強つよみをと表現ひょうげんする永瀬ながせ選手せんしゅ。「優勝ゆうしょうした時ときの感動かんどうをもう一度もういちど味あじわいたい」とパリ大会たいかいに臨のぞみました。

初戦しょせん、得意とくいの内股うちまたから抑え込おさえこみへ流ながれるような展開てんかいで合あわせ技わざで一いち本ほんを取とって勝ち進かちすすむと、続つづく3回戦かいせんではトルコの選手せんしゅに延長えんちょう戦せんまで粘ねばられたものの、ここも内股うちまたが決きまって技わざありで準々じゅんじゅん決勝けっしょうに進すすみました。

準々じゅんじゅん決勝けっしょうの相手あいては第だい1シード、ベルギーのマティアス・カッセ選手せんしゅ。東京とうきょう大会たいかい銅どうメダリストの実力じつりょく者しゃと激はげしい組くみ手しゅ争あらそいになりました。ここで鍛きたえてきた成果せいかを見みせました。奥おく襟えりを取とって攻せめ、足技あしわざを出だして崩くずした永瀬ながせ選手せんしゅが徐々じょじょにみずからのペースに引きずり込ひきずりこみ、延長えんちょう戦せんに入はいって3分ふん近ちかく、大だい外そと刈がりで技わざありを奪うばって、勝利しょうりをつかみました。

その後そのご、準決勝じゅんけっしょうでは圧巻あっかんの一いち本ほん勝がち。

迎むかえた決勝けっしょうでは世界せかい選手権せんしゅけん3連覇れんぱを果はたしているジョージアのタト・グリガラシビリ選手せんしゅが立たちはだかりました。立ち上たちあがりこそ探さぐり合あう展開てんかいとなり互たがいに指導しどうが入はいりましたが、永瀬ながせ選手せんしゅが徐々じょじょに流ながれを作つくると、開始かいしからおよそ2分ふん、組くみ手しゅで有利ゆうりに立たって「谷たに落おとし」で技わざありを取とりました。

さらに、攻せめを緩ゆるめなかった永瀬ながせ選手せんしゅは相手あいてに背中せなかをもたれた状態じょうたいでもうまく組くみ手しゅでコントロールして「谷たに落おとし」で今度こんどは一いち本ほん。

この階級かいきゅうでは初はじめてとなる大会たいかい2連覇れんぱという快挙かいきょを達成たっせいしました。

ふだんは冷静れいせいな永瀬ながせ選手せんしゅですが、畳たたみから降おりるとさすがに笑顔えがおがこぼれと厳きびしく自分じぶんに向き合むきあった日々ひびを振り返ふりかえりました。

と語かたってきた永瀬ながせ選手せんしゅに再ふたたび、頂点ちょうてんに立たった味あじを改あらためて聞きくと「東京とうきょうとは違ちがった心境しんきょうというか、ことばに表あらわすのは難むずかしいが、やっぱりオリンピックという舞台ぶたいは目指めざすだけの価値かちがある素晴すばらしい大会たいかいだ」と優勝ゆうしょうをかみしめました。

「自分じぶんの柔道じゅうどう」で勝かつことへのこだわりも見みせていた永瀬ながせ選手せんしゅ。「私わたしらしく、しぶとくしぶとく、ワンチャンスをものにする柔道じゅうどうができたんじゃないか」と答こたえ自己じこ評価ひょうかが厳きびしい永瀬ながせ選手せんしゅもきょうだけは「120点てん」と評価ひょうかする最高さいこうの1日にちとなりました。

【準決勝じゅんけっしょう】

永瀬ながせ選手せんしゅは準決勝じゅんけっしょうで、世界せかいランキング13位いでイタリアのアントニオ・エスポジト選手せんしゅに合あわせ技わざで一いち本ほん勝がちし、決勝けっしょうに進すすみました。

永瀬ながせ選手せんしゅは支ささえ釣り込つりこみ足あしで技わざありを奪うばい、その後そのご、寝技ねわざで抑え込おさえこんで2つめの技わざありを取とりました。

決勝けっしょうは、世界せかい選手権せんしゅけんを3連覇れんぱしているジョージアのタト・グリガラシビリ選手せんしゅと対戦たいせんします。

連覇れんぱ達成たっせい 母校ぼこうでも歓喜かんきの声こえ

柔道じゅうどう男子だんし81キロ級きゅうで長崎ながさき市し出身しゅっしんの永瀬ながせ貴たか規ただし選手せんしゅが連覇れんぱを達成たっせいすると、試合しあいの様子ようすを母校ぼこうの長崎ながさき日大にちだい高校こうこうで見守みまもった関係かんけい者しゃからは歓喜かんきの声こえが上あがりました。

長崎ながさき県けん諫早そう市しにある母校ぼこうの長崎ながさき日大にちだい高校こうこうのホールには、永瀬ながせ選手せんしゅを指導しどうした柔道じゅうどう部ぶの松本まつもと太一たいち監督かんとくや後輩こうはい部員ぶいんなどおよそ80人にんが集あつまって試合しあいを観戦かんせんしました。

決勝けっしょうで永瀬ながせ選手せんしゅが厳きびしい組くみ手しゅで攻せめ続つづけ、最後さいごは「谷たに落おとし」で一いち本ほん勝かちすると、会場かいじょうの人ひとたちは立ち上たちあがって大おおきな歓声かんせいを上あげていました。

松本まつもと監督かんとくは「非常ひじょうに楽たのしい時間じかんで『いい試合しあいだったな』と声こえをかけたい。長崎ながさきの選手せんしゅが世界せかいに通用つうようするということを示しめしてくれた。生徒せいとたちも永瀬ながせに続つづいてほしい」と話はなしていました。

男子だんし柔道じゅうどう部ぶのキャプテン、川口かわぐち克かつ希のぞみさんは「完璧かんぺきな試合しあい運はこびで優勝ゆうしょうして本当ほんとうにすごいと思おもう。とてもいい刺激しげきを受うけたので自分じぶんも頑張がんばって永瀬ながせさんのように強つよくなりたい」と話はなしていました。

都内とないで快挙かいきょ伝つたえる号外ごうがい

永瀬ながせ選手せんしゅが金メダルきんめだるを獲得かくとくし2連覇れんぱを達成たっせいしたことを受うけて、快挙かいきょを伝つたえる号外ごうがいがけさ都内とないで配くばられました。

号外ごうがいは東京とうきょう・丸の内まるのうちで午前ごぜん8時じごろから配くばられ、受け取うけとった50代だいの会社かいしゃ員いんの男性だんせいは、「試合しあいはテレビで見みていて、技わざが決きまった時ときにはスカッとしました。

連日れんじつ、日本にっぽん勢ぜいの金メダルきんめだるが続つづいていて驚おどろいています」と話はなし、夫婦ふうふで広島ひろしまから観光かんこうに訪おとずれていた70代だいの男性だんせいは「流ながれるように技わざを決きめていて素晴すばらしいと思おもいました。日本にっぽんの誇ほこりですね」と嬉うれしそうに号外ごうがいを眺ながめていました。

また会社かいしゃ員いんの40代だいの女性じょせいは「試合しあいの様子ようすはテレビで途中とちゅうまで観戦かんせんしていたのですが、寝ね落おちしてしまったので号外ごうがいを受け取うけとりました。激戦げきせんの階級かいきゅうでの連覇れんぱはすごいことだと思おもいます。朝あさからハッピーな気持きもちになりました」と話はなしていました。