近畿きんき～北陸ほくりくの沿岸えんがんや沖合おきあい M7以上いじょう地震じしんのおそれある活かつ断層だんそうを公表こうひょう

政府せいふの地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいは、能登のと半島はんとう地震じしんを受うけて海域かいいきの活かつ断層だんそうで起おきる地震じしんの長期ちょうき評価ひょうかを急いそぐ方針ほうしんをことし2月つきに示しめしていて、2日にち、兵庫ひょうご県けん北方ほっぽう沖おきから新潟にいがた県けん上越じょうえつ地方ちほう沖おきにかけての調査ちょうさ結果けっかを公表こうひょうしました。

それによりますと、マグニチュード7以上いじょうの地震じしんを引き起ひきおこすおそれがある長ながさ20キロ以上いじょうの活かつ断層だんそうや活かつ断層だんそう帯たいは、合あわせて25か所かしょに上のぼるということです。

このうち22か所かしょはこれまでに大学だいがくや研究けんきゅう機関きかんが公表こうひょうしていた研究けんきゅう結果けっかをもとに精査せいさしたもので、残のこりの3つは今回こんかい初はじめて活かつ断層だんそうと評価ひょうかされました。

最もっとも長ながい活かつ断層だんそうは、元日がんじつの能登のと半島はんとう地震じしんを引き起ひきおこしたとみられている「能登のと半島はんとう北岸ほくがん断層だんそう帯たい」でおよそ94キロに上のぼり、地震じしんの規模きぼはマグニチュード7.8から8.1程度ていどと推定すいていされています。

地震じしんの発生はっせい確率かくりつについては、来年らいねん中ちゅうの公表こうひょうを目指めざすとしています。

地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいの委員いいん長ちょうで東京とうきょう大学だいがくの平田ひらた直ただし名誉めいよ教授きょうじゅは、「今回こんかい評価ひょうかされた活かつ断層だんそうは、過去かこに地震じしんが起おきていただけでなく将来しょうらいも起おきる可能かのう性せいがあるということを認識にんしきして防災ぼうさいに努つとめてほしい」と話はなしていました。

海域かいいきの活かつ断層だんそうをめぐってはこれまでに九州きゅうしゅうや中国ちゅうごく地方ちほう沖おきの評価ひょうか結果けっかが公表こうひょうされていて、地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいは今後こんご、上越じょうえつ地方ちほう沖おきを除のぞく新潟にいがた県けん沖おきと、東北とうほくや北海道ほっかいどうの日本海にほんかい側がわについて評価ひょうかを進すすめることにしています。

公表こうひょうされた25の活かつ断層だんそうや活かつ断層だんそう帯たいは

今回こんかい公表こうひょうされた25の活かつ断層だんそうや活かつ断層だんそう帯たいの名前なまえと断層だんそうの長ながさ、想定そうていされる地震じしんの規模きぼは次つぎのとおりです。

1.沖おきノ礁北方ほっぽう断層だんそうは長ながさが25キロ程度ていどで、地震じしんの規模きぼはマグニチュード7.2程度ていどと推定すいていされています。

2.経ヶ岬きょうがみさき沖おき断層だんそうは長ながさが36キロ程度ていどでマグニチュードは7.4程度ていど、

3.小浜おばま沖おき断層だんそうは、長ながさ33キロ程度ていどでマグニチュード7.4程度ていどとなっています。

4.浦島うらしま礁北方ほっぽう北きた断層だんそうは長ながさ40キロ程度ていどでマグニチュード7.5程度ていど、

5.若狭わかさ海かい丘おか列れつ北きた縁えん断層だんそうは長ながさ21キロ程度ていどでマグニチュード7.0程度ていど、

6.越前えちぜん岬みさき西方せいほう沖おき北きた断層だんそうは長ながさ38キロ程度ていどでマグニチュード7.5程度ていど、

7.浦島うらしま礁北東ほくとう断層だんそうは長ながさ23キロ程度ていどでマグニチュード7.1程度ていど、

8.ゲンタツ瀬せ・大だいグリ南東なんとう縁えん断層だんそう帯たいは長ながさ52キロ程度ていどでマグニチュード7.7程度ていど、

9.加佐ノ岬かさのみさき沖おき断層だんそうは長ながさ25キロ程度ていどでマグニチュード7.2程度ていど、

10.羽咋はくい沖おき東ひがし断層だんそうは長ながさ30キロ程度ていどで、マグニチュード7.3程度ていどと推定すいていされています。

11.羽咋はくい沖おき西にし断層だんそうは長ながさが21キロ程度ていどで、マグニチュードは7.0程度ていど、

12.内ない灘なだ沖おき断層だんそうは長ながさ29キロ程度ていどでマグニチュード7.3程度ていど、

13.海士あま岬みさき沖おき東ひがし断層だんそうは長ながさ21キロ程度ていどマグニチュード7.0程度ていど、

14.門もん前ぜん断層だんそう帯たいは長ながさ38キロ程度ていどで、マグニチュード7.5程度ていど、

15.沖ノ瀬おきのせ東方とうほう断層だんそうは長ながさ35キロ程度ていどでマグニチュード7.4程度ていど、

16.能登のと半島はんとう北岸ほくがん断層だんそう帯たいは長ながさ94キロ程度ていどでマグニチュードは7.8から8.1程度ていどです。

17.輪島わじまはるか沖おき断層だんそうは長ながさが24キロ程度ていどでマグニチュードは7.1程度ていど、

18.能登のと半島はんとう北方ほっぽう沖おき断層だんそうは長ながさ31キロ程度ていどでマグニチュード7.3程度ていど、

19.舳倉島へぐらじま近海きんかい断層だんそう帯たいは長ながさ64キロ程度ていどでマグニチュード7.8程度ていど、

20.七なな尾び湾わん東方とうほう断層だんそう帯たいは長ながさ43キロ程度ていどでマグニチュード7.6程度ていど、

21.飯めし田海たうみ脚あし南みなみ縁えん断層だんそうは長ながさ31キロ程度ていどで、マグニチュード7.3程度ていど、

22.富山とやまトラフ西にし縁えん断層だんそうは長ながさ61キロ程度ていどで、マグニチュード7.8程度ていど、

23.上越じょうえつ沖おき断層だんそう帯たいは長ながさ86キロ程度ていどで、マグニチュードは7.8から8.1程度ていど、

24.名立なだち沖おき断層だんそうは長ながさ31キロ程度ていどで、マグニチュード7.3程度ていど、

25.上じょう越海こしうみ丘おか東ひがし縁えん断層だんそうは長ながさ25キロ程度ていどで、マグニチュードは7.2程度ていどと推定すいていされています。

このうち、京都きょうとから福井ふくいの沖合おきあいにある

1.沖おきノ礁北方ほっぽう断層だんそうと4.浦島うらしま礁北方ほっぽう北きた断層だんそう、7.浦島うらしま礁北東ほくとう断層だんそうは今回こんかい、新あらたに活かつ断層だんそうとして評価ひょうかされました。

地震じしんの規模きぼについて、政府せいふの地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいは、断層だんそうの長ながさや過去かこの活動かつどうから推定すいていしたもので、周辺しゅうへんの活かつ断層だんそうもずれ動うごくなどした場合ばあいはさらに規模きぼが大おおきくなるおそれがあるとしています。

海域かいいき活かつ断層だんそうの評価ひょうかの経緯けいい

海域かいいきの活かつ断層だんそうをめぐっては、大学だいがくや研究けんきゅう機関きかんが個別こべつに調査ちょうさや研究けんきゅうを行おこなってきましたが、国くにとしての統一とういつ見解けんかいがなかったことから、政府せいふの地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいは7年ねん前まえに分科ぶんか会かいを立たち上あげ、一体いったい的てきな評価ひょうかに乗り出のりだしました。

おととしには初はじめて、九州きゅうしゅうや中国ちゅうごく地方ちほう沖おきの評価ひょうか結果けっかが公表こうひょうされ、その後そのご、能登のと半島はんとう周辺しゅうへんを含ふくむ海域かいいきについても検討けんとうが進すすめられていましたが、ことしの元日がんじつに能登のと半島はんとう地震じしんが発生はっせいしました。

これを受うけて、地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいは断層だんそうの位置いちや形状けいじょうなどがまとまった段階だんかいで、発生はっせい確率かくりつなどの確定かくていを待またずに公表こうひょうしていく方針ほうしんに切り替きりかえました。

評価ひょうかに携たずさわった産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょの岡村おかむら行信ゆきのぶ 名誉めいよリサーチャーは「能登のと半島はんとう付近ふきんまで評価ひょうかが終おわったところで元日がんじつの地震じしんが起おきたことを重おもく受け止うけとめ、少すこしでも早はやく断層だんそうの位置いちや形状けいじょうを公表こうひょうする必要ひつようがあると考かんがえ今回こんかいの公表こうひょうに至いたった」と説明せつめいしました。

そのうえで「20キロ以上いじょうの長ながさの活かつ断層だんそうは見逃みのがしのないように評価ひょうかしたつもりだ。被害ひがいをできるだけ小ちいさくする対策たいさくに向むけた第だい1歩ほだと考かんがえていて、今回こんかいの評価ひょうか結果けっかをぜひ活用かつようしてほしい」と述のべました。