都とが卵子らんしの凍結とうけつ保存ほぞんに最大さいだい30万まん円えんを助成じょせいへ

1人にんの女性じょせいが産うむ子こどもの数かずの指標しひょうとなる去年きょねんの東京とうきょう都との出生しゅっしょう率りつは全国ぜんこくで最もっとも低ひくい1.04で、都とは、今年度こんねんど、少子しょうし化か対策たいさくの充実じゅうじつに向むけて妊娠にんしんや子育こそだてなどを切れ目きれめなくサポートする取り組とりくみを進すすめています。

この一環いっかんとして、将来しょうらい、妊娠にんしんを望のぞむ人ひとを支援しえんしようと、健康けんこうな女性じょせいなどが卵子らんしの凍結とうけつ保存ほぞんを行おこなう際さいの支援しえん策さくについて検討けんとうを進すすめてきましたが、このほど、具体ぐたい的てきな内容ないようをまとめました。

それによりますと、都とが指定していする医療いりょう機関きかんで卵子らんしの凍結とうけつ保存ほぞんを行おこなった場合ばあい、最大さいだい30万まん円えんを助成じょせいします。

対象たいしょうは18歳さいから39歳さいまでの都民とみんで、助成じょせいを受うけるには、卵子らんし凍結とうけつのメリットとデメリットを理解りかいするため、都とが実施じっしする説明せつめい会かいに参加さんかするとともに、都との調査ちょうさに対にたいし継続けいぞく的てきに協力きょうりょくする必要ひつようがあるということです。

また、夫婦ふうふで43歳さい未満みまんの妻つまが凍結とうけつした卵子らんしでの妊娠にんしんに向むけて治療ちりょうを受うける場合ばあい、1回かいにつき25万まん円えんを上限じょうげんに最大さいだい6回かいまでが助成じょせいされるということです。

都とは9月つき下旬げじゅんから説明せつめい会かいの受け付うけつけを始はじめ、10月つき中旬ちゅうじゅんに指定していの医療いりょう機関きかんの一覧いちらんを公表こうひょうする予定よていです。

卵子らんしの凍結とうけつ保存ほぞん経験けいけん者しゃ「女性じょせいへの後押あとおしに」

卵子らんしの凍結とうけつ保存ほぞんにかかる費用ひようの都との助成じょせいについて、去年きょねん、凍結とうけつ保存ほぞんした女性じょせいは、経済けいざい的てきなハードルが下さがるとともに社会しゃかい的てきな認知にんち度どが高たかまることで、これまで踏み出ふみだせなかった女性じょせいへの後押あとおしになるのではないかと話はなしています。

都内とないに住すむ会社かいしゃ員いんの本多ほんだ麻子あさこさん（38）は、おととし、2人にん暮くらしをしていた祖母そぼを亡なくしたことをきっかけに、1人にんでいる時間じかんが増ふえたということです。

この中なかで、今後こんごの人生じんせいを考かんがえるようになり、加か齢よわいとともに、妊娠にんしんや出産しゅっさんができなくなるかもしれないと漠然ばくぜんとした焦あせりを感かんじ始はじめ、去年きょねん、2回かいの採卵さいらん手術しゅじゅつを受うけ、21個この卵子らんしを凍結とうけつ保存ほぞんしました。

保険ほけんが効きかないため、検査けんさや保管ほかん料りょうなども含ふくめかかった費用ひようの合計ごうけい、およそ87万まん円えんはすべて自費じひとなります。

今後こんご、さらに、卵子らんしの数かずに応おうじて3年ねんごとに1個こ1万まん円えんの保管ほかん料りょうがかかりますが、こうした費用ひようは貯蓄ちょちくから捻出ねんしゅつするということです。

卵子らんしを凍結とうけつ保存ほぞんしたことで人生じんせいの選択肢せんたくしが増ふえたという本多ほんださんは、自身じしんの体験たいけんをインターネット上じょうに投稿とうこうしたり、周囲しゅういに話はなしたりしています。

その中なかでは、「費用ひようが高たかくてできない」とか「通院つういんのために休やすみたいと会社かいしゃの上司じょうしに言いいづらい」といった相談そうだんを受うけることもあると言いいます。

本多ほんださんは、都との支援しえんはこれまで卵子らんし凍結とうけつをするかどうか迷まよっていた女性じょせいにとって後押あとおしになるのではないかと期待きたいしています。

本多ほんださんは「助成じょせいがあることで、金額きんがく的てきに助たすかることもあるし、それ以上いじょうに、都とが制度せいどを発信はっしんすることにインパクトがある。卵子らんし凍結とうけつを知しらない人ひとや当事者とうじしゃではない人ひとが知しるきっかけになって、社会しゃかい的てきな認知にんち度どが高たかまれば卵子らんし凍結とうけつのハードルが下さがり、迷まよっている人ひとたちの助たすけになると思おもう」と話はなしていました。