きつねの嫁取よめと

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Nov 7, 2024 07:11 38
Furigana
日本報紙

むかしあるところ大日だいにちぼう(だいにちのぼう)という座頭ざとうさまと、いたこの女房にょうぼうと、ちょほというむすめが、三人さんにんらしていました。

ある神楽舞かぐらまい(かぐらまい)の格好かっこうをしたおとこが「ちょほよめにくれ」と、いえにやってきました。それでちょほは、おとこ山奥やまおくむらへ、よめことにしました。

おとこ結婚けっこんしたちょほは、やまはたけ仕事しごとをするおとこたちのために、弁当べんとうとどけることになりました。そのさいとつさきのおばあさんから「はたけときは、太鼓たいこたたらしてくように」と、いつもねんされていました。

あるときつね太鼓たいこらしてあること疑問ぎもんったちょほは、太鼓たいこたたかずにはたけってみました。するとおどろいたことにおとこたちはみんなきつね姿すがたをしていました。ちょほは、自分じぶんきつねだまされてよめことり、実家じっかかえってこのこと両親りょうしんはなしました。

両親りょうしんは、きつねたちに報復ほうふくすることを計画けいかくし、おおきなふくろ用意よういして、婿きつねむこ村人むらびとたちを実家じっかしました。狐婿きつねむこたちは「馳走ちそうべられる」と大喜おおよろこびで、大勢たいせいでやってきました。

ちょほいえでは、きつねそう馳走ちそうさけ沢山用意たくさんよういしてあり、きつねたちはすっかりまわってきました。やがてしっぽしたりかおきつねもどったりしたまま、いい気分きぶん宴会えんかいたのしんでいました。

よるけたころ大日だいにちぼう三味線しゃみせんはじきながら「宴会えんかい最後さいごには、ふくろはいのがしきたりだ」とうたいました。すっかり警戒心けいかいしんいていたきつねたちは、用意よういしてあったおおきなふくろに、全員入ぜんいんはいってきました。

そこへ、かまえていた村人むらびとたちが、よってたかってつち(つち)でふくろだたきして、きつねたちを皆殺みなごろにしました。それでもなんとかしたきつねもいたらしく、しばらくするとまたこの周辺しゅうへんに、きつねがでるようになったそうです。

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