日本新聞: 「年収106万円の壁」厚生年金の賃金要件撤廃も検討厚労省

「年収ねんしゅう106万まん円えんの壁かべ」厚生こうせい年金ねんきんの賃金ちんぎん要件ようけん撤廃てっぱいも検討けんとう厚あつ労ろう省しょう

Nov 9, 2024 11:11

Furigana

短みじか時間じかん労働ろうどう者しゃの厚生こうせい年金ねんきんへの加入かにゅうを拡大かくだいしようと、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは企業きぎょう規模きぼの要件ようけんに加くわえて、月額げつがく8万まん8000円えん以上いじょうとする賃金ちんぎんの要件ようけんも撤廃てっぱいするかどうか検討けんとうを進すすめています。撤廃てっぱいされれば、いわゆる「年収ねんしゅう106万まん円えんの壁かべ」がなくなることになります。

パートなどで働はたらく短みじか時間じかん労働ろうどう者しゃが厚生こうせい年金ねんきんに加入かにゅうできる要件ようけんは、従業じゅうぎょう員いん51人にん以上いじょうの企業きぎょうで、週しゅう20時間じかん以上いじょう働はたらき、月額げつがく8万まん8000円えん以上いじょうの賃金ちんぎんを受け取うけとっている学生がくせい以外いがいの人ひとが対象たいしょうとなっています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、働はたらき方かたの多様たよう化かが進すすむ中なか、短時間たんじかんで働はたらく人ひとが将来しょうらい、受け取うけとる年金ねんきんも増ふやす必要ひつようがあるとして、こうした要件ようけんを緩和かんわする方針ほうしんで、まずは企業きぎょう規模きぼの要件ようけんを撤廃てっぱいし、5人にん以上いじょうの従業じゅうぎょう員いんがいる個人こじん事業じぎょう所しょもすべての業種ぎょうしゅで加入かにゅうの対象たいしょうとする方向ほうこうで検討けんとうしています。

これに加くわえて、最低さいてい賃金ちんぎんの引き上ひきあげに伴ともなって、週しゅう20時間じかん以上いじょう働はたらくと月額げつがく8万まん8000円えん以上いじょうとなる人ひとが増ふえているとして、賃金ちんぎんの要件ようけんも撤廃てっぱいするかどうか検討けんとうを進すすめています。

賃金ちんぎん要件ようけんが撤廃てっぱいされれば、いわゆる「年収ねんしゅう106万まん円えんの壁かべ」がなくなることになり、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、これらの見直みなおしで新あらたにおよそ200万まん人にんが加入かにゅう対象たいしょうになる見込みこみだとしています。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは審議しんぎ会かいなどで議論ぎろんした上うえで、来年らいねんの通常つうじょう国会こっかいに必要ひつような法案ほうあんを提出ていしゅつしたいとしていますが、「年収ねんしゅうの壁かべ」をめぐっては所得しょとく税ぜいなどの税ぜい負担ふたんに関にかんする「103万まん円えんの壁かべ」について与野党よやとうの協議きょうぎが始はじまっていて、「106万まん円えんの壁かべ」も今後こんご、論点ろんてんとなることが予想よそうされます。