1期目のトランプ政権のもとで、駐日大使を務めたハガティ上院議員は10日、アメリカのCBSテレビのインタビューに応じました。
この中でロシアからの軍事侵攻を受けるウクライナへの軍事支援について「相当な金額が使われている。アメリカ国民は国境が崩壊していることなど国内の問題に焦点をあてることを求めている」と述べ、支援の継続に否定的な立場を示しました。
その上で、ハガティ氏はウクライナで多くの犠牲者が出ていることに触れ、トランプ氏が今後、停戦に向けた働きかけを行うという見通しを示しました。
トランプ氏はウクライナへの軍事支援に消極的な姿勢を示していて、次期政権で支援がどこまで継続されるかが焦点となっています。
一方、同盟国との関係についてハガティ氏は「各国がそれぞれ防衛力の強化を図るべきだ」と強調し、防衛費を増額し防衛力を強化する日本の取り組みについては「前向きな動きだ」と評価しました。
ハガティ氏について、アメリカメディアは2期目のトランプ政権で国務長官などの閣僚ポストに起用される可能性があると伝えています。
サリバン大統領補佐官「ウクライナから手を引くべきでない」
一方、バイデン政権で安全保障を担当するサリバン大統領補佐官は、アメリカはウクライナへの支援を継続するべきだと訴えました。
サリバン氏は10日、CBSテレビのインタビューでウクライナ情勢への対応を問われると、「われわれのこの問題へのアプローチは過去2年半と変わらず、戦闘地域においてウクライナをできるかぎり、強い立場に置くことにある。そのことが交渉のテーブルにおいてもウクライナを強い立場にする。領土主権にまつわる問題について、いつ、どのように交渉のテーブルにつくかは、ウクライナ自身が決めるべきことだ」と述べました。
そのうえで、「アメリカはウクライナから手を引くべきではない。もし手を引けば、ヨーロッパは一段と不安定化し、究極的には、以前、日本の総理大臣が述べたように、アジアの同盟国に対するアメリカの関与への疑問が増すことになる」と指摘し、バイデン大統領は、こうした点を残された70日間の任期で、トランプ次期政権や議会に対して主張していくことになるという考えを示しました。