アメリカのCNNテレビなど複数のメディアは12日、共和党のトランプ氏が来年1月の政権発足に向けて、国土安全保障長官にサウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事を起用する方針だと相次いで報じました。
ノーム知事はトランプ氏を強く支持してきたことで知られ、今回の大統領選挙では激戦州の集会に参加するなどして選挙活動を支援してきました。
国土安全保障省は国境管理などを担うため、ノーム知事は、トランプ氏が選挙期間中に訴えてきた国境管理の強化や移民対策にあたることになります。
トランプ氏はこれまでに政権の要となる大統領首席補佐官に、みずからの陣営で選挙対策本部長を務めたワイルズ氏を、また、国連大使に自身を強く支持するステファニク下院議員を起用する人事などを発表していて、政権の骨格を自身に近い人物で固める姿勢を鮮明にしています。
トランプ氏の前の政権では閣僚や側近が更迭や辞任で相次いで交代していて、アメリカメディアは新たな政権の人選について「忠誠心が共通した要素になっている」と伝えています。
トランプ政権 1期目閣僚らは確執も
トランプ政権の1期目では政治経験がないトランプ氏を支えるために重要ポストには、側近だけでなく、軍出身者も就き、安全保障政策などについて意見をぶつける場面もみられました。
1期目で国防長官に就任したマティス氏はアメリカ海兵隊の元大将で、イラク戦争などで前線の部隊を率いた歴戦の雄として知られました。党派を超えて多くの政治家からも信頼を集め、安全保障分野で、トランプ氏に一定の影響力があったとされています。
また、海兵隊の元大将で、政権発足時に国土安全保障長官をつとめていたケリー氏は「混乱する政権内に規律を取り戻すため」として2017年7月に政権の要となる大統領首席補佐官に起用されました。
ただ、いずれもトランプ氏との意見の食い違いや確執が伝えられた後、辞任し、政権を離れました。
こうした中、2期目ではトランプ氏は重要ポストにみずからに近い人物を起用する姿勢を示していて、アメリカのメディアは「トランプ氏は2期目では忠誠心を優先していることがうかがえる」と伝えています。