発達はったつ障害しょうがいの通つう級きゅう指導しどう 都内とない4割わり以上いじょうの自治体じちたいで数すうか月かげつ程度ていどの遅おくれ

発達はったつ障害しょうがいの可能かのう性せいがある子こどもは、年々ねんねん増加ぞうか傾向けいこうで、全国ぜんこくの小中しょうちゅう学校がっこうで8.8％、11人にんに1人にん程度ていどいると推計すいけいされています。

国くには、こうした子こどもたちに対にたいする特別とくべつ支援しえん教育きょういくの1つとして、週しゅうに数すう回かい、ふだんとは別べつの教室きょうしつに移動いどうし、学習がくしゅうや生活せいかつの困難こんなんを克服こくふくする方法ほうほうを学まなぶ「通つう級きゅう指導しどう」の充実じゅうじつを求もとめています。

NHKがその現状げんじょうについて、都内とないすべての自治体じちたい（62）にアンケート調査ちょうさをしたところ、56の自治体じちたいから回答かいとうを得えました。

このうち、都内とないで「通つう級きゅう指導しどう」の条件じょうけんとなっている検査けんさの体制たいせいの問題もんだいなどにより、利用りように数すうか月かげつかかると答こたえたのが、全体ぜんたいの4割わりを超こえる24の自治体じちたいに上のぼりました。

自治体じちたいからは「ほぼ毎日まいにち検査けんさをしているが予約よやく待まちは3か月かげつ」とか「検査けんさまでに4か月かげつ程度ていどかかり、利用りように半年はんとし近ちかくかかる場合ばあいもある」などという意見いけんがありました。

また、慢性まんせい的てきな教員きょういん不足ふそくなどにより、利用りように数すうか月かげつかかると答こたえた自治体じちたいも7つに上のぼりました。

専門せんもん家かは「数すうか月かげつの支援しえんの遅おくれでも、学校がっこうでの人間にんげん関係かんけいで苦くるしい思おもいをして、不ふ登校とうこうになる子こどももいる。行政ぎょうせいは支援しえんを充実じゅうじつさせるべきだ」と指摘してきしています。

専門せんもん家か「支援しえんを充実じゅうじつさせることが重要じゅうよう」

今回こんかいの調査ちょうさ結果けっかについて、全国ぜんこく特別とくべつ支援しえん学級がっきゅう・通つう級きゅう指導しどう教室きょうしつ設置せっち学がく校長こうちょう協会きょうかいの大関おおぜき浩ひろし仁じん会長かいちょうは「支援しえんのタイミングを逃のがしてしまうと、学校がっこう生活せいかつでの失敗しっぱいで心こころが傷きずついたり、人間にんげん関係かんけいでとても苦くるしい思おもいをしたりして、不ふ登校とうこうや自分じぶんの部屋へやから出でることも難むずかしくなるといった二に次じ障害しょうがいになる子こどももいる」と指摘してきしました。

そして「子こどもにとって学校がっこう生活せいかつという限かぎられた時間じかんの中なかでの1か月かげつや1年ねんなので、子こどもたちが、必要ひつようとする教育きょういくを受うけることのできる環境かんきょうを整ととのえていくことが大切たいせつだ」と述のべました。

そのうえで「発達はったつ検査けんさなどは、行政ぎょうせいの予算よさん措置そちでクリアできる部分ぶぶんもあり、支援しえんを充実じゅうじつさせることが重要じゅうようだ。また教員きょういん不足ふそくに関にかんして、文部もんぶ科学かがく省しょうは、年度ねんどの途中とちゅうで通つう級きゅう指導しどうの希望きぼう者しゃが増ふえていく状況じょうきょうを前提ぜんていに、教員きょういんを配置はいちするべきだ」と訴うったえました。

通つう級きゅう指導しどうを待まつ児童じどうは

都内とないに住すむ小学しょうがく5年生ねんせいのミカさん（仮名かめい）は、検査けんさがすぐに受うけられず、通つう級きゅう指導しどうを待まつ1人にんです。

算数さんすうや体育たいいくなどは得意とくいですが、漢字かんじの読み書よみかきが苦手にがてで、発達はったつ障害しょうがいの1つ、「学習がくしゅう障害しょうがい」の傾向けいこうがあります。

ふだんのクラスでは、国語こくごの授業じゅぎょうで音読おんどくや漢字かんじテストがあると「読よむのが遅おそい」などと、からかわれたといいます。

ミカさんの母親ははおやは「『読よみがなを教科書きょうかしょに書かいたら楽らくになるよ』とか、『どこを読よんでいるのか分わからなくなったら、線せんを引ひくといいよ』などのサポートがあるとよかった」と振り返ふりかえります。

このため母親ははおやは、ミカさんに5年生ねんせいから通つう級きゅう指導しどうを利用りようさせたいと自治体じちたいに問い合といあわせましたが、希望きぼうした検査けんさの日時にちじは予約よやくが埋うまっていたと言いいます。

そして去年きょねんの夏なつごろからほとんど学校がっこうに通かよえなくなり、好すきだったバレーボールのクラブ活動かつどうにも参加さんかできずにいます。

ミカさんは「読よむのが遅おそいことがトラウマになってしまい、学校がっこうに行いけなくなったのかもしれない。6年生ねんせいになるまでに行いけるようにしたいです」と話はなしていました。

母親ははおやは「本人ほんにんたちが頑張がんばろうと思おもっているうちに支援しえんにつながることが何なにより大切たいせつだと思おもいます。もたもたしていると本人ほんにんたちは諦あきらめてしまい、すごく残念ざんねんです」と話はなしていました。