平成23
年の
紀伊半島豪雨では、
台風の
影響で
奈良・
和歌山・
三重の3
県で
川の
氾濫や
土砂災害が
相次ぎ、
死者・
行方不明者が88
人にのぼりました。
この豪雨から10年となる4日、8人が死亡し、3人がいまも行方不明となっている奈良県五條市では大規模な土砂災害が発生した宇井地区の慰霊碑の前で追悼式が開かれ、遺族や市の職員などおよそ100人が黙とうをささげました。
続いて土砂災害で母親を亡くし、父親が行方不明となっている中村彰作さんが遺族を代表し「両親や亡くなった地域の方々が生きていたら今はどうされているだろうと思うことがあります。地域を発展させてきた人たちの思いをむだにせず、未来に向けて歩んでいきたい」と追悼のことばを述べました。
このあと式では、参加した遺族などが花を手向けて静かに手を合わせ犠牲者を悼みました。
追悼式のあと、
中村さんは「
あっという間の10
年でいまだに
ほほ笑む両親が
夢に
出ることがあります。
見つかっていない
父親が
早く
見つかったらいいなと
思います」と
話していました。
また、母親と弟を亡くし、父親が行方不明となった辻本員康さん(53)は「亡くなったり行方不明になったりした方々は昔からよくしてくれた人たちばかりでした。身内だけでなく、すべての人に『元気にしていますか』と語りかける気持ちで花を手向けました」と話していました。