国営の
中国中央テレビの
電子版は、ファーウェイの
孟晩舟副会長がカナダを
出国する
直前の
空港での
様子を
動画で
伝えました。
孟副会長は中国大使館の関係者などとともに搭乗口に向かい、関係者とみられる女性と涙を浮かべながら抱き合い、女性に「泣かないで」などと中国語で話す様子が映されています。
このあと、孟副会長が機内で中国のSNSを使って友人向けに送った文章の内容をファーウェイの関係者が明らかにしました。
このなかで、孟副会長はカナダで過ごした3年間について「日夜さまよった日々は、どんなことばでも言いあらわしがたい。帰り道がどこにあるかもわからなかった」と心境をつづっています。
そして「親愛なる祖国、党、政府に感謝している。中国のきらびやかな赤い色が私の心中の信念の火を燃やし、私の人生の暗い時間を照らし、家路へと導いてくれた」として、中国政府の働きかけで帰国が実現したことをにじませて繰り返し謝意を示しました。
また、ファーウェイも25日に声明を発表し「孟副会長が無事に家に帰って家族と再会するのを楽しみにしている」としたうえで、法人としてのファーウェイをめぐる裁判について「引き続きみずからの権利を守っていく」としています。
中国外務省の趙立堅報道官は25日、中国版ツイッターのウェイボーに「帰国を歓迎する」と投稿しています。
北京大学教授「米中間の懸案1つ減ったが緊張した状態続く」
ファーウェイの孟晩舟副会長が、アメリカ司法省と司法取引で合意し、中国に帰国することについて、米中関係に詳しい北京大学の賈慶国教授は、NHKの取材に対し、「中国とアメリカとの関係にとって、間違いなく、よいニュースで、少なくとも、両国間の懸案は1つ減った。ただ、両国は多くの問題を抱えており孟副会長が帰国できたからといって、他の問題が改善するわけではない。両国関係はしばらく緊張した状態が続くだろう」と述べ、問題の1つが解決に向かっても米中間の対立がすぐに解消するわけではないという見方を示しました。