日本新聞: 核兵器禁止条約発効被爆者「私たちの声に耳を傾けて」

核兵器かくへいき禁止きんし条約じょうやく発効はっこう被爆ひばく者しゃ「私わたしたちの声こえに耳みみを傾かたむけて」

Jan 22, 2021 16:01

Furigana

核兵器かくへいき禁止きんし条約じょうやくが発効はっこうしたことについて、半はん世紀せいき以上いじょうにわたって核兵器かくへいき廃絶はいぜつを訴うったえてきた広島ひろしまの被爆ひばく者しゃは、条約じょうやくに参加さんかしていない国々くにぐにに対にたいして「ひと事ひとごとだと思おもわず、どうか私わたしたちの声こえに耳みみを傾かたむけてほしい」と訴うったえました。広島ひろしまの被爆ひばく者しゃで、93歳さいの阿部あべ静子しずこさんは、18歳さいのとき、爆心ばくしん地ちから1.5キロの場所ばしょで被爆ひばくして後遺症こういしょうや差別さべつに苦くるしみながらも半はん世紀せいき以上いじょうにわたって、国内こくない外がいで核兵器かくへいき廃絶はいぜつを訴うったえています。

いま、高齢こうれい者しゃ施設しせつで暮くらす阿部あべさんは新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで面会めんかいが制限せいげんされているため電話でんわでインタビューに応おうじました。

阿部あべさんは「あの日ひを体験たいけんした私わたしは、原爆げんばくは決けっしてこの地球ちきゅう上じょうで使用しようしてはいけない兵器へいきだと思おもっています。条約じょうやくが発効はっこうしたことは、一いち歩ほも二に歩ほも前進ぜんしんですが、核かく保有ほゆう国こくが足並あしなみをそろえてくれなければ『大だい行進こうしん』とはいきません。どうか核かく保有ほゆう国こくの方々かたがたはひと事ひとごとだと思おもわずに耳みみを傾かたむけて一緒いっしょに行動こうどうしてほしい」と話はなしました。

そして、日本にっぽん政府せいふに対にたいしては「身近みぢかに核兵器かくへいきによる被害ひがい者しゃがいて苦くるしみながら過すごしているのをご存ごぞんじです。横目よこめで、見みて見みぬふりをすることなく、正視せいししてください。誰だれにも遠慮えんりょすることなくいけないものはいけないと、いちばん声ごえを大おおきくして被害ひがい者しゃのむごさ、核かくを持もつことの危険きけんさを核かく保有ほゆう国こくに伝つたえてほしい」と述のべ、日本にっぽんが率先そっせんして条約じょうやくに参加さんかしてほしいと訴うったえました。