能登のと半島はんとう地震じしんから1年ねん 追悼ついとうの1日にち【随時ずいじ更新こうしん】

1日にちの被災ひさい地ちの様子ようすを、随時ずいじ更新こうしんでお伝おつたえします。

=石川いしかわ県けんの様子ようす=

穴水あなみず町まち 犠牲ぎせい者しゃに花はな手向たむけ祈いのりささげる

能登のと半島はんとう地震じしんで災害さいがい関連かんれん死しを含ふくめて42人にんが亡なくなった石川いしかわ県けん穴水あなみず町まちでは、町まちの施設しせつ「さわやか交流こうりゅう館かんプルート」に献花けんか台だいが設置せっちされました。

午前ごぜん10時じの開場かいじょうから次々つぎつぎと町民ちょうみんなどが訪おとずれて、亡なくなった42人にんの名前なまえが書かかれた犠牲ぎせい者しゃ名簿めいぼの前まえに花はなを手向たむけて静しずかに祈いのりをささげていました。

土砂崩どしゃくずれに巻き込まきこまれて亡なくなった同級生どうきゅうせいのために母親ははおやと訪おとずれた穴水あなみず町まちの中村なかむら千里せんりさん（11）は「お花おはなを手向たむけると亡なくなったという実感じっかんがわき寂さびしくなりました。ことしは平和へいわに暮くらしたいです」と話はなしていました。

自宅じたくが大だい規模きぼ半壊はんかいとなり、今いまも仮設かせつ住宅じゅうたくで暮くらしている穴水あなみず町まちの久保田くぼた和人かずとさん（69）は「亡なくなった知り合しりあいの顔かおが浮うかび、胸むねがつまりました。復興ふっこうは遅おそいとは言いうけど着実ちゃくじつに進すすんでいると思おもいます。たくさんの支援しえんに感謝かんしゃしつつ、一いち歩ほでも前まえに進すすみたい」と話はなしていました。

能登のと町まち 建物たてものの解体かいたい進すすみ さら地さらち広ひろがる地区ちくでは

地震じしんと津波つなみで海沿うみぞいの建物たてものを中心ちゅうしんに大おおきな被害ひがいが出でた石川いしかわ県けん能登のと町まちの白丸しろまる地区ちくは、建物たてものの解体かいたいが進すすみさら地さらちが広ひろがっていて、1日にちは人通ひとどおりがほとんどありませんでした。

全壊ぜんかいした「白丸しろまる郵便ゆうびん局きょく」は窓まどガラスやドアが割われたり壊こわれたりしたままで、町まちが「震災しんさい遺構いこう」として保存ほぞんする方針ほうしんを決きめています。

地震じしんのあとも地区ちくには仮設かせつ住宅じゅうたくに避難ひなんする人ひとも含ふくめておよそ60世帯せたいが暮くらしていますが、住民じゅうみんの中なかからは高台たかだいへの集団しゅうだん移転いてんを望のぞむ声こえが出でていて、検討けんとうする委員いいん会かいも立ち上たちあがっています。

委員いいん長ちょうを務つとめる山森やまもり賢治けんじ区長くちょう（72）は「震災しんさいから1年ねんがたち片かたづけも進すすんで徐々じょじょに落ち着おちつきを取り戻とりもどしています。しかし、集落しゅうらくの様子ようすを見みるとむなしいというかさみしいというか、もう元もとには戻もどらないとも感かんじてしまいます。集団しゅうだん移転いてんもようやく候補こうほ地ちがまとまってきたので、2025年ねんは住民じゅうみんが団結だんけつして地区ちくを整備せいびするスタートの年としにしたい」と話はなしていました。

輪島わじま 仮設かせつ住宅じゅうたくで餅もちつき

輪島わじま市しの海沿うみぞいにある仮設かせつ住宅じゅうたくの集会しゅうかい所しょでは餅もちつきが行おこなわれました。

午前ごぜん中ちゅうは青空あおぞらが広ひろがって晴はれ、集会しゅうかい所しょには地元じもとの人ひとたちや仮設かせつ住宅じゅうたくの住民じゅうみんなど多おおくの人ひとが集あつまり、「よいしょ、よいしょ」という威勢いせいのよい掛け声かけごえが響ひびきました。

つきたてのあたたかい餅もちは仮設かせつ住宅じゅうたくの住民じゅうみんに配くばられ、受け取うけとった人ひとたちからは笑顔えがおがこぼれていました。

餅もちを受け取うけとった赤坂あかさか美枝子みえこさんは「被災ひさい当時とうじは電気でんきも水みずも無なく、怖こわい思おもいをしました。きょうは天気てんきもよく、きれいなお餅もちをいただいてうれしいです。お餅もちを食たべて元気げんきになりそうです」と話はなしていました。

輪島わじま 重蔵じゅうぞう神社じんじゃ 住民じゅうみんやボランティアが初詣はつもうで

輪島わじま市し河井かわい町まちにある重蔵じゅうぞう神社じんじゃは、1年ねん前まえの地震じしんで本殿ほんでんや鳥居とりいなどに大おおきな被害ひがいを受うけ、いまも復旧ふっきゅうが進すすめられています。

元日がんじつの1日にちは、午前ごぜん9時じすぎに禰宜ねぎの能のう門もん亜あ由子ゆうこさんが境内けいだいに設もうけられた仮設かせつのテントから本殿ほんでんに向むかって祈いのりをささげました。

神社じんじゃには地元じもとの住民じゅうみんやボランティアで訪おとずれた人ひとたちが次々つぎつぎと訪おとずれ、静しずかに手てを合あわせてことし1年ねんの平穏へいおんや復興ふっこうを祈いのっていました。

地震じしんで自宅じたくが全壊ぜんかいしたという輪島わじま市しの70代だいの男性だんせいは「復興ふっこうが早はやく進すすんで人口じんこうも戻もどってきてほしいと願ねがいました」と話はなしていました。

秋田あきた県けんからボランティアに来きたという20代だいの女性じょせいは「被災ひさいした人ひとからは地震じしんから1年ねんがたつ現在げんざいも不安ふあんな気持きもちが続つづいていると聞きいたので、皆みなさんが平穏へいおんで過すごせるような状況じょうきょうになってほしいと祈いのりました」と話はなしていました。

被災ひさい地ちでも年賀状ねんがじょう配達はいたつ始はじまる

地震じしんで大おおきな被害ひがいを受うけた石川いしかわ県けん珠洲すず市しでも元日がんじつの1日にち、年賀状ねんがじょうの配達はいたつが始はじまり、被災ひさいした人ひとたちに年賀状ねんがじょうが届とどけられました。

能登のと半島はんとう地震じしんと去年きょねん9月つきの豪雨ごううで大おおきな被害ひがいを受うけた珠洲すず市しにある珠洲すず郵便ゆうびん局きょくでは、1日にち午前ごぜん8時じすぎに年賀状ねんがじょうの配達はいたつ員いんおよそ20人にんが集あつまりました。

清水しみず法ほう之の局長きょくちょうが「励はげましのメッセージが書かかれた年賀状ねんがじょうが多おおくあると思おもいます。笑顔えがおで届とどけてください」とあいさつしたあと、配達はいたつ員いんは出発しゅっぱつの合図あいずとともにバイクに乗のって一斉いっせいに配達はいたつに向むかいました。

珠洲すず市しでは地震じしんと豪雨ごううで道路どうろの被害ひがいが相次あいつぎ復旧ふっきゅう工事こうじが進すすめられているものの今いまも路面ろめんに段差だんさなどがある場所ばしょがあります。

このため配達はいたつ員いんはスピードを落おとしながら配達はいたつをしていました。

年賀状ねんがじょうを受け取うけとった70歳さいの男性だんせいは「地震じしんと豪雨ごううで自宅じたくが被害ひがいを受うけたためことしは年賀状ねんがじょうを出だすかどうか迷まよいました。ただ、こうして届とどくとうれしいです」と話はなしていました。

配達はいたつ員いんの関せき札さつ和也かずやさん（24）は「ことしは例年れいねん以上いじょうに特別とくべつな年賀状ねんがじょうだと感かんじています。待まっている人ひとにいつもどおり届とどけたいです」と話はなしていました。

日本にっぽん郵便ゆうびん北陸ほくりく支社ししゃによりますと、ことしは被災ひさい地ちに年賀状ねんがじょうを出だすことを控ひかえる人ひとが多おおいとみられ、奥おく能登のと地域ちいきに配達はいたつされる枚数まいすうは去年きょねんより大幅おおはばに減少げんしょうする見込みこみだということです。

一部いちぶ崩落ほうらくした見附みつけ島とうのぞむ海岸かいがんに地元じもとの人ひとたち

珠洲すず市しの見附みつけ島とうはその形かたちから軍艦ぐんかん島とうとも呼よばれ、珠洲すず市しのシンボルとして地元じもとの人ひとだけでなく観光かんこう客きゃくからも人気にんきがあります。

しかし、おととし5月つきの地震じしんに加くわえ、1年ねん前まえの能登のと半島はんとう地震じしんで一部いちぶが崩落ほうらくし、今いまは島しまに渡わたることもできなくなっています。

1日にち朝あさは曇くもりで、初日の出はつひのでを見みることはできませんでしたが、地元じもとの家族かぞく連づれなどが集あつまり、写真しゃしんを撮とるなどしていました。

1年ねん前まえの地震じしんの時ときは珠洲すず市内しないに帰省きせいしていたという門前もんぜん海うみ那さん（21）は「ことしは仮設かせつ住宅じゅうたくで正月しょうがつを迎むかえました。地震じしんがあったときはとても怖こわかったです」と話はなしていました。

姉あねの門前もんぜん絢あや南みなみさん（23）は「ことしは何なにもない平和へいわな年としであってほしいです」と話はなしていました。

輪島わじま 海沿うみぞいの仮設かせつ住宅じゅうたくでは

輪島わじま市しの海沿うみぞいにある仮設かせつ住宅じゅうたくでは、朝あさ早はやくから散歩さんぽをしたり家いえの片かたづけをしたりする住民じゅうみんの姿すがたが見みられました。

35年間ねんかん営いとなんできた日本にっぽん料理りょうり店てんを兼かねた自宅じたくが地震じしんで全壊ぜんかいし、今いまは仮設かせつ住宅じゅうたくで1人にんで暮くらす中村なかむら賀が津つ則そくさんは「仕事しごとができないというのが一番いちばんつらい。あと10年ねんか、何なん年ねんできるかわからないけれど、早はやくもう一度もういちど仕事しごとがしたい。輪島わじまが大好だいすきだからやるしかないと思おもっています」と話はなしていました。

輪島わじま「朝市あさいち通どおり」は

大だい規模きぼな火災かさいが発生はっせいした石川いしかわ県けん輪島わじま市しの「朝市あさいち通どおり」周辺しゅうへんは、風かぜが強つよく吹ふく冷え込ひえこんだ朝あさを迎むかえました。

観光かんこう名所めいしょだった輪島わじま市しの「朝市あさいち通どおり」は、大だい規模きぼな火災かさいで多おおくの建物たてものが焼失しょうしつしました。

骨組ほねぐみがむき出むきだしになった建物たてものや焼やけた車くるまなどが残のこったままでしたが、この1年ねんの間まに解体かいたいや撤去てっきょが進すすみ、ほとんどがさら地さらちとなっています。

一方いっぽう、倒壊とうかいした建物たてものがそのまま残のこっているところもあり重機じゅうきが置おかれています。

1日にち朝あさも現場げんばには花束はなたばが手向たむけられています。

＝富山とやま県けんの様子ようす＝

氷見ひみ 液状えきじょう化かなどの被害ひがいの地域ちいきで初日の出はつひので

能登のと半島はんとう地震じしんで液状えきじょう化かなどの被害ひがいが相次あいついだ氷見ひみ市し北大きたおお町まちにある海沿うみぞいの比ひ美乃よしの江こう公園こうえんでは、午前ごぜん7時じすぎに雲くもの隙間すきまから少すこしずつ太陽たいようが姿すがたを現あらわしました。

まちは暖あたたかな日ひの光ひかりに照てらされ、集あつまっていた家族かぞく連づれなどが初日の出はつひのでをじっくりと眺ながめたり写真しゃしんに収おさめたりして、被災ひさい地ちの復興ふっこうやことし1年ねんの幸しあわせを祈いのっていました。

氷見ひみ市しの40代だいの夫婦ふうふは「自分じぶんの家いえは無事ぶじだったが実家じっかが被災ひさいした。建設けんせつ業ぎょうをしているので被害ひがいにあった家いえを多おおく見みてきた。多おおくの人ひとにとって大変たいへんな1年ねんだったと思おもうがもっと復興ふっこうして活気かっきを取り戻とりもどしてほしい」と話はなしていました。

＝新潟にいがた県けんの様子ようす＝

新潟にいがた 被災ひさいの神社じんじゃ 初詣はつもうでに多おおくの人ひと

能登のと半島はんとう地震じしんで震度しんど5強きょうの揺ゆれを観測かんそくした新潟にいがた市し西にし蒲かばの区くにある曽根そね神社じんじゃでは、手水ちょうず舎しゃが倒壊とうかいしたり、灯あかり籠かごが倒たおれたりする被害ひがいが出でました。

その後そのご、神社じんじゃはクラウドファンディングや企業きぎょうから集あつまった寄付きふを活用かつようして壊こわれた設備せつびを修理しゅうりし、去年きょねん8月つきに工事こうじが終おわったということです。

能登のと半島はんとう地震じしんの発生はっせいから1年ねんがたった1日にち、神社じんじゃには朝あさから家族かぞく連づれなど多おおくの人ひとが初詣はつもうでに訪おとずれ、本殿ほんでんの前まえにあるさい銭さいせん箱ばこにお金おかねを投げ入なげいれ、ことし1年ねんの安全あんぜんなどを願ねがい手てを合あわせていました。

家族かぞくで初詣はつもうでに訪おとずれた40代だいの女性じょせいは「去年きょねんは能登のと半島はんとう地震じしんで始はじまった1年ねんだったので、ことしは穏おだやかな1年ねんになるようにお願おねがいしました。壊こわれた手水ちょうず舎しゃもきれいになっていてよかったです」と話はなしていました。

神社じんじゃの宮司ぐうじの廣川ひろかわ豊ゆたかさんは「小ちいさな神社じんじゃで資金繰しきんぐりは大変たいへんでしたが、少すこしでも早はやく復興ふっこうしてほしいという地域ちいきの皆みなさんの思おもいもあり、修復しゅうふくできました。きょうも朝あさから地域ちいきが安やすらかで無事ぶじであるよう願ねがいました」と話はなしていました。