アメリカの
投資ファンド「ベインキャピタル」は、
業務用ソフトウェアの
開発などを
手がける「
富士ソフト」に
買収を
提案すると
発表しました。「
富士ソフト」は、8
月にアメリカの
別の
投資ファンドから
受けた
買収の
提案に対して、すでに
賛同を
表明していて、アメリカの
大手投資ファンドどうしが
争う異例の
展開となります。
「富士ソフト」をめぐっては、8月にアメリカの投資ファンド「KKR」が、およそ5600億円で買収して非上場化させると発表し、会社側も賛同を表明していました。
これに対して、9月3日に、アメリカの別の投資ファンド「ベインキャピタル」も買収提案を行うと発表し、「KKR」の提案を5%ほど上回る買収金額を想定しているということです。
この会社は、業務用ソフトウェアのほか、携帯電話や自動車の制御ソフトの開発に強みがあり、ファンド側は、IT需要が高まる中で成長の余地が大きいと判断したとみられます。
この会社をめぐっては、大株主でシンガポールの「アクティビストファンド」との対立が続き、「KKR」の傘下で再上場を目指す考えでした。
買収が公表されたあとに、対抗する提案が出される例は、日本ではまだ少なく、会社側は「今後、法的拘束力のある提案を受領した場合には、KKRからの提案との比較も含め、慎重に検討を行う予定だ」としています。
日本企業をめぐっては、8月に「セブン&アイ・ホールディングス」がカナダのコンビニ大手から買収提案を受けたと発表するなど、海外勢による大規模な買収提案が相次いでいます。