石川県によりますと、県内の少なくとも3つの自治体の5つの地区で、およそ60人が孤立状態になっているということです。
道路が通れなくなるなどして孤立状態になっているのは、
▽七尾市の中島町河内地区で5世帯およそ10人、
▽穴水町の北七海地区で1世帯1人、麦ケ浦地区で20人、丸山地区で10人、
▽能登町北河内地区で16世帯20人です。
このほか輪島市と珠洲市の状況は把握できていないということで、自治体などが調査を進めています。
輪島市 珠洲市でも孤立の情報
一方、輪島市と珠洲市の住民などからは、地区が孤立状態になっているという情報がNHKに寄せられています。
それによりますと、輪島市の町野町や長井町、深見町一乗地区、珠洲市の川浦町でも道路が通れなくなるなどして孤立状態になっているということです。
このうち、輪島市長井町に家族3人で帰省した際に被災したという男性は、2日夜、友人に対し「近くの道路が地震で寸断されて孤立状態になっている。両親と合わせ5人で避難所に行ったが人が多くて入りきれず、自宅が倒壊したため車の中や農業用ハウスで寒さをしのいでいる。これからの雨が心配です」と話していたということです。
また、輪島市深見町一乗地区にいる60代の女性は、県外にいる娘に対し、「地震で道路が寸断され、地区にいるおよそ50人が孤立状態になっている。停電や電波障害が発生し、外部とのやりとりが困難で情報が入らず不安だ。地区は高齢者ばかりで厳しい寒さのなか耐えていて、単1や単3の電池、ガソリンや灯油、それに食料がなくなってきている」と話していたということです。
専門家分析でも 孤立訴える声 多数
一方、インターネットのセキュリティーに詳しい慶応大学の武田圭史教授がSNS上に発信された情報などをもとにまとめたところ、県が公表している地区以外にも孤立を訴える声が多数、寄せられていることがわかりました。
午後4時までの情報では
▽珠洲市の三崎町、笹波町、高屋町、馬緤町、若山町、蛸島町、
▽輪島市の町野町、門前町、縄又町、狼煙町、南志見地区、鳳至町、西保地区、上山町、尊利地町、
▽穴水町、
▽能都町、
▽内灘町となっています。
武田教授はSNS上に寄せられた投稿から同じ地域で孤立の情報が複数寄せられているものや画像などを元に孤立しているとみられる地区を割り出し、自身のX(旧ツイッター)で公開しています。
これらの中にはすでに孤立が解消していたり重複していたりする可能性もあるため、最新の情報を確認したうえで支援に活用してほしいとしています。
武田教授は「今回の地震では特にSNS上に孤立を訴える人たちの声が多く寄せられているが、どうしても公的機関からの公表には時間がかかってしまう。集めた情報を被災地で支援活動にあたる人たちに活用してほしい」と話していました。