日本新聞: 1軒の家の苦情きっかけに公園閉鎖長野市長「苦しい判断」

1軒けんの家いえの苦情くじょうきっかけに公園こうえん閉鎖へいさ長野ながの市長しちょう「苦くるしい判断はんだん」

Dec 9, 2022 17:12

Furigana

長野ながの市しが1軒けんの家いえからの苦情くじょうをきっかけに公園こうえんの閉鎖へいさを決きめたことについて、荻原おぎわら健司けんじ市長しちょうは9日にちの市議会しぎかいで「子育こそだて支援しえんに力ちからを入いれる一方いっぽう、住民じゅうみんの声こえに耳みみを傾かたむけるのが行政ぎょうせいの役割やくわりだ。非常ひじょうに苦くるしい判断はんだんだった」と述のべ、閉鎖へいさする方針ほうしんに変かわりはないという考かんがえを示しめしました。

長野ながの市しの公園こうえん「青木あおき島とう遊園ゆうえん地ち」は18年ねん前まえ、市しが地区ちくからの要望ようぼうを受うけて民有みんゆう地ちを借り上かりあげる形かたちで整備せいびしましたが、1軒けんの家いえから「子こどもの声こえがうるさい」などと訴うったえが続つづいていました。

その後そのご、公園こうえんの利用りよう者しゃは減へり、地元じもとからも廃止はいしの要望ようぼう書しょが出でたことから、市しは今月こんげつ末まつで閉鎖へいさすることを決きめました。

9日にちの市議会しぎかいの一般いっぱん質問しつもんで、議員ぎいんから公園こうえんの存続そんぞくを求もとめる意見いけんが出でたのに対にたいして、荻原おぎわら市長しちょうは「18年間ねんかんという長ながい期間きかんは、多おおくの住民じゅうみんの子こどもの居場所いばしょを確保かくほしたいという思おもいの表あらわれだ。地域ちいきの話し合はなしあいの結果けっか、廃止はいしの要望ようぼうが出だされ、非常ひじょうに苦くるしい判断はんだんだったがこのまま手続てつづきを進すすめる。子育こそだて支援しえんに力ちからを入いれる一方いっぽう、住民じゅうみんの声こえに耳みみを傾かたむけるのが行政ぎょうせいの役割やくわりだ」と述のべ、閉鎖へいさする方針ほうしんに変かわりはないという考かんがえを示しめしました。

市しによりますと、子こどもたちは代かわりの遊あそび場所ばしょとして、近ちかくの小学校しょうがっこうの校庭こうていや別べつの公園こうえんを利用りようできる状態じょうたいだということです。

また、荻原おぎわら市長しちょうは「SNSなどで個人こじんを攻撃こうげきするような書き込かきこみが見受みうけられ大変たいへん危惧きぐしている。そういったことがないよう皆みなさんにお願おねがいしたい」と呼よびかけました。

都市とし計画けいかくの専門せんもん家か「公園こうえん整備せいび後ごも継続けいぞく的てきに合意ごうい形成けいせいを」

長野ながの市しが公園こうえんを閉鎖へいさすることについて、都市とし計画けいかくなどが専門せんもんで子こどもの遊び場あそびばに詳くわしい関東かんとう学院がくいん大学だいがくの中津なかつ秀之ひでゆき准じゅん教授きょうじゅは「公園こうえんの利用りよう者しゃの声こえに、働はたらいているときには在宅ざいたく時間じかんが少すくなく気付きづかなくても、引退いんたいして自宅じたくにいるようになってから、騒音そうおんと感かんじるケースも多おおい。こうした訴うったえに耳みみを傾かたむけて継続けいぞく的てきに合意ごうい形成けいせいを図はかることが重要じゅうようだ」と述のべ、公園こうえんを整備せいびする時ときだけでなく、整備せいび後ごも住民じゅうみんたちの立場たちばや考かんがえの変化へんかに応おうじて、合意ごういを得えることの必要ひつよう性せいを指摘してきしています。

そのうえで、合意ごういが得えやすくなるポイントとして「地域ちいきにふだんからいろいろな会話かいわができる人間にんげん関係かんけいがあれば、子こどもの声こえもあまりストレスや怒いかりにつながらないのではないか。また、行政ぎょうせいにも、住民じゅうみんの意見いけんを受け止うけとめながら、調整ちょうせいする仲介ちゅうかい役やくとしての役割やくわりを果はたすことが求もとめられる」と話はなしていました。