1月1日午前6時の岬の気温はマイナス4.3度と冷え込みましたが、北方領土の歯舞群島の島々もはっきりと見える中、各地から訪れたおよそ1500人が初日の出を待ちました。
そして午前7時前、水平線にかかった雲の上から鮮やかなオレンジ色の太陽が姿を現すと、集まった人たちは歓声を上げ、家族や仲間どうしで記念写真を撮るなどして新しい年の幕開けを迎えていました。
また、東京からカップルで訪れた20代の女性は、「去年は戦争などで平和が脅かされることが多かったので、ことしはもっと明るく、良い出来事が多い年になってほしい」と話していました。
この特別列車は、東日本大震災で大きな被害を受けた三陸鉄道が全線での運転再開を記念して2015年から毎年、元日に運行しています。 1月1日の朝は、大船渡市にある盛駅から22人の乗客を乗せた列車が太平洋を一望できる線路上に停車して日の出を待ちました。
このあと乗客たちは、停車駅のホームで地元保存会による郷土芸能の「権現舞」を見学したりして列車の旅を楽しんでいました。 息子と参加した花巻市の男性は、「初日の出を見ることができるか不安でしたが、お日さまが出たときにはいいことがありそうだと思いました。ことしは目の前のことを1つ1つ積み上げていく年にしたい」と話していました。 また、友人と2人で参加した女子大学生は、「きれいな初日の出を見ることができてよかったです。ことしは英語の勉強などいろいろなことにチャレンジして飛躍の年にしたいです」と話していました。
去年8月にようやく帰還が始まった福島県双葉町では、多くの人が初日の出にふるさとの復興を願っていました。 東京電力福島第一原子力発電所が立地する双葉町は12年前の原発事故の影響で、およそ7000人いたすべての住民の避難が続いていましたが、去年8月、JR双葉駅の周辺地域で避難指示が解除され、住民の帰還が始まりました。
帰還した住民や避難先から訪れた人など60人ほどが参加し、午前7時ごろ、海岸線の雲の切れ間からオレンジ色の太陽が姿を見せると歓声があがっていました。 参加した双葉町の伊澤史朗町長は、「ことしはきれいな初日の出を見ることができて復興が一段と進むと期待できた」と話していました。 また、JR双葉駅の近くにある初發神社には多くの人が初詣に訪れ、ことし1年の健康やふるさとの復興を願っていました。 いわき市に避難している60代の男性は、「なるべく早く町に戻れるよう祈りました。いまは帰れないけれど、復興する姿を見たい」と話していました。
1月1日の朝は初日の出を見ようと午前6時前から大勢の人が集まり、雲ひとつない空が次第に明るくなると午前7時過ぎ、立ち並ぶ建物の合間から朝日が姿を現しました。 運河の水面がオレンジ色に輝くようすに、集まった人たちは歓声を上げながらスマートフォンで撮影をしたり手を合わせて願いごとをしたりしていました。 家族と一緒に来た地元の男性は「初日の出に心が洗われました。ことしも充実した一年にしたい」と話していました。
山梨市の「笛吹川フルーツ公園」は、標高およそ600メートルから富士山と初日の出を眺められる場所として有名です。 1月1日の朝も夜明け前から多くの家族連れなどが県内外から訪れ、豚汁を食べたり地元の吹奏楽団の演奏を聴いたりしながら初日の出を待ちました。
友人と訪れた男性は、「人生で初めて初日の出を見に来ましたが、神々しくて幻想的でした。ことしで二十歳になるのでさまざまなことに挑戦する1年にしたい」と話していました。 また神奈川県から家族と訪れた男性は、「家族みんなが健康で過ごせる1年になってほしい」と話していました。
大阪 阿倍野区にある「あべのハルカス」は、地上60階建てで高さが300メートルある日本一高いビルとして知られています。 運営会社では毎年、視界を遮るものがない展望台や屋上のヘリポートで初日の出を楽しむ観賞会を企画していて、1月1日の朝は、まだ薄暗いうちから事前に申し込んだおよそ260人が集まりました。 朝の大阪市は東の方角の山際に雲がかかっていましたが、日の出の時間を迎え少しずつ空が明るくなると、午前7時過ぎには雲の隙間から太陽が姿を現し、鮮やかなオレンジ色の光が差し込みました。 集まった人たちは、冷たい風が吹く中、初日の出を写真に収めたり、お互いに写真を撮りあったりして楽しんでいました。
訪れた60代の男性は、「還暦になりましたが、今年はうさぎ年なので、自分も躍動する1年にしていきたい。新年はコロナで沈滞したムードも明るくなってほしい」と話していました。
岩手 三陸鉄道の特別列車では
福島 双葉町では
東京 都心の公園では
山梨 「初日の出」と富士山
大阪 日本一高いビルでは