損害保険大手のSOMPOホールディングスが
保有するゴッホの
代表作「ひまわり」の
所有権をめぐり、ナチス・ドイツによる
迫害で
強制的に
売却させられたとして、
元の
所有者の
遺族が
絵画の
返還などを
求める訴えを
アメリカの
裁判所に
起こしました。
これに対しSOMPO側は「所有権の正当性に疑いの余地はない」として「ひまわり」の所有権を全面的に擁護していく姿勢を明らかにしました。
ゴッホの代表作「ひまわり」は、1987年にSOMPOホールディングスの前身の安田火災海上保険がおよそ53億円で落札し、当時の絵画の落札額としては過去最高となり話題を呼びました。
先月、アメリカ中西部イリノイ州の連邦地裁に提出された訴状によりますと、原告はドイツ系ユダヤ人銀行家の遺族で相続人の3人で、1934年にナチス・ドイツによる迫害で「ひまわり」を強制的に売却させられたとしています。
3人は「ナチスにより奪われた作品だと知りながら購入し、商業的な利益を不当に得ていた」などとして、絵画の返還と、損害賠償としておよそ7億5000万ドル、日本円でおよそ1000億円の支払いを求めています。
これに対しSOMPO側は、正式な訴状を受け取っていないとしたうえで「35年前にオークションを通じて公式に購入したもので、所有権の正当性に疑いの余地はない」として、「ひまわり」の所有権を全面的に擁護していく姿勢を明らかにしました。