日本新聞: 海自の護衛艦山口県沖で航行不能に岩に接触か少量の油漏れ

海うみ自じの護衛ごえい艦かん山口やまぐち県けん沖おきで航行こうこう不能ふのうに岩いわに接触せっしょくか少量しょうりょうの油あぶら漏もれ

Jan 10, 2023 17:01

Furigana

10日にち午後ごご、海上かいじょう自衛隊じえいたいの護衛ごえい艦かんが山口やまぐち県けん沖おきの瀬戸せと内海うちうみを航行こうこう中ちゅうに身動みうごきができない状態じょうたいとなり、その場ばで停泊ていはくを続つづけています。

海底かいていの岩いわなどに接触せっしょくしたとみられ、海上かいじょう自衛隊じえいたいや海上かいじょう保安庁ほあんちょうが詳くわしい状況じょうきょうを確認かくにんしています。

防衛ぼうえい省しょうや海上かいじょう保安庁ほあんちょうによりますと、10日にち午後ごご0時じ10分ふんごろ、海上かいじょう自衛隊じえいたいの護衛ごえい艦かん「いなづま」が山口やまぐち県けんの周防すおう大島おおしま沖おきの瀬戸せと内海うちうみを航行こうこうしていたところ、身動みうごきができない状態じょうたいとなりました。

海上かいじょう保安庁ほあんちょうによりますと、護衛ごえい艦かんのスクリューが海底かいていの岩いわなどに接触せっしょくしたとみられ、自力じりきで航行こうこうできない状態じょうたいとなり、その場ばでいかりをおろして停泊ていはくしているということです。

けが人けがにんはいませんでしたが、周囲しゅういには少量しょうりょうの油あぶらが漏もれたため、回収かいしゅう作業さぎょうを進すすめています。

「いなづま」は広島ひろしま県けん呉くれ基地きちの第だい4護衛ごえい隊たいに所属しょぞくしていて、海上かいじょう保安庁ほあんちょうによりますと整備せいびなどのために広島ひろしま県内けんないのドックに入はいっていて、10日にち、試験しけん運転うんてんをしていたということです。

「いなづま」は、「船体せんたいに大おおきな振動しんどうがあった」として午後ごご0時半じはんごろ海上かいじょう保安庁ほあんちょうに通報つうほうしたということで、海上かいじょう自衛隊じえいたいや海上かいじょう保安庁ほあんちょうが現場げんばに船舶せんぱくを派遣はけんして詳くわしい状況じょうきょうを確認かくにんしています。

流れ出ながれでた油あぶらを吸着きゅうちゃくする作業さぎょうか

10日にち午後ごご3時半じはんごろ、NHKが上空じょうくうから撮影さつえいした山口やまぐち県けん周防すほう大島おおしま沖おきの映像えいぞうでは海上かいじょう自衛隊じえいたいの護衛ごえい艦かん1隻せきが、いかりをおろして海上かいじょうに停泊ていはくしている様子ようすが見みえ、周辺しゅうへんには海上かいじょう保安庁ほあんちょうなどの船ふねが複数ふくすう、航行こうこうしていました。

護衛ごえい艦かん後方こうほうのデッキには、20人にんほどが集あつまり、海うみに向むけて白しろいシートのような物ものを投げ入なげいれていて、流れ出ながれでた油あぶらを吸着きゅうちゃくする作業さぎょうを進すすめているとみられます。

また、護衛ごえい艦かんの後方こうほうの海上かいじょうにはボートが出でて手て作業さぎょうでシートを回収かいしゅうしている様子ようすが見みえます。

現場げんばは潮流ちょうりゅうが速はやく浅瀬あさせが比較的ひかくてき多おおい海域かいいき

海上かいじょう保安庁ほあんちょうによりますと、現場げんばは山口やまぐち県けん周防すほう大島おおしま町まちの沖おき家か室島むろしまの沖合おきあいです。

この海域かいいきは潮流ちょうりゅうが速はやく、浅瀬あさせが比較的ひかくてき多おおいところで、付近ふきんには船舶せんぱくに対にたいし、岩礁がんしょうや浅瀬あさせなどの障害しょうがい物ぶつを知しらせるための灯標とうひょうが設置せっちされていました。

また、護衛ごえい艦かんが乗り上のりあげた現場げんばは一般いっぱんの船舶せんぱくが航行こうこうする航路こうろから南みなみに2キロほど離はなれていたということです。

護衛ごえい艦かんのスクリューが海底かいていの岩いわなどに接触せっしょくしたとみられ、海上かいじょう保安庁ほあんちょうは巡視じゅんし船せん艇ていを派遣はけんし、原因げんいんを調しらべるとともに、周辺しゅうへんに漏もれ出でた少量しょうりょうの油あぶらを希釈きしゃくする作業さぎょうを行おこなっているということです。

海上かいじょう自衛隊じえいたい“乗組のりくみ員いんらが海面かいめんの油あぶら吸い取すいとる作業さぎょう”

座礁ざしょうした護衛ごえい艦かん「いなづま」は広島ひろしま県けんの海上かいじょう自衛隊じえいたい呉くれ基地きちの所属しょぞくで、呉ご地方ちほう総監そうかん部ぶによりますと、現場げんばでは乗組のりくみ員いんらが吸着きゅうちゃくシートを使つかって海面かいめんに浮ういた油あぶらを吸い取すいとる作業さぎょうにあたっているということです。

移動いどうしていた航路こうろや目的もくてきについては、「任務にんむについては答こたえられない」などとしています。

漁協ぎょきょう「被害ひがいなどの情報じょうほうは入はいっていない」

山口やまぐち県けん周防すほう大島おおしま町まちにある、県けん漁業ぎょぎょう協同きょうどう組合くみあい東和とうわ町まち支店してんによりますと、午後ごご2時じすぎに町まち役場やくばから、海上かいじょう自衛隊じえいたいの船ふねが沖合おきあいで身動みうごきができない状態じょうたいになっていると連絡れんらくを受うけたということです。

組合くみあいによりますと、10日にちは風かぜが強つよく海うみがしけているため、漁りょうに出でている組合くみあい員いんの船ふねはないとみられ、これまでに被害ひがいなどの情報じょうほうは入はいっていないということです。

また、11日にちの操業そうぎょうについてはいまのところ影響えいきょうはないとみられるとしています。

海うみ自じの護衛ごえい艦かんこれまでの自力じりき航行こうこうできなくなる事故じこなど

海上かいじょう自衛隊じえいたいの護衛ごえい艦かんは、これまでにも浅瀬あさせに乗り上のりあげるなどして、自力じりきで航行こうこうできなくなる事故じこなどが起おきています。

このうち2005年ねん4月つきには、沖縄おきなわ県けんの沖合おきあいを航行こうこうしていた護衛ごえい艦かんが浅瀬あさせに乗り上のりあげて動うごけなくなり、当時とうじの艦長かんちょうが注意ちゅういを怠おこたったとして戒告かいこくの処分しょぶんを受うけました。

また、10年ねん前まえの2013年ねん1月つきには、青森あおもり県けんの沖合おきあいを航行こうこうしていた護衛ごえい艦かんのスクリューが定置ていち網もうに絡からまって、およそ10時間じかんにわたり動うごけなくなり、海上かいじょう保安ほあん部ぶが当時とうじの航海こうかい長ちょうを業務ぎょうむ上じょう過失かしつ往来おうらい危険きけんの疑うたがいで書類しょるい送検そうけんしました。