5
年前の
夏、
炎天下で
作業をしていた
夫が
突然倒れて
亡くなりました。
しかし、残業時間がいわゆる「過労死ライン」に達していないとして、労災認定はされませんでした。
国が、おととし見直した労災の認定基準では、残業時間以外にも作業環境の負荷などが認められれば、労災と認定されることになりました。
炎天下での過酷な作業は、新たな基準に当てはまるのではないか。
妻が、労災認定を求める訴えを起こしました。
(大阪放送局記者 竹内宗昭)
突然亡くなった家族思いの夫
兵庫県内の
建設会社で
働いていた
枡之内秀行さん(
当時44
歳)。
5年前の8月、兵庫県内の住宅の建設現場でベランダの床の施工作業などを行っていたところ、突然、くも膜下出血を発症して倒れ、搬送先の病院でおよそ1か月後に亡くなりました。
3人のこどもの父親で、真面目で優しく、家族思いだったといいます。
枡之内秀行さんの
妻「週に1回ぐらいしか休みがなく、本当だったら家でゆっくりしたいだろうに、子どもたちと釣りや動物園に一緒に出かけていました。1番下の子がまだ小さかったので、子どもたちを残して先立ったことは心残りだったと思います」
妻が見せてくれた遺影は、生前、証明写真用に撮影したものでした。
自分が写るよりも、子どもたちの写真を撮っていたという秀行さん。
あまり本人の写真が残っていなかったといいます。
“過労死ラインに達していない” 労災認定は遠く
秀行さんは、
仕事が
原因で
死亡したと
考えた
妻。
労働基準監督署に労災認定を求めましたが認められませんでした。
残業時間が「過労死ライン」に届いていないという理由でした。
その後、おととし9月、厚生労働省は労災認定の基準を改定しました。
「過労死ライン」に達しなくてもそれに近い実態があり、作業環境の負荷などが認められれば、総合的に判断して労災と認定するよう基準を見直しました。
そこで、
妻は、
国の
労働保険審査会に
再審査を
申し立てましたが、「
夏の
屋外作業環境として
一般的に
想定される
範囲のもので、
特筆すべき
負荷要因があったとまでは
認められない」として
去年、
再び退けられました。
枡之内さんの妻
「夫が働いていた環境が暑い中だったということを新たな認定基準に入れていただいていたと思っていたので、それでも認定されずだめだというのは、がっかりというか、落胆というか、どうすればよいのかと思います。どういう条件だと労災と認められるんだろうっていまでも疑問です」
夫が、
連日、
炎天下で
作業をしていたのは、
新しい労災の
認定基準に
当てはまるのではないか。
妻は、国に対して労災認定を求める訴えを大阪地方裁判所に起こしました。
残業時間は1か月あたり80時間に近い状態だったうえ、連日、気温が30度を大きく上回り、床などの照り返しの熱で著しく高温の屋外で作業を行っていたことは、新たな基準に当てはまると主張しています。
枡之内さんの妻
「暑くても作業服を着て、作業をしないといけないので本当に大変だったと思います。夫の死をむだにしたくない。本人が一番無念だったと思うので労災と認めてほしい」
20年ぶりの基準改定 労災認定広がるか
過労死の
認定基準が
改定されたのは、
働き
方の
多様化や
職場環境の
変化に
対応するためです。
およそ20年ぶりの改定でした。
これまでの
認定基準は、
残業時間が、▽
病気の
発症前1
か月に100
時間超え、または、▽
発症前の2
か月から6
か月は1
か月平均で80
時間超えの
場合などとしていて、「
過労死ライン」と
呼ばれています。
これに加えて、改定された基準では、残業時間が「過労死ライン」に達しない場合でも、それに近い実態があったうえで、作業環境や不規則な勤務などの労働時間以外の「負荷要因」を総合的に評価して、仕事と病気の発症との関連性を判断すると明記されました。
こうした改定は、働く人の勤務の実態や負荷を、労災認定の判断により反映させるねらいがあります。
新基準で判断が見直されるケースも
新基準をめぐっては、
当初の
労働基準監督署の
判断が
見直されるケースが
各地で
出ています。
京都府で大手商用車メーカーに勤務していた車両整備担当の社員が、8年前に死亡したことについて、労働基準監督署は、去年6月、労災と認定しなかった当時の判断を見直し、一転して労災を認定しました。
男性の
残業時間は、
いわゆる「
過労死ライン」には
達していませんでしたが、▼1
か月平均で77
時間という
残業時間に
加えて、▼
空調設備がないなか
高温の
蒸気で
洗車する
作業など著しい疲労の
蓄積をもたらす
過重労働があったとして
労災を
認定しました。
また、愛知県では4年前に死亡した保健施設の男性職員について、「労災にはあたらない」とした労働基準監督署の決定を愛知労働局が去年、取り消しました。
男性は「過労死ライン」には達していませんでしたが、労働局は、休日のない連続勤務を繰り返していて、「著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務だった」との判断を示しました。
各地で判断を見直すケースが出ていますが、妻の代理人の弁護士は、こうした判断を積み上げることで新しい基準の運用が実態のあるものになると指摘しています。
原告側の弁護士
「基準が変わったが、実務上でいままでと同じように運用されてしまうのか、それとも1か月の平均残業時間が60時間でも70時間でも、負荷要因があれば、過労死を認定していくのかが、問われる裁判だと考えている」
労働時間以外の「負荷要因」認められるかが焦点
秀行さんは
連日気温が30
度を
超える中、
長袖にヘルメットをつけて
作業をしていました。
ベランダでの作業は、床からの照り返しなどで著しい高温状態で、同僚からは「作業場は50度以上になることもある」という証言もあったといいます。
今回の裁判では、こうした「温度環境」が、労災基準の労働時間以外の「負荷要因」として認められるのかが焦点となります。
枡之内さんの
妻「夫がというのはもちろんですけど、同じような立場の人がたくさんいるんじゃないかと思うので、もっと変わってほしい。救われる人が1人でも多く出てきたら良いなと思います」
今回の訴えについて国は、「まだ訴状が届いておらずコメントできません」としています。
過労死の新たな認定基準がひとりひとりの働き方の実態を踏まえた丁寧な運用となっているのか、今後の司法の判断が注目されます。
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