Japanese News: 米ロ首脳が電話会談プーチン氏即時停戦に応じる考え示さず

ウクライナ情勢じょうせいをめぐり、アメリカのトランプ大統領だいとうりょうとロシアのプーチン大統領だいとうりょうが日本にっぽん時間じかんの20日にち未明みめいにかけて電話でんわ会談かいだんを行おこないました。プーチン大統領だいとうりょうは「将来しょうらい的てきな平和へいわ条約じょうやくに関にかんして覚書おぼえがきをまとめる用意よういがある」と述のべたものの即時そくじ停戦ていせんに応おうじる考かんがえは示しめしませんでした。

記事きじ後半こうはんでは今回こんかいの電話でんわ会談かいだんについて、両国りょうこくを担当たんとうする記者きしゃの解説かいせつでお伝おつたえしています。

ロシア大統領だいとうりょう府ふによりますと、アメリカのトランプ大統領だいとうりょうとプーチン大統領だいとうりょうの電話でんわ会談かいだんは19日にち、日本にっぽん時間じかんの20日にち未明みめいにかけて2時間じかん以上いじょうにわたって行おこなわれ、プーチン大統領だいとうりょうは会談かいだん後ご、記者きしゃ団だんに対にたいして「全体ぜんたいとして非常ひじょうに有意義ゆういぎだった」と強調きょうちょうしました。

また、プーチン大統領だいとうりょうは「ロシアが将来しょうらい的てきな平和へいわ条約じょうやくに関にかんしてウクライナと協力きょうりょくして覚書おぼえがきをまとめる用意よういがある」と表明ひょうめいしました。

ただ「覚書おぼえがきには、たとえば一定いってい期間きかん、停戦ていせんする可能かのう性せいがあることが盛り込もりこまれるだろう」と述のべ、覚書おぼえがきの作成さくせいが優先ゆうせんされるとして即時そくじ停戦ていせんに応おうじる考かんがえは示しめさなかった上うえに「最もっとも重要じゅうようなのは、この危機ききの根本こんぽん的てきな原因げんいんを排除はいじょすることだ」と従来じゅうらいの主張しゅちょうを繰り返くりかえしました。

一方いっぽう、トランプ大統領だいとうりょうは19日にち、SNSへの投稿とうこうで「会談かいだんはとてもうまくいった」とした上うえで「ロシアとウクライナは、停戦ていせん、そして、より重要じゅうような戦争せんそうの終結しゅうけつに向むけてただちに交渉こうしょうを開始かいしする。

そのための条件じょうけんは、両国りょうこく間かんで交渉こうしょうされることになるだろう」として、交渉こうしょうに向むけてはロシアとウクライナが話し合はなしあうべきだと強調きょうちょうしました。

今回こんかいの電話でんわ会談かいだんでは、停戦ていせんをめぐって、どのような協議きょうぎが行おこなわれるかが焦点しょうてんでしたが、大おおきな進展しんてんは見みられなかったほか、両りょう大統領だいとうりょうの対面たいめんでの首脳しゅのう会談かいだんについても双方そうほうから発表はっぴょうはありませんでした。

プーチン大統領だいとうりょう「平和へいわ条約じょうやく覚書おぼえがきをまとめる用意よういある」

プーチン大統領だいとうりょうは、トランプ大統領だいとうりょうとの電話でんわ会談かいだんのあと記者きしゃ団だんに対にたいし「会談かいだんは2時間じかん以上いじょうにわたって行おこなわれた。

全体ぜんたいとして非常ひじょうに有益ゆうえきだった」と強調きょうちょうしました。

会談かいだんでは、ロシアとウクライナが16日にちにトルコで開催かいさいした直接ちょくせつ協議きょうぎへのアメリカの支援しえんに謝意しゃいを伝つたえたとしています。

また、会談かいだんの中なかで、トランプ大統領だいとうりょうから、停戦ていせんについての立場たちばが表明ひょうめいされたのに対にたいし、プーチン大統領だいとうりょうは、ロシアは、ウクライナ危機ききの平和へいわ的てき解決かいけつに賛成さんせいしていると言及げんきゅうしたということです。

そして「ロシアが将来しょうらい的てきな平和へいわ条約じょうやくに関にかんしてウクライナと協力きょうりょくして覚書おぼえがきをまとめる用意よういがある。

覚書おぼえがきには、たとえば解決かいけつの原則げんそくや平和へいわの合意ごういに向むけた予定よてい表ひょう、関連かんれんする合意ごういに達たっすれば一定いってい期間きかん、停戦ていせんする可能かのう性せいがあることが盛り込もりこまれるだろう」と述のべ、覚書おぼえがきの作成さくせいなどが優先ゆうせんで即時そくじ停戦ていせんに応おうじる考かんがえがないことを示しめしました。

さらにプーチン大統領だいとうりょうは「ロシアの立場たちばは明確めいかくだ。

われわれにとって最もっとも重要じゅうようなのは、この危機ききの根本こんぽん的てきな原因げんいんを取とりのぞくことだ」と述のべ、従来じゅうらいの主張しゅちょうを繰り返くりかえしました。

トランプ大統領だいとうりょう“停戦ていせん条件じょうけんはロシアとウクライナが交渉こうしょうを”

トランプ大統領だいとうりょうは、19日にち、SNSへの投稿とうこうで、プーチン大統領だいとうりょうとの電話でんわ会談かいだんは2時間じかんにわたったとした上うえで「会談かいだんはとてもうまくいった。

その雰囲気ふんいきや精神せいしんはすばらしかった」と評価ひょうかしました。

その上うえで「ロシアとウクライナは、停戦ていせん、そして、より重要じゅうような戦争せんそうの終結しゅうけつに向むけて、ただちに交渉こうしょうを開始かいしする。

そのための条件じょうけんは、両国りょうこく間かんで交渉こうしょうされることになるだろう。というのも交渉こうしょうの詳細しょうさいは、彼かれら以外いがいにはだれもわからないからだ」として、交渉こうしょうに向むけてはロシアとウクライナが話し合はなしあうべきだと強調きょうちょうしました。

また、トランプ大統領だいとうりょうは、プーチン大統領だいとうりょうとの電話でんわ会談かいだんの内容ないようについてウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうや、EU＝ヨーロッパ連合れんごうのフォンデアライエン委員いいん長ちょう、フランスのマクロン大統領だいとうりょうなどに電話でんわで伝つたえたとしています。

そして最後さいごに「ローマ教皇きょうこうを代表だいひょうとするバチカンが交渉こうしょうの場ばを設もうけることに関心かんしんがあると表明ひょうめいしている。

プロセスを始はじめよう」と投稿とうこうしました。

「仲介ちゅうかい役やくから退しりぞくラインある」とも発言はつげん

また、トランプ大統領だいとうりょうは19日にち、ホワイトハウスでプーチン大統領だいとうりょうとの電話でんわ会談かいだんについて言及げんきゅうし「2時間じかん半はんにわたって話はなしをした。

一定いっていの進展しんてんがあったと思おもう。現地げんちの状況じょうきょうは悲惨ひさんだ。だから、何なんらかの成果せいかにつながることを願ねがう」と述のべました。

その上うえで「ヨーロッパの国々くにぐにの首脳しゅのうとも話はなしをして、まとめられるように努力どりょくしている」と述のべ、各国かっこくの協力きょうりょくを得えてロシアとウクライナの停戦ていせん協議きょうぎを前進ぜんしんさせたいという考かんがえを示しめしました。

さらに、ロシアとウクライナの停戦ていせんに向むけた協議きょうぎをめぐり「ローマ教皇きょうこうを代表だいひょうとするバチカンが交渉こうしょうの場ばを提供ていきょうすることに関心かんしんがあると表明ひょうめいしている」とSNSに投稿とうこうしたことに関連かんれんして、記者きしゃ団だんから「アメリカは仲介ちゅうかい役やくから退しりぞくということか」と質問しつもんされたのに対にたいし、「ノー」と述のべて否定ひていしました。

そして「バチカンで会談かいだんを行おこなうことは、すばらしいことだと思おもう。

深ふかい憎にくしみや怒いかりが存在そんざいしているので、少すこしは助たすけになるのではないか」と述のべました。

バチカンでは、19日にち、アメリカのバンス副ふく大統領だいとうりょうとルビオ国務こくむ長官ちょうかんが、新あたらしいローマ教皇きょうこうに選出せんしゅつされたレオ14世せいとウクライナなどをめぐり会談かいだんしていました。

トランプ大統領だいとうりょうは、記者きしゃ団だんから「仲介ちゅうかい役やくから退しりぞくことを判断はんだんする明確めいかくなラインは念頭ねんとうにあるのか」と質問しつもんされたのに対にたいしては「確実かくじつに私わたしの頭あたまの中なかにはある。

これは私わたしの戦争せんそうではない。明確めいかくな線引せんひきはしているが、それがどこかは言いいたくない。言いえば交渉こうしょうをさらに難むずかしくするからだ」と答こたえ、ロシア側がわが停戦ていせんに応おうじなければ、いつまでも仲介ちゅうかい役やくを続つづけるつもりはないことを示唆しさしました。

ロシアに対にたいして現時点げんじてんで新あらたな制裁せいさいを科かすことについては「状況じょうきょうを悪わるくするかもしれない」として、慎重しんちょうな姿勢しせいを示しめしたものの、今後こんごの可能かのう性せいについては排除はいじょしませんでした。

ゼレンスキー大統領だいとうりょう “ロシア側がわの提案ていあん待まつ”

ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうは19日にち、首都しゅとキーウで記者きしゃ会見かいけんを開ひらき、アメリカのトランプ大統領だいとうりょうが言及げんきゅうした、停戦ていせんに向むけたロシアとの交渉こうしょうの開始かいしについて「ロシアからの提案ていあんを受うけてはじめて私わたしたちの考かんがえをまとめることができる」と述のべ、まずはロシア側がわの提案ていあんを待まつとしています。

会見かいけんの中なかで、ゼレンスキー大統領だいとうりょうは、トランプ大統領だいとうりょうとプーチン大統領だいとうりょうの電話でんわ会談かいだんの前後ぜんごにあわせて2回かい、トランプ大統領だいとうりょうと電話でんわで会談かいだんしたことを明あきらかにしました。

最初さいしょの電話でんわ会談かいだんでは、ウクライナにとって停戦ていせんが最もっとも重要じゅうようだと伝つたえたほか、ウクライナに関にかんする決定けっていをウクライナ抜ぬきで下くださないよう要請ようせいしたとしています。

そして、2回かい目めの電話でんわ会談かいだんでは「ロシア側がわの考かんがえがウクライナにとって支持しじできない場合ばあいは、トランプ大統領だいとうりょうと話し合はなしあう機会きかいを持もちたいと頼たのんだ」と述のべ、ロシアが非ひ現実げんじつ的てきな要求ようきゅうをした場合ばあいは、停戦ていせんを求もとめていない証拠しょうこだとして制裁せいさいの強化きょうかに向むけてトランプ大統領だいとうりょうと協議きょうぎしたい意向いこうを伝つたえたということです。

その上うえで、ゼレンスキー大統領だいとうりょうは「アメリカ、ウクライナ、ロシア、そしてイギリスやヨーロッパ各国かっこくと高たかいレベルで会合かいごうすることを望のぞんでいる」とも述のべ、トルコ、バチカン、スイスのいずれかで関係かんけい国こくによる会談かいだんを近ちかく行おこないたいという意向いこうを示しめしました。

【解説かいせつ】米べいロ首脳しゅのう電話でんわ会談かいだんどう見みる

今回こんかいの電話でんわ会談かいだんについて、モスクワ支局しきょくとワシントン支局しきょくの記者きしゃによる解説かいせつです。

（※動画どうがはデータ放送ほうそうではご覧ごらんになれません）

◇モスクワ支局しきょく渡辺わたなべ信しん記者きしゃ

プーチン大統領だいとうりょうは、「平和へいわ条約じょうやく」とか「覚書おぼえがき」という表現ひょうげんは使つかったものの即時そくじに停戦ていせんに応おうじる考かんがえは示しめしませんでした。

アメリカなどが求もとめる30日間にちかんの停戦ていせんに応おうじるかが焦点しょうてんでしたがプーチン大統領だいとうりょうの発言はつげんからは従来じゅうらいの主張しゅちょうが際きわだった印象いんしょうです。

一方いっぽうでロシアの外交がいこう筋すじの間までは「国防省こくぼうしょうの実務じつむ担当たんとう者しゃなどを加くわえた交渉こうしょう団だんが結成けっせいされるだろう」として、トランプ大統領だいとうりょうとの電話でんわ会談かいだんを受うけてウクライナと新あらたな交渉こうしょうの準備じゅんびが始はじまるという見方みかたも出でています。