일본어 뉴스: SNS時代の銀行破綻日本はどう受け止める？【経済コラム】

アメリカの銀行ぎんこうの突然とつぜんの経営けいえい破綻はたん。そしてスイスの大手おおて金融きんゆうグループ、クレディ・スイスの経営けいえい悪化あっかの情報じょうほう。この1週間しゅうかん、信用しんよう不安ふあんの広ひろがりを懸念けねんし、市場しじょうは大おおきく動揺どうようしました。当局とうきょくの対応たいおうなどで市場しじょうはやや落ち着おちつきを取り戻とりもどしましたが、情報じょうほうが瞬まばたく間まに拡散かくさんする新あらたな時代じだいの危機きき対応たいおうの難むずかしさもクローズアップされています。日本にっぽんにとっても対岸たいがんの火事かじではないはず。どう受け止うけとめるべきなのか取材しゅざいしました。（経済けいざい部ぶ記者きしゃ古市ふるいち啓一けいいち朗ろう）

アメリカで相次あいついだ銀行ぎんこうの経営けいえい破綻はたん

発端ほったんはアメリカ西部せいぶカリフォルニア州しゅうに拠点きょてんを置おくシリコンバレーバンク（以下いかSVB）の突然とつぜんの経営けいえい破綻はたんでした。

テクノロジー関連かんれんのスタートアップやベンチャーキャピタルファンドへの融資ゆうしで知しられた銀行ぎんこうで総そう資産しさんおよそ2090億おくドル（日本にっぽん円えんで27兆ちょう8000億おく円えん ※1ドル＝133円えんで計算けいさん）とアメリカの銀行ぎんこうの破綻はたんとしては、過去かこ2番目ばんめの規模きぼとなりました。

そして週しゅうが明あけた2日にち後ごの12日にちには、暗号あんごう資産しさん関連かんれん企業きぎょうへの融資ゆうしなどを手てがけていたニューヨークの「シグネチャーバンク」も経営けいえい破綻はたんに追い込おいこまれました。

総そう資産しさんはおよそ1103億おくドル（日本にっぽん円えんで14兆ちょう6000億おく円えん）と、アメリカでは3番目ばんめの規模きぼの銀行ぎんこう破綻はたんでした。

利上りあげも要因よういんに

SVBの破綻はたんの背景はいけいにあるのが、この1年間ねんかん続つづいたFRBの利上りあげです。この影響えいきょうで融資ゆうし先さきのスタートアップ企業きぎょうの資金繰しきんぐりが厳きびしくなり、預金よきんを引き出ひきだす動うごきを強つよめたことで、銀行ぎんこうの経営けいえいは急激きゅうげきに悪化あっかしました。

また、この銀行ぎんこうでは集あつめた預金よきんを国債こくさいなど債券さいけんを中心ちゅうしんに運用うんようしていましたが、金利きんりの上昇じょうしょうで債券さいけん価格かかくが下落げらくし、評価ひょうか損そんが拡大かくだい。

資金しきんを手当てあてするため値下ねさがりした債券さいけんの売却ばいきゃくを迫せまられることとなり、財務ざいむ内容ないようは一気いっきに悪化あっかしました。

スピード破綻はたんの背景はいけいにはSNSも

SVBは破綻はたんの2日にち前まえの3月つき8日にち、債券さいけんの売却ばいきゃくによる損失そんしつ計上けいじょうを発表はっぴょうするのと同時どうじにその損失そんしつを上回うわまわる増資ぞうしの計画けいかくも発表はっぴょうし、経営けいえい立て直たてなおしをアピールしていました。

それにもかかわらず、なぜわずか2日にちでスピード破綻はたんに追い込おいこまれたのか。そこにはこれまでの銀行ぎんこう破綻はたんのケースとは異ことなる要因よういんがありました。

「これはツイッターにあおられた初はじめてのバンクラン（取り付とりつけ騒さわぎ）だ。正ただしい道筋みちすじを見極みきわめるには冷静れいせいさを保たもち、臆測おくそくではなく事実じじつを見みることが重要じゅうようだ」

アメリカ議会ぎかい下院かいん金融きんゆうサービス委員いいん会かいのパトリック・マクヘンリー委員いいん長ちょうは12日にちに声明せいめいでこう指摘してきしました。

今回こんかいの信用しんよう不安ふあんの広ひろがりで、影響えいきょう力りょくの大おおきさを見みせつけたのがツイッターなどのSNSです。

カリフォルニア州しゅうの金融きんゆう当局とうきょく、金融きんゆう保護ほごイノベーション局きょく（DFPI）によると、SVBの増資ぞうし計画けいかくの発表はっぴょうの翌よく9日にち、預金よきん者しゃはこの一いち日にちだけで実じつに420億おくドル（日本にっぽん円えんで5兆ちょう6000億おく円えん）の資金しきんを引き出ひきだし、これによってSVBは9億おく5800万まんドル（日本にっぽん円えんで130億おく円えん）の現金げんきん不足ふそくに陥おちいったということです。

この日ひに引き出ひきだされた預金よきん量りょうはSVBが預あずかる預金よきん全体ぜんたいの24％にのぼるとされ、この急速きゅうそくな預金よきん引き出ひきだしを主導しゅどうしたのがツイッターなどSNSによる情報じょうほう拡散かくさんの動うごきだったと言いわれています。

アメリカのイエレン財務ざいむ長官ちょうかんは16日にちの議会ぎかい証言しょうげんで「自己じこ資本しほんや流動りゅうどう性せいに対にたいする監督かんとくがいかに強力きょうりょくなものであっても、SNSにあおられる形かたちで銀行ぎんこうの取り付とりつけ騒さわぎが起おき、預金よきんが一気いっきに流出りゅうしゅつすれば、銀行ぎんこうは破綻はたんの危機ききにさらされる可能かのう性せいがある」と述のべています。

アメリカの経済けいざい紙し・ウォールストリート・ジャーナルは、SVBの破綻はたん前まえ、現地げんちのスタートアップ企業きぎょうの創業そうぎょう者しゃや経営けいえい者しゃがSNSでSVBの経営けいえい悪化あっか情報じょうほうを共有きょうゆうし、その後そのご、経営けいえい者しゃの間まで資金しきんを引き出ひきだす動うごきが広ひろがったなどと破綻はたんまでの経緯けいいを報ほうじています。

ニュースなどで伝つたえられた現地げんちの映像えいぞうでは、預金よきんを引き出ひきだそうと銀行ぎんこうの店舗てんぽに並ならぶ人ひとの姿すがたもみられましたが、今いまの時代じだい、預金よきんの引き出ひきだしはインターネット経由けいゆで瞬時しゅんじに行おこなえることもあり、“取り付とりつけ騒さわぎ”の形かたちも大おおきく変かわっています。

日本にっぽんのある大手おおて銀行ぎんこうの幹部かんぶに話はなしを聞ききましたが、まさにこの点てんに注目ちゅうもくしていました。

「過去かこの銀行ぎんこう危機ききと違ちがうのは、SNSによる経営けいえい悪化あっか情報じょうほうの拡散かくさんのスピードだ。信用しんようを扱あつかう銀行ぎんこうにとってはこれが何なによりも怖こわい」と話はなしていました。

また日銀にちぎんのある幹部かんぶは、「今回こんかいのアメリカで起おきた銀行ぎんこう破綻はたんの事例じれいをみると、リーマンショックの当時とうじに比くらべ金融きんゆう機関きかんの経営けいえい危機ききに至いたるまでのスピードがとにかく早はやくなったと感かんじている。その背景はいけいの1つにSNSがあったと考かんがえられる」と指摘してきしました。

日本にっぽんの危機ききの備そなえは

アメリカで相次あいついだ銀行ぎんこう破綻はたんにスイスのクレディ・スイスの経営けいえい悪化あっか情報じょうほうが加くわわり、この1週間しゅうかんの日本にっぽんの株式かぶしき市場しじょうでは、銀行ぎんこうなど金融きんゆう関連かんれんの株価かぶかが大おおきく値下ねさがりしました。

また、外国がいこく為替かわせ市場しじょうでは比較的ひかくてき安全あんぜんな資産しさんだとして円えんが買かわれ、リスクを避さけようと日本にっぽん国債こくさいを買かう動うごきも強つよまりました。

ただ、政府せいふ、日銀にちぎんは日本にっぽんへの影響えいきょうは今いまの時点じてんでは限定げんてい的てきだとしています。

日銀にちぎんは、「国内こくないの金融きんゆう機関きかんには十分じゅうぶんな自己じこ資本しほんがあり、リスクにさらされている資産しさんもわずかで、現時点げんじてんで日本にっぽんの金融きんゆうシステムへの影響えいきょうは限定げんてい的てきだと考かんがえている」と説明せつめいしています。

ただ、SNSによって情報じょうほうがあっという間あっというまに広ひろがり、インターネット経由けいゆで簡単かんたんに預金よきんの引き出ひきだしができる今いまの時代じだい、アメリカで起おきた銀行ぎんこう破綻はたんは過去かこの金融きんゆう危機ききでみられた銀行ぎんこう破綻はたんとはその姿すがた形がたを異ことにしています。

果はたして日本にっぽんの危機ききへの備そなえは万全ばんぜんなのか、いま一いち度ど検証けんしょうする必要ひつようがあると思おもいました。

注目ちゅうもく予定よてい

来週らいしゅうは、日本にっぽん時間じかんの22日にちと23日にちにアメリカ・FRBの金融きんゆう政策せいさくを決定けっていする会合かいごう・FOMCが開ひらかれます。FRBはインフレを抑え込おさえこむため、これまで急ピッチきゅうぴっちで利上りあげを続つづけてきましたが、相次あいつぐ銀行ぎんこうの破綻はたんを受うけて金融きんゆう政策せいさくのスタンスが変かわるのかどうかが焦点しょうてんです。

このほか24日にちは日本にっぽんの2月つきの消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすうが発表はっぴょうされます。前回ぜんかいまで上昇じょうしょう率りつは4％に達たっしていましたが、今回こんかいは上昇じょうしょう幅はばは縮小しゅくしょうすると予想よそうされています。その水準すいじゅんにも注目ちゅうもくが集あつまります。