イギリスの経済紙フィナンシャル・タイムズなどによりますと、スイス連邦検察は2日、UBSによるクレディ・スイスの買収について、銀行の幹部や買収を主導した政府関係者らによる違法行為の疑いがあるとして、捜査を開始したということです。
捜査の焦点は買収交渉をめぐって機密情報が外部に流出したことだとしており、検察は、法手続きに基づいてすでに国や州の政府に接触していて、今後、買収に関わった関係者への事情聴取を行う見通しだと伝えています。
一方、スイスの地元メディアは2日、UBSがクレディ・スイスの買収手続きを終えたあと全従業員の20%から30%に上る人員削減を検討していると伝えました。
世界で最大3万6000人、スイス国内だけで1万1000人が対象になる可能性があるとしています。
UBSは先月19日、経営難に陥ったクレディ・スイスを4200億円余りで救済買収しました。しかしその際、クレディ・スイスが発行したAT1債と呼ばれる一部の債券を無価値にするなど、買収の実現を後押ししたスイスの金融当局による強硬な措置に疑問の声も上がっていて、買収後もさまざまな波紋が広がっています。