Báo tiếng Nhật: 法人税最低税率15％など新たな国際課税ルール最終合意達する

法人ほうじん税ぜいの最低さいてい税率ぜいりつを15％に定さだめたり、「GAFA」に代表だいひょうされる巨大きょだいグローバル企業きぎょうに適切てきせつに課税かぜいできるようにしたりする新あらたな国際こくさいルールについて、OECD＝経済けいざい協力きょうりょく開発かいはつ機構きこうの加盟かめい国こくなど136の国くにと地域ちいきが最終さいしゅう合意ごういに達たっしました。製造せいぞう業ぎょう中心ちゅうしんの考え方かんがえかたに基もとづいておよそ100年ねん前まえに整備せいびされた今いまの国際こくさい課税かぜいルールが転換てんかんされることになります。

日本にっぽんをはじめ、OECDの加盟かめい国こくを中心ちゅうしんとした国くにと地域ちいきで構成こうせいするグループは8日にち、オンライン会合かいごうを開ひらき、2013年ねんから本格ほんかく的てきな交渉こうしょうを続つづけてきた新あらたな国際こくさい課税かぜいルールについて、136の国くにと地域ちいきで最終さいしゅう合意ごういに達たっしたと発表はっぴょうしました。

合意ごういの柱はしらの1つが、企業きぎょう誘致ゆうちを目的もくてきとした法人ほうじん税ぜいの引き下ひきさげ競争きょうそうに歯止はどめをかけ、課税かぜい逃のがれを防ふせぐために15％の最低さいてい税率ぜいりつを導入どうにゅうすることです。

また、グーグルやアップルなど「GAFA」に代表だいひょうされる国境こっきょうを越こえてサービスを展開てんかいする巨大きょだいグローバル企業きぎょうのビジネスモデルに即そくして課税かぜいできるようにすることがもう1つの柱はしらです。

具体ぐたい的てきには、これらの企業きぎょうの売り上うりあげの10％を超こえる利益りえきのうち25％については、サービスの利用りよう者しゃがいる国くにに課税かぜいの対象たいしょうとして配分はいぶんするとしています。

合意ごうい内容ないようは、一部いちぶを除のぞいて再さい来年らいねん（2023年ねん）には実施じっしすることを目標もくひょうとしています。

今回こんかいの合意ごういによって、製造せいぞう業ぎょう中心ちゅうしんの考え方かんがえかたに基もとづき、およそ100年ねん前まえに整備せいびされた今いまのルールが転換てんかんされることになります。

最終さいしゅう合意ごういには、低ひくい税率ぜいりつで企業きぎょうを呼び込よびこんできたアイルランドやハンガリーが加くわわった一方いっぽう、スリランカやケニアなど4か国かこくは加くわわりませんでした。

日本にっぽんとしては、新あらたな国際こくさい課税かぜいルールの実効じっこう性せいをより高たかめるため、こうした国くにへの働はたらきかけを続つづける方針ほうしんです。

最低さいてい税率ぜいりつの合意ごうい内容ないようと影響えいきょうは…

【合意ごうい内容ないようの詳細しょうさい】

今回こんかいの最終さいしゅう合意ごういで大だい企業きぎょうは法人ほうじん税率ぜいりつが低ひくい国くにや地域ちいきに子会社こがいしゃや工場こうじょうなどの拠点きょてんを置おいても、少すくなくとも15％分ぶんの税ぜい負担ふたんを求もとめられることになります。

低ひくい税率ぜいりつの国くにに子会社こがいしゃを作つくった企業きぎょうはこれまで利益りえきを移うつすことで税率ぜいりつの差さの分ぶんの課税かぜいを逃のがれることができましたが親会社おやがいしゃがある国くには差額さがく分ぶんの法人ほうじん税ぜいを親会社おやがいしゃに上乗うわのせすることができるようになります。

例たとえばある企業きぎょうが税率ぜいりつが10％の国くにに子会社こがいしゃなどを設立せつりつした場合ばあい、親会社おやがいしゃがある国くには最低さいてい税率ぜいりつとの差さにあたる5％を上乗うわのせして課税かぜいできるのです。

ただ、いわゆるペーパーカンパニーではなく、工場こうじょうがあって従業じゅうぎょう員いんがいるなど現地げんちで操業そうぎょうしている子会社こがいしゃについては、税ぜい負担ふたんが大幅おおはばに増ふえないようにする特例とくれい的てきな措置そちも設もうけられました。

具体ぐたい的てきには、税率ぜいりつが低ひくい国くににある子会社こがいしゃについては税額ぜいがくを計算けいさんする際さいに対象たいしょうとなる所得しょとくから、工場こうじょうなど有形ゆうけい資産しさんや従業じゅうぎょう員いんに支払しはらっている給与きゅうよに相当そうとうする金額きんがくの一部いちぶを差し引さしひくことを認みとめます。

OECD＝経済けいざい協力きょうりょく開発かいはつ機構きこうの推計すいけいによりますと、最低さいてい税率ぜいりつが15％となったことで、世界せかい全体ぜんたいで年間ねんかんおよそ1500億おくドル、日本にっぽん円えんで16兆ちょう円えん余あまりの税収ぜいしゅうが新あらたに得えられる見込みこみです。

【日本にっぽんや日本にっぽん企業きぎょうへの影響えいきょう】

各国かっこくはこれまで企業きぎょう誘致ゆうちを目的もくてきに法人ほうじん税ぜいを引き下ひきさげてきました。

日本にっぽんもこれまで、ほかの国くにに追従ついしょうする形かたちで、法人ほうじん税ぜいを引き下ひきさげ、国くにと地方ちほうをあわせた法人ほうじん税ぜいの実効じっこう税率ぜいりつは、平成へいせい26年度ねんどの34.62％から29.74％まで引き下ひきさげられてきました。

今回こんかいの合意ごういで、法人ほうじん税ぜいの引き下ひきさげ競争きょうそうに歯止はどめがかかることが期待きたいされています。

また、企業きぎょうが海外かいがいの進出しんしゅつ先さきを選えらぶ際さいは、インフラの整備せいびや労働ろうどう者しゃの教育きょういく水準すいじゅんなど税ぜい負担ふたん以外いがいの条件じょうけんを重視じゅうしするようになることなども期待きたいされています。

さらに、日本にっぽん企業きぎょうの競争きょうそう力りょくの引き上ひきあげにつながるという指摘してきもあります。

低ひくい税率ぜいりつの国くにに設もうけた子会社こがいしゃに利益りえきを移うつして課税かぜいを逃のがれることで利益りえきを蓄たくわえてきた海外かいがいの巨大きょだいグローバル企業きぎょうも今後こんごは少すくなくとも15％分ぶんの法人ほうじん税ぜいを負担ふたんすることになります。

日本にっぽんではこうした形かたちで税ぜい負担ふたんを軽減けいげんしてきた企業きぎょうが比較的ひかくてき少すくなく、競争きょうそう上じょう不利ふりだとされてきましたが、今回こんかいの合意ごういで状況じょうきょうが是正ぜせいされると考かんがえられるためです。

グローバル企業きぎょうへの課税かぜいは…

【合意ごうい内容ないようの詳細しょうさい】

「GAFA」と呼よばれる巨大きょだいIT企業きぎょうに代表だいひょうされるグローバル企業きぎょうへの課税かぜいの強化きょうかについても最終さいしゅう的てきな合意ごういに至いたりました。

これまでのルールでは、国くにや地域ちいきが企業きぎょうに法人ほうじん税ぜいを課税かぜいするには工場こうじょうなどの拠点きょてんを構かまえていることが条件じょうけんとなっています。

このため、拠点きょてんは持もたず、国境こっきょうを越こえ、インターネットを通をつうじて動画どうがや音楽おんがくなどのコンテンツを提供ていきょうしている企業きぎょうに対にたいしては、法人ほうじん税ぜいを課税かぜいすることができませんでした。

今回こんかいの合意ごういは、このルールを改あらためてサービスの利用りよう者しゃがいる国くにや地域ちいきも課税かぜいできるようにするというものです。

課税かぜいの対象たいしょうとなる企業きぎょうの基準きじゅんは、売り上うりあげが200億おくユーロ、日本にっぽん円えんでおよそ2兆ちょう6000億おく円えんで利益りえき率りつが10％を超こえる巨大きょだい企業きぎょうで、世界せかいで100社しゃ程度ていどが該当がいとうするとしています。

これらの企業きぎょうの売り上うりあげの10％を超こえた税引ぜいびき前ぜん利益りえきの25％を課税かぜいの対象たいしょうとして売り上うりあげに応おうじてサービスの利用りよう者しゃがいる国くにに配分はいぶんするということです。

OECD＝経済けいざい協力きょうりょく開発かいはつ機構きこうによりますと利用りよう者しゃがいる国くにや地域ちいきには毎年まいとし、合計ごうけい1250億おくドル、日本にっぽん円えんで14兆ちょう円えんを超こえる利益りえきが課税かぜいの対象たいしょうとして配分はいぶんされると推計すいけいしています。

【日本にっぽんへの影響えいきょう】

日本にっぽんは、インターネットを通をつうじて海外かいがい企業きぎょうのサービスを比較的ひかくてき多おおく利用りようしていることから税収ぜいしゅうが増ふえる可能かのう性せいがあると専門せんもん家かは指摘してきしています。

一方いっぽう、日本にっぽん企業きぎょうにとっては影響えいきょうは限定げんてい的てきとみられています。

合意ごういされた基準きじゅんに日本にっぽん企業きぎょうを単純たんじゅんにあてはめると、数社すうしゃが課税かぜいの対象たいしょうになる可能かのう性せいがありますが、海外かいがいで得えている利益りえきが多おおくはないためです。

今後こんごのスケジュールは…

今回こんかいの最終さいしゅう合意ごういは、来週らいしゅう開ひらかれるG20＝主要しゅよう20か国かこくの財務ざいむ相しょう・中央ちゅうおう銀行ぎんこう総裁そうさい会議かいぎに報告ほうこくされます。

その上うえで、それぞれの国くにや地域ちいきは合意ごういされたルールを実際じっさいに適用てきようするための法ほう整備せいびを進すすめることになります。

このうち、最低さいてい税率ぜいりつについては、法人ほうじん税法ぜいほうなどを改正かいせいすることになります。

一方いっぽう、グローバル企業きぎょうへの課税かぜいについては、合意ごういに加くわわった国くにどうしで、租税そぜい条約じょうやくを結むすぶ必要ひつようがあります。

今回こんかいの合意ごういでは、来年らいねん中ちゅう（2022年ねん）に法ほう改正かいせいや租税そぜい条約じょうやくを策定さくていし、合意ごうい内容ないようの一部いちぶを除のぞいて再さい来年らいねん（2023年ねん）には実施じっしすることを目標もくひょうとしています。

鈴木すずき財務ざいむ相しょうコメント「高たかく評価ひょうか」

鈴木すずき財務ざいむ大臣だいじんは、新あらたな国際こくさい課税かぜいのルールで最終さいしゅう合意ごういに達たっしたことについて「100年来ねんらい、続つづいてきた国際こくさい課税かぜい原則げんそくの見直みなおしが、グローバルな枠組わくぐみのもとで合意ごういされたことを高たかく評価ひょうかする。今後こんご、多国たこく間かん条約じょうやくの策定さくてい・批准ひじゅんや、国内こくない法ほうの改正かいせいに向むけ、引き続ひきつづき各国かっこくと協調きょうちょうしながら取り組とりくみたい」という談話だんわを発表はっぴょうしました。

専門せんもん家か「合意ごういは日本にっぽんにとってはプラスに」

今回こんかいの最終さいしゅう合意ごういについて、国際こくさい課税かぜいに詳くわしい東京とうきょう財団ざいだん政策せいさく研究所けんきゅうじょの岡おか直樹なおき研究けんきゅう員いんは、「経済けいざいのグローバル化かとデジタル化かが進すすむ中なかで、法人ほうじん課税かぜいの長年ながねんの難問なんもんといわれてきたものにきちんと答こたえを出だし、140近ちかくの国くにと地域ちいきの合意ごういによって成し遂なしとげられたことに大おおきな価値かちがある」と評価ひょうかしました。

そのうえで、日本にっぽんへの影響えいきょうについて、「税収ぜいしゅうもプラスになる面めんが大おおきいと考かんがえてよいのではないか。企業きぎょうの視点してんから見みても、グローバル企業きぎょうとの間まで競争きょうそう条件じょうけんが公平こうへいになることにつながり、日本にっぽん企業きぎょうにとってプラスの面めんが大おおきい」と指摘してきしています。

米べいバイデン大統領だいとうりょう「働はたらく世帯せたいに恩恵おんけい」

最終さいしゅう合意ごういについてアメリカのバイデン大統領だいとうりょうは声明せいめいを出だし「この合意ごういはアメリカのリーダーシップと外交がいこう力りょくが、国内こくないの働はたらく世帯せたいにいかに恩恵おんけいをもたらしていくかを示しめしている。利益りえきを上あげる企業きぎょうが公正こうせいな分配ぶんぱいを行おこない、各国かっこくが労働ろうどう者しゃに投資とうしする財源ざいげんを増ふやすことができる」と成果せいかを強調きょうちょうしました。

バイデン大統領だいとうりょうは、各国かっこくに法人ほうじん税ぜいの引き下ひきさげ競争きょうそうをやめるよう訴うったえるとともに、自国じこくでも法人ほうじん税率ぜいりつを引き上ひきあげて大だい規模きぼな経済けいざい対策たいさくの財源ざいげんにあてる計画けいかくを打ち出うちだしましたが、野党やとう・共和党きょうわとうなどの反対はんたいに直面ちょくめんしていて、その行方ゆくえが注目ちゅうもくされています。

米べいイエレン財務ざいむ長官ちょうかん「一世いっせい一いち代だいの快挙かいきょ」

最終さいしゅう合意ごういを受うけてアメリカのイエレン財務ざいむ長官ちょうかんは声明せいめいを発表はっぴょうし「経済けいざい外交がいこうの一世いっせい一いち代だいの快挙かいきょだ。たゆまぬ交渉こうしょうがアメリカと世界せかい全体ぜんたいに長ながきにわたる繁栄はんえいをもたらすことになった。世界せかい経済けいざいは法人ほうじん税ぜいの底辺ていへんへの競争きょうそうを終おわらせることを決断けつだんした」として、合意ごういの意義いぎを強調きょうちょうしました。

国際こくさい課税かぜいのルールづくりをめぐっては、ことし発足ほっそくしたアメリカのバイデン政権せいけんが前ぜん政権せいけんの消極しょうきょく的てきな姿勢しせいを転換てんかんしたことが合意ごういに向むけた転機てんきとなり、イエレン財務ざいむ長官ちょうかんが法人ほうじん税ぜいの引き下ひきさげ競争きょうそうを止とめるため、各国かっこくに対にたいして最低さいてい税率ぜいりつの導入どうにゅうを働はたらきかけていました。

OECD事務じむ総長そうちょう「大だい勝利しょうりだ」

新あらたな国際こくさい課税かぜいルールで最終さいしゅう合意ごういしたことについて、OECD＝経済けいざい協力きょうりょく開発かいはつ機構きこうのコーマン事務じむ総長そうちょうは声明せいめいの中なかで「多国たこく間かん主義しゅぎの大だい勝利しょうりだ。新あらたな国際こくさい課税かぜいルールはデジタル化かされグローバル化かが進すすんだ世界せかい経済けいざいに適応てきおうし、より公平こうへいによりよく機能きのうするようになるだろう」として成果せいかを強調きょうちょうしました。

欧州おうしゅう委員いいん長ちょう「より公正こうせいにするための大おおきな一いち歩ほ」

EU＝ヨーロッパ連合れんごうの執行しっこう機関きかんにあたるヨーロッパ委員いいん会かいのフォンデアライエン委員いいん長ちょうも最終さいしゅう合意ごういを歓迎かんげいする声明せいめいを発表はっぴょうしました。

声明せいめいでは「国際こくさい的てきな課税かぜいシステムをより公正こうせいにするための大おおきな一いち歩ほだ。大だい企業きぎょうに適正てきせいな税ぜいの支払しはらいを求もとめることは、財政ざいせいだけでなく、基本きほん的てきな公正こうせいさの問題もんだいだ」と意義いぎを強調きょうちょうしたうえで、「合意ごういは履行りこうされることが必要ひつようだ。EUが一丸いちがんとなって前まえに進すすむよう、われわれは加盟かめい国こくと密みつに連携れんけいしていく」としています。

ハンガリー財務ざいむ相しょう「現在げんざいの法人ほうじん税率ぜいりつの9％は変かわらない」

法人ほうじん税率ぜいりつが9％と低ひくく、ことし7月つきの大枠おおわく合意ごういには加くわわっていなかったハンガリーのバルガ財務ざいむ相しょうは8日にち、自身じしんのフェイスブックに動画どうがを投稿とうこうし「ハンガリー政府せいふは新あたらしい国際こくさい課税かぜいルールに合意ごういした」と述のべました。

ただ、ハンガリーが提案ていあんした10年間ねんかんの移行いこう期間きかんなどが認みとめられたとして、「現在げんざいの法人ほうじん税率ぜいりつ9％は変かわらない。交渉こうしょうは成功せいこうし、ハンガリーが勝利しょうりした」としています。

フェイスブック「より多おおくの税ぜい払はらう可能かのう性せい

最終さいしゅう合意ごういについてフェイスブックは、「今回こんかいの合意ごういによってわれわれがより多おおくの税金ぜいきんを異ことなる場所ばしょで支払しはらうことになる可能かのう性せいがあると認識にんしきしている。税制ぜいせいは市民しみんの信頼しんらいを得えられるものでなければならず、合意ごういをうれしく思おもう」などとするコメントを出だしました。