日本新闻: 新しい資本主義実現会議岸田首相緊急提言案取りまとめ指示

新あたらしい資本しほん主義しゅぎ実現じつげん会議かいぎ岸田きしだ首相しゅしょう緊急きんきゅう提言ていげん案あん取とりまとめ指示しじ

Oct 26, 2021 13:10

Furigana

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは「成長せいちょうと分配ぶんぱいの好こう循環じゅんかん」の実現じつげんに向むけて設置せっちした「新あたらしい資本しほん主義しゅぎ実現じつげん会議かいぎ」の初はつ会合かいごうで、科学かがく技術ぎじゅつ立国りっこくの推進すいしんや経済けいざい安全あんぜん保障ほしょうの強化きょうかなど、最さい優先ゆうせんで取り組とりくむ課題かだいについて、来月らいげつ上旬じょうじゅんにも緊急きんきゅう提言ていげん案あんを取とりまとめるよう指示しじしました。

総理そうり大臣だいじん官邸かんていで開ひらかれた「新あたらしい資本しほん主義しゅぎ実現じつげん会議かいぎ」の初はつ会合かいごうには、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんや山際やまぎわ経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんのほか「資本しほん主義しゅぎの父ちち」と呼よばれる渋沢しぶさわ栄一えいいちの孫まごの孫まご「やしゃご」にあたる、投資とうし信託しんたく会社かいしゃ会長かいちょうの渋沢しぶさわ健けん氏しら、民間みんかんの有識者ゆうしきしゃが出席しゅっせきしました。

この中なかで、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは「成長せいちょう戦略せんりゃくによって生産せいさん性せいを向上こうじょうさせ、その果実かじつを賃金ちんぎんの形かたちで分配ぶんぱいすることで広ひろく国民こくみんの所得しょとく水準すいじゅんを伸のばし、次つぎの成長せいちょうを実現じつげんしていく『成長せいちょうと分配ぶんぱいの好こう循環じゅんかん』が重要じゅうようだ」と述のべました。

そのうえで、

▽デジタルやクリーンエネルギー技術ぎじゅつを柱はしらとする科学かがく技術ぎじゅつ立国りっこくの推進すいしんや、

▽半導体はんどうたい分野ぶんやなどでの強きょうじんなサプライチェーンを構築こうちくする経済けいざい安全あんぜん保障ほしょうの強化きょうか、

▽官かんと民みんの連携れんけいによる人ひとへの投資とうしなど、

内閣ないかくが最さい優先ゆうせんで取り組とりくむ課題かだいについて、来月らいげつ上旬じょうじゅんにも緊急きんきゅう提言ていげん案あんを取とりまとめるよう山際やまぎわ大臣だいじんに指示しじしました。

そして「デジタル田園でんえん都市とし国家こっか構想こうそう実現じつげん会議かいぎ」や「デジタル臨時りんじ行政ぎょうせい調査ちょうさ会かい」を立たち上あげるほか「新あらたな全ぜん世代せだい型がた社会しゃかい保障ほしょう構築こうちく会議かいぎ」を設置せっちし、看護かんご師しや介護かいご士しなどの所得しょとくの向上こうじょうのため、報酬ほうしゅうや賃金ちんぎんの在り方ありかたを検討けんとうする委員いいん会かいを設もうける考かんがえを示しめしました。

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかん「さまざまな視点してんから議論ぎろんを」

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかんは、閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「会議かいぎでは今後こんご、新あたらしい資本しほん主義しゅぎや実現じつげんする具体ぐたい的てきな施策しさくを議論ぎろんし、来春らいしゅんには取とりまとめを行おこなう予定よていだ。メンバーは、およそ半数はんすうが女性じょせいで、老ろう壮たけし青あおの各かく世代せだいから構成こうせいされ、いずれも各かく分野ぶんやでの経験けいけんや見識けんしきを持もっている方ほうだ。今後こんごもマクロ経済けいざいの視点してんや国際こくさい的てきな視点してん、デジタルやスタートアップの視点してん、労働ろうどう者しゃや中小ちゅうしょう企業きぎょうの視点してんなど、さまざまな視点してんから議論ぎろんしていただきたい」と述のべました。

山際やまぎわ経済けいざい再生さいせい相しょう「方向ほうこう性せいのあるもの出だすイメージ」

山際やまぎわ経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんは、閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「緊急きんきゅう提言ていげんの中身なかみには経済けいざい対策たいさくも含ふくまれる。さらには来年らいねんの通常つうじょう国会こっかいに向むけて、法ほう改正かいせいなどが必要ひつようになるものもゼロではなく、税ぜいに関にかんして触ふれる可能かのう性せいも十分じゅうぶんある。緊急きんきゅう提言ていげんなので、足元あしもとの経済けいざい対策たいさくが大おおきいとは思おもうが、ある程度あるていど、方向ほうこう性せいのあるものとして出だすことをイメージしている」と述のべました。

経団連けいだんれん十倉とくら会長かいちょう “脱だつ炭素たんそ成長せいちょう戦略せんりゃくの1つの柱はしらに”

「新あたらしい資本しほん主義しゅぎ実現じつげん会議かいぎ」の初はつ会合かいごうに出席しゅっせきした経団連けいだんれんの十倉とくら会長かいちょうは、記者きしゃ団だんに対にたいして「成長せいちょうか分配ぶんぱいかという二者択一にしゃたくいつではなく、まずは成長せいちょうしないと分配ぶんぱい政策せいさくにも限度げんどがあるので成長せいちょう戦略せんりゃくにしっかり取り組とりくむ必要ひつようがある。そのためにはデジタル化かや脱だつ炭素たんそによる社会しゃかい変革へんかくを進すすめないといけないが、中なかでも脱だつ炭素たんそは国内こくないの投資とうしにもつながるので、これはしっかりやらないといけない」と述のべ、政府せいふや経済けいざい界かいが進すすめる脱だつ炭素たんそ社会しゃかいの実現じつげんに向むけた取り組とりくみを、成長せいちょう戦略せんりゃくの1つの柱はしらにすべきとの考かんがえを示しめしました。

渋沢しぶさわ健けん氏し「分配ぶんぱいの機会きかいは平等びょうどうであるべき」

民間みんかんの有識ゆうしき者しゃで「資本しほん主義しゅぎの父ちち」と呼よばれる渋沢しぶさわ栄一えいいちの孫まごの孫まご「やしゃご」にあたる投資とうし信託しんたく会社かいしゃ会長かいちょうの渋沢しぶさわ健けん氏しは記者きしゃ団だんに対にたいし「分配ぶんぱいというのは、結果けっかは平等びょうどうではないかもしれないが、機会きかいは平等びょうどうであるべきだ。ただ、結果けっかは可視かし化かできるが機会きかいはなかなか可視かし化かできていないのが課題かだいだ。機会きかいが平等びょうどうであることをきちんと可視かし化かすることが大切たいせつなのではないか」と述のべました。

米よね良りょうはるか氏し「よい指標しひょうを作つくりよい経営けいえいを」

民間みんかんの有識ゆうしき者しゃで、IT企業きぎょうCEOの米よね良りょうはるか氏しは記者きしゃ団だんに対にたいし「時価じか総額そうがくや利益りえきの最大さいだい化かの追求ついきゅうだけが会社かいしゃの価値かちではなく、ステークホルダーを重要じゅうよう視しした地方ちほう企業きぎょうの在り方ありかたがこれからは求もとめられてくるのではないか。ただ、その価値かちを測はかるのは非常ひじょうに難むずかしいので、政府せいふと民間みんかんが共同きょうどうしながらよい指標しひょうを作つくり、それをもとに企業きぎょうがよい経営けいえいをして、国民こくみんが楽たのしく元気げんきに生いきていけるよう今後こんご話はなしていきたい」と述のべました。