日本新聞: 正社員平均年収前年同期比6万円減コロナ禍で残業代減要因か

正せい社員しゃいん平均へいきん年収ねんしゅう前年ぜんねん同期どうき比ひ6万まん円えん減げんコロナ禍かで残業ざんぎょう代だい減げん要因よういんか

Dec 30, 2021 10:12

Furigana

2021年ねん8月つきまでの1年間ねんかんに転職てんしょくサイトに登録とうろくした正せい社員しゃいんの平均へいきん年収ねんしゅうは、前まえの年としの同おなじ時期じきより6万まん円えん減少げんしょうしたという民間みんかんの調査ちょうさ結果けっかが発表はっぴょうされました。

なかでも20代だいから40代だいの収入しゅうにゅうの落ち込おちこみが大おおきく、コロナ禍かで残業ざんぎょう代だいが減へったことなどが要因よういんとみられています。

人材じんざいサービス会社かいしゃの「パーソルキャリア」は、2021年ねん8月つき末まつまでの1年間ねんかんに転職てんしょくサイトに登録とうろくした20歳さいから65歳さいまでの正せい社員しゃいん、約やく45万まん人にんのデータをもとに平均へいきん年収ねんしゅうを取とりまとめました。

それによりますと、全体ぜんたいの平均へいきん年収ねんしゅうは403万まん円えんで、前まえの年としの同おなじ時期じきより6万まん円えん減少げんしょうしました。

年代ねんだい別べつにみると「20代だい」は341万まん円えん、「30代だい」は437万まん円えん、「40代だい」は502万まん円えんで、前まえの年としと比くらべて7万まん円えんから8万まん円えん、それぞれ減少げんしょうしました。

コロナ禍かによるテレワークの普及ふきゅうや時短じたん営業えいぎょうで残業ざんぎょう代だいが減へったり、ボーナスが減額げんがくされたりしたことが要因よういんとみられています。

一方いっぽう「50代だい以上いじょう」は613万まん円えんで前まえの年としと変かわりませんでした。

50代だい以上いじょうは管理かんり職しょくが多おおく、残業ざんぎょう代だいなどの影響えいきょうを受うけにくかったためとみられています。

転職てんしょくサイトへの登録とうろく者しゃ数すうも増加ぞうかしているということで「パーソルキャリア」の喜多きた恭子きょうこさんは「コロナでグローバルに経済けいざいが止とまった影響えいきょうが給与きゅうよに反映はんえいされた。今回こんかいの調査ちょうさ結果けっかは残念ざんねんだが、将来しょうらいの働はたらく環境かんきょうなどを考かんがえるうえで、気き付つきのある1年ねんだったのではないか」と話はなしています。

専門せんもん家か「“昭和しょうわの働はたらき方かた”から脱却だっきゃくできていない」

こうした調査ちょうさについて、雇用こよう問題もんだいに詳くわしい日本にっぽん総合そうごう研究所けんきゅうじょの山田やまだ久ひさ主席しゅせき研究けんきゅう員いんは「本来ほんらいは所定しょてい内ないの労働ろうどう時間じかんで基本きほん的てきに仕事しごとを終おえ、十分じゅうぶんな基本きほん給きゅうがもらえるはずだが、日本にっぽんはいわゆる“昭和しょうわの働はたらき方かた”から完全かんぜんに脱却だっきゃくできていない。欧米おうべいでは当たり前あたりまえの原則げんそくを作つくっていく必要ひつようがある」と指摘してきしています。

そのうえで、今後こんごの働はたらき方かたについては「人手ひとで不足ふそくとなる中なか、企業きぎょうはいかに人材じんざいを確保かくほし、定着ていちゃくさせていくかが重要じゅうようになる。アフターコロナに向むけて経済けいざい社会しゃかいや産業さんぎょうの仕組しくみが変かわる中なか、テレワークが普及ふきゅうし、副業ふくぎょうを認みとめる企業きぎょうも出でてきていて新あたらしい働はたらき方かたが見みえてきている。企業きぎょう側がわも働はたらく側がわも新あたらしい可能かのう性せいを試ためし、変化へんかを前向まえむきに捉とらえることが大事だいじではないか」と話はなしていました。