日本新聞: 東京都病床使用率20％で“重点措置” 50％で“宣言”要請検討

東京とうきょう都と病床びょうしょう使用しよう率りつ20％で“重点じゅうてん措置そち” 50％で“宣言せんげん”要請ようせい検討けんとう

Jan 13, 2022 17:01

Furigana

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんの急速きゅうそくな拡大かくだいで入院にゅういん患者かんじゃが増ふえる中なか、東京とうきょう都とは、都内とないの病床びょうしょう使用しよう率りつが20％になった段階だんかいでまん延まんえん防止ぼうし等とう重点じゅうてん措置そちの適用てきようについて、50％になった段階だんかいで緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんの発出はっしゅつについて、それぞれ国こくへの要請ようせいを検討けんとうすることになりました。

都内とないでは、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんの急速きゅうそくな拡大かくだいが続つづき、入院にゅういん患者かんじゃが増ふえていて、病床びょうしょう使用しよう率りつは12日にちの段階だんかいで13.7％となっています。

こうした中なか、東京とうきょう都とは、都内とないの病床びょうしょう使用しよう率りつが、

▽20％になった段階だんかいでまん延まんえん防止ぼうし等とう重点じゅうてん措置そちの適用てきようについて、

▽50％になった段階だんかいで緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんの発出はっしゅつについて、

それぞれ国こくへの要請ようせいを検討けんとうすることになりました。

小池こいけ知事ちじは、記者きしゃ団だんに対にたいし「オミクロン株かぶの感染かんせん力りょくを考慮こうりょすると、急速きゅうそくに病床びょうしょうなど医療いりょう資源しげんのひっ迫ひっぱくを招まねく可能かのう性せいがある」と述のべました。

また、埼玉さいたま県けん、千葉ちば県けん、神奈川かながわ県けんとも連携れんけいしながら、効果こうか的てきな対策たいさくを検討けんとうしていると明あきらかにしました。

さらに、小池こいけ知事ちじは、国くにに対にたいし、ワクチンや飲のみ薬やくの確実かくじつな供給きょうきゅうのほか、新型しんがたコロナの感染かんせん症しょう法ほう上じょうの扱あつかいを、現在げんざいの「二に類るい相当そうとう」から、季節きせつ性せいのインフルエンザと同おなじ「五ご類るい」に引き下ひきさげることも含ふくめ、科学かがく的てきな知見ちけんを集あつめるよう求もとめていく考かんがえを示しめしました。

小池こいけ知事ちじは「感染かんせんは止とめるが、社会しゃかいは止とめない。対応たいおう策さくもスピード感かんを持もってやっていかなければならない。宿泊しゅくはく療養りょうようなど、できるだけ隔離かくりする場所ばしょを確保かくほしていくことが、意味いみが大おおきいと思おもっている」と述のべ、宿泊しゅくはく療養りょうよう施設しせつの確保かくほなどに万全ばんぜんを期きす考かんがえを強調きょうちょうしました。

都内とないオミクロン株かぶ感染かんせん疑うたがい検査けんさ対象たいしょうの83.9％に

都とのモニタリング会議かいぎでの報告ほうこくによりますと、都内とないで一部いちぶの感染かんせん者しゃを対象たいしょうに今月こんげつ10日にちまでの1週間しゅうかんに行いったスクリーニング検査けんさで、判定はんてい不能ふのうだった人ひとを除のぞいて83.9％にあたる1629人にんがオミクロン株かぶに感染かんせんしている疑うたがいがあることが分わかったということです。

この検査けんさで、最初さいしょにオミクロン株かぶの疑うたがいがあると確認かくにんされたのは先月せんげつ20日にちまでの1週間しゅうかんで、疑うたがいの割合わりあいは5.1％でした。

その翌週よくしゅうの先月せんげつ27日にちまでの1週間しゅうかんは疑うたがいの割合わりあいが9.1％に、そして、次つぎの週しゅうの今月こんげつ3日にちまでの1週間しゅうかんには49.1％にまで増加ぞうかしていました。

今回こんかい、4週しゅう目めで34.8ポイント増加ぞうかして80％を超こえました。

また、デルタ株かぶやアルファ株かぶを念頭ねんとうにこれまで行いっていたスクリーニング検査けんさと比くらべると、80％を超こえるのにかかった期間きかんは、オミクロン株かぶの場合ばあい、デルタ株かぶより9週間しゅうかん、アルファ株かぶより14週間しゅうかん早はやくなっているということです。

都との「専門せんもん家かボード」の座長ざちょうで、東北とうほく医科いか薬科やっか大学だいがくの賀来かく満夫みつお特とく任にん教授きょうじゅは「これまでにないスピードでオミクロン株かぶへの置き換おきかえが進すすんでいる」と分析ぶんせきしたうえで「状況じょうきょうに注意ちゅういしながら医療いりょう提供ていきょう体制たいせいの確保かくほなどに先手せんて先手せんてで取り組とりくんでいく必要ひつようがある」と述のべました。

病床びょうしょう使用しよう率りつ20％「かなり早はやい時期じきに達たっする可能かのう性せい」

モニタリング会議かいぎのあと東京とうきょう都と医師いし会かいの猪口いのぐち正ただし孝こう副ふく会長かいちょうは、都内とないの病床びょうしょう使用しよう率りつが20％になった段階だんかいで都とがまん延まんえん防止ぼうし等とう重点じゅうてん措置そちを要請ようせいするとしたことについて「今いまの病床びょうしょう使用しよう率りつの上昇じょうしょうの速度そくどだと、20％にはすぐに達たっしそうだが、無む症状しょうじょうで入院にゅういんしている人ひとをスムーズに自宅じたく療養りょうように戻もどしたり、経口けいこう薬やくなどで治療ちりょうできるようになったりするなど、いくつかのファクターで、先さきに延のびるかもしれない。ただ、かなり早はやい時期じきに達たっする可能かのう性せいはある」と話はなしていました。

オミクロン株かぶ「『軽症けいしょうだ』と簡単かんたんには片かたづかない」

モニタリング会議かいぎのあと国立こくりつ国際こくさい医療いりょう研究けんきゅうセンターの大曲おおまがり貴夫たかお国際こくさい感染かんせん症しょうセンター長ちょうは、オミクロン株かぶについて「これだけ感染かんせんが広ひろがってくると入院にゅういんする人ひとも目立めだつようになったし、実際じっさいに酸素さんそ投与とうよが必要ひつような人ひとも出でてきている。これまで言いわれているような『軽症けいしょうだ』と簡単かんたんには片かたづかない病気びょうきなんだというのは現場げんばで感かんじている。そこのところはしっかりと見みながら、後手ごて後手ごてにならないよう対応たいおうしたい」と話はなしていました。