日本新聞: 北朝鮮弾道ミサイル2発発射 EEZ外に落下と推定ことし4回目

17日にち午前ごぜん、北朝鮮きたちょうせんから弾道だんどうミサイル2発はつが東ひがしの方向ほうこうに発射はっしゃされました。

日本にっぽんのEEZ＝排他はいた的てき経済けいざい水域すいいきの外側そとがわに落下らっかしたと推定すいていされ、これまでのところ日本にっぽんの航空こうくう機きや船舶せんぱくの被害ひがいなどの情報じょうほうは確認かくにんされていないということです。

北朝鮮きたちょうせんによる弾道だんどうミサイルの発射はっしゃはことしに入はいって4回かい目めで、防衛ぼうえい省しょうは引き続ひきつづき情報じょうほう収集しゅうしゅうと分析ぶんせきを進すすめています。

防衛ぼうえい省しょう “EEZ外がいに落下らっかと推定すいてい”

防衛ぼうえい省しょうによりますと、17日にち午前ごぜん8時じ49分ふんごろと52分ふんごろ北朝鮮きたちょうせん西部せいぶから弾道だんどうミサイル2発はつが東ひがしの方向ほうこうに発射はっしゃされたということです。

最高さいこう高度こうどはおよそ50キロで、通常つうじょうの軌道きどうであれば飛とんだ距離きょりはおよそ300キロと推定すいていされています。また落下らっか地点ちてんは北朝鮮きたちょうせんの東岸とうがん付近ふきんで日本にっぽんのEEZ＝排他はいた的てき経済けいざい水域すいいきの外側そとがわと推定すいていされるということです。

これまでのところ日本にっぽんの航空こうくう機きや船舶せんぱくの被害ひがいなどの情報じょうほうは確認かくにんされていません。

北朝鮮きたちょうせんによる弾道だんどうミサイルの発射はっしゃは3日にち前まえの今月こんげつ14日にち以来いらいで、ことしに入はいって4回かい目めです。

防衛ぼうえい省しょうは北朝鮮きたちょうせんが極きわめて高たかい頻度ひんどで新あらたな形かたちでの発射はっしゃを行おこない秘匿ひとく性せいや即時そくじ性せいの向上こうじょう、発射はっしゃ形態けいたいの多様たよう化かなどを図はかっているとして、警戒けいかい・監視かんしに万全ばんぜんを期きすとともに引き続ひきつづき情報じょうほう収集しゅうしゅうと分析ぶんせきを進すすめています。

海上かいじょう保安庁ほあんちょう “船舶せんぱくへの被害ひがいの情報じょうほうなし”

海上かいじょう保安庁ほあんちょうは北朝鮮きたちょうせんから弾道だんどうミサイルの可能かのう性せいがあるものが発射はっしゃされたという情報じょうほうを午前ごぜん8時じ54分ふんに発表はっぴょうしました。

さらに海上かいじょう保安庁ほあんちょうは弾道だんどうミサイルの可能かのう性せいがあるものはすでに落下らっかしたとみられると午前ごぜん9時じ3分ふんに発表はっぴょうしました。航行こうこう中ちゅうの船舶せんぱくに対にたいし今後こんごの情報じょうほうに注意ちゅういするよう呼よびかけています。

また海上かいじょう保安庁ほあんちょうは日本にっぽん周辺しゅうへんの海域かいいきで被害ひがいなどの確認かくにんを進すすめていますが、これまでのところ日本にっぽんに関係かんけいする船舶せんぱくへの被害ひがいの情報じょうほうは入はいっていないということです。

今月こんげつ14日にち以来いらいことしに入はいって4回かい目め

北朝鮮きたちょうせんが弾道だんどうミサイルや、その可能かのう性せいがあるものを発射はっしゃしたのが確認かくにんされるのは今月こんげつ14日にち以来いらいでことしに入はいって4回かい目めです。

防衛ぼうえい省しょうによりますと、前回ぜんかいは北西ほくせい部ぶから東ひがし方向ほうこうに弾道だんどうミサイル2発はつを発射はっしゃしました。発射はっしゃされたミサイルは固体こたい燃料ねんりょう推進すいしん方式ほうしきの短距離たんきょり弾道だんどうミサイルだとしています。

また最高さいこう高度こうどは通常つうじょうより低ひくいおよそ50キロで、通常つうじょうの弾道だんどう軌道きどうだとすれば400キロ程度ていど飛とんで落下らっか地点ちてんは北朝鮮きたちょうせんの東岸とうがん付近ふきん、日本にっぽんのEEZ＝排他はいた的てき経済けいざい水域すいいきの外側そとがわだと推定すいていされるとしています。

岸田きしだ首相しゅしょう「誠まことに遺憾いかんなことで強つよく抗議こうぎ」

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは自民党じみんとうの両院りょういん議員ぎいん総会そうかいで「けさも北朝鮮きたちょうせんの弾道だんどうミサイルの発射はっしゃがあり誠まことに遺憾いかんなことで強つよく抗議こうぎをした。改あらためてミサイル防衛ぼうえい体制たいせいをはじめ国民こくみんの命いのちや暮くらしを守まもるために十じゅう二に分ふんな備そなえができているのかしっかり問といかけ、国家こっか安全あんぜん保障ほしょう戦略せんりゃくをはじめ外交がいこう・安全あんぜん保障ほしょうの議論ぎろんをしっかり進すすめていかなければならないという強つよい危機きき感かんを感かんじている」と述のべました。

岸きし防衛ぼうえい相しょう「極きわめて高たかい頻度ひんどで発射はっしゃ」

岸きし防衛ぼうえい大臣だいじんは「昨今さっこんの弾道だんどうミサイルなどのたび重かさなる発射はっしゃはわが国わがくにを含ふくむ国際こくさい社会しゃかい全体ぜんたいにとっての深刻しんこくな課題かだいだ。国連こくれん安保理あんぽり決議けつぎ違反いはんで強つよく非難ひなんする」と述のべました。

また岸きし大臣だいじんは「北朝鮮きたちょうせんは2週間しゅうかんに4回かいという極きわめて高たかい頻度ひんどで鉄道てつどうからの発射はっしゃや変則へんそく的てきな軌道きどうの可能かのう性せいのある飛ひしょうといった新あらたな態様たいようでの発射はっしゃを行おこなっている。発射はっしゃの兆候ちょうこう把握はあくを困難こんなんにするための秘匿ひとく性せいや即時そくじ性せい、奇襲きしゅう的てきな攻撃こうげき能力のうりょくの向上こうじょう、発射はっしゃ形態けいたいの多様たよう化かなど急速きゅうそくに関連かんれん技術ぎじゅつや運用うんよう能力のうりょくの向上こうじょうを図はかってきていることは明あきらかだ」と述のべました。

そのうえで「一連いちれんの弾道だんどうミサイル発射はっしゃを含ふくむ北朝鮮きたちょうせんの軍事ぐんじ動向どうこうはわが国わがくにの安全あんぜんに対にたいする重大じゅうだいかつ差し迫さしせまった脅威きょういであり、地域ちいきと国際こくさい社会しゃかいの平和へいわと安全あんぜんを著いちじるしく損そこなうものだ」と述のべ、防衛ぼうえい力りょくの抜本ばっぽん的てきな強化きょうかに取り組とりくむ考かんがえを示しめしました。

今回こんかいの発射はっしゃを受うけて政府せいふは北京ぺきんの大使館たいしかんルートを通をつうじて北朝鮮きたちょうせんに抗議こうぎしました。

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかん「現時点げんじてんで被害ひがい報告ほうこくなど確認かくにんされず」

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかんは、臨時りんじ閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「先さきほど北朝鮮きたちょうせんから弾道だんどうミサイルの可能かのう性せいがあるものが発射はっしゃされたが、現時点げんじてんで、関係かんけい機関きかんからの被害ひがい報告ほうこくなどの情報じょうほうは確認かくにんされていない。政府せいふは、総理そうり大臣だいじん官邸かんていの危機きき管理かんりセンターに設置せっちしている北朝鮮きたちょうせん情勢じょうせいに関にかんする官邸かんてい対策たいさく室しつで関係かんけい省庁しょうちょう間かんで情報じょうほうを集約しゅうやくするとともに、緊急きんきゅう参集さんしゅうチームを招集しょうしゅうし、対応たいおうについて協議きょうぎを行おこなった」と述のべました。

そのうえで「これまでの弾道だんどうミサイルなどのたび重かさなる発射はっしゃも含ふくめ、一連いちれんの北朝鮮きたちょうせんの行動こうどうは、わが国わがくにと地域ちいきおよび国際こくさい社会しゃかいの平和へいわと安全あんぜんを脅おびやかすもので、強つよく非難ひなんする。国民こくみんの生命せいめい・財産ざいさんを守り抜まもりぬくため、引き続ひきつづき情報じょうほうの収集しゅうしゅう・分析ぶんせきおよび、警戒けいかい監視かんしに全力ぜんりょくを挙あげ、今後こんご、追加ついかして公表こうひょうすべき情報じょうほうを入手にゅうしゅした場合ばあいには、速すみやかに発表はっぴょうする」と述のべました。

林はやし外相がいしょう「誠まことに遺憾いかん情報じょうほうの収集しゅうしゅう・分析ぶんせきに全力ぜんりょく」

林はやし外務がいむ大臣だいじんは午前ごぜん9時じすぎ、外務省がいむしょうで記者きしゃ団だんに対にたいし「詳細しょうさいについて分析ぶんせき中ちゅうだがことしに入はいってから5日にち、11日にち、14日にちに続つづいて北朝鮮きたちょうせんが連続れんぞくして発射はっしゃしていることは誠まことに遺憾いかんだ。外務省がいむしょうとしても発射はっしゃ直後ちょくごから米国べいこくおよび韓国かんこくと緊密きんみつな連携れんけいを確認かくにんしてきており、引き続ひきつづき情報じょうほうの収集しゅうしゅう・分析ぶんせきに全力ぜんりょくを挙あげて日本にっぽんの平和へいわと安定あんていの確保かくほに万全ばんぜんを期きしていきたい」と述のべました。

韓国かんこく軍ぐん“北朝鮮きたちょうせんが首都しゅと郊外こうがいから東ひがしへ飛ひしょう体たい2発はつ発射はっしゃ”

韓国かんこく軍ぐんの合同ごうどう参謀さんぼう本部ほんぶは、北朝鮮きたちょうせんが17日にち午前ごぜん、首都しゅとピョンヤン郊外こうがいの、国際こくさい空港くうこうがあるスナン（順安じゅんあん）付近ふきんから東ひがしに向むけて短距離たんきょり弾道だんどうミサイルと推定すいていされる飛ひしょう体たいを2発はつ発射はっしゃしたと発表はっぴょうしました。

韓国かんこく国防省こくぼうしょうは定例ていれいの記者きしゃ会見かいけんで「アメリカとともに分析ぶんせきしている」と述のべるにとどめましたが、通信つうしん社しゃの連合れんごうニュースは飛行ひこう距離きょりは400キロ未満みまんだったとする見方みかたを伝つたえています。

北朝鮮きたちょうせんによる飛ひしょう体たいの発射はっしゃはことしに入はいってからすでに4回かい目めで、3日にち前まえの今月こんげつ14日にちには北西ほくせい部ぶのピョンアン（平安へいあん）北道ほくどうから日本海にほんかいに向むけて短距離たんきょり弾道だんどうミサイルと推定すいていされる飛ひしょう体たい2発はつを発射はっしゃし、その翌日よくじつ「鉄道てつどう機動きどうミサイル連隊れんたい」が発射はっしゃ訓練くんれんを行おこなったと発表はっぴょうしていました。

北朝鮮きたちょうせんはアメリカが12日にち、北朝鮮きたちょうせんの核かく・ミサイル開発かいはつをめぐって追加ついかの経済けいざい制裁せいさいを科かしたと発表はっぴょうしたことに強つよく反発はんぱつしていたほか、国営こくえいのウェブサイトでは17日にち、韓国かんこく軍ぐんが軍事ぐんじ境界きょうかい線せん近ちかくで訓練くんれんを行おこなっているうえアメリカ軍ぐんが主導しゅどうしてグアムで行おこなわれている軍事ぐんじ演習えんしゅうにも参加さんかしたとして非難ひなんしていました。

このため北朝鮮きたちょうせんとしては短期間たんきかんに発射はっしゃを繰り返くりかえすことで軍事ぐんじ力りょくを強化きょうかする姿勢しせいを鮮明せんめいにしアメリカや韓国かんこくをけん制けんせいするねらいもあるとみられます。

ことしに入はいってのミサイル発射はっしゃは

ことしに入はいって北朝鮮きたちょうせんがミサイルを発射はっしゃしたのは今回こんかいがすでに4回かい目めです。

▽1回かい目めは今月こんげつ5日にち、北朝鮮きたちょうせん北部ほくぶのチャガン（慈江こう）道みちから日本海にほんかいに向むけて弾道だんどうミサイル1発はつが発射はっしゃされました。

北朝鮮きたちょうせんは国営こくえいメディアを通をつうじて極ごく超ちょう音速おんそくミサイルの発射はっしゃ実験じっけんを行おこない「700キロ先さきに設定せっていされた目標もくひょうに誤差ごさなく命中めいちゅうした」と発表はっぴょうしました。

▽2回かい目めは6日にち後ごの11日にちで同おなじ北部ほくぶのチャガン道どうから弾道だんどうミサイル1発はつが日本にっぽん海うみに向むけて発射はっしゃされ、北朝鮮きたちょうせんはキム・ジョンウン（金きむ正ただし恩おん）総そう書記しょきの立ち会たちあいのもと極ごく超ちょう音速おんそくミサイルの発射はっしゃ実験じっけんを再ふたたび行おこなったと発表はっぴょうしました。

この中なかで「ミサイルから分離ぶんりされた弾頭だんとうが1000キロ先さきの水域すいいきに設定せっていされた目標もくひょうに命中めいちゅうした」としたうえで、技術ぎじゅつ的てきな特性とくせいを確認かくにんするための「最終さいしゅう的てきな発射はっしゃ実験じっけん」だったと位置いちづけました。

さらに

▽3回かい目めは3日にち後ごの14日にちで北西ほくせい部ぶのピョンアン（平安へいあん）北道ほくどうから日本海にほんかいに向むけて短距離たんきょり弾道だんどうミサイルと推定すいていされる飛ひしょう体たい2発はつが発射はっしゃされました。

北朝鮮きたちょうせんは「鉄道てつどう機動きどうミサイル連隊れんたい」が抜き打ぬきうちの発射はっしゃ訓練くんれんを行おこない「2発はつの戦術せんじゅつ誘導ゆうどう弾だんが日本にっぽん海うみに設定せっていされた目標もくひょうに命中めいちゅうした」と発表はっぴょうし、立ち会たちあった国防こくぼう科学かがく院いんの幹部かんぶらが全国ぜんこく的てきな鉄道てつどう機動きどうミサイルの運用うんようシステムを整ととのえるための課題かだいについて議論ぎろんしたとしていました。

米べい軍ぐん “発射はっしゃしたのは弾道だんどうミサイル”

アメリカのインド太平洋たいへいよう軍ぐんは16日にち、声明せいめいを発表はっぴょうし、北朝鮮きたちょうせんが発射はっしゃしたのは弾道だんどうミサイルだったとの認識にんしきを示しめし「今回こんかいの発射はっしゃはアメリカの国民こくみんや領土りょうど、それに同盟どうめい国こくへの差し迫さしせまった脅威きょういではないと判断はんだんしている」としました。

そして北朝鮮きたちょうせんの違法いほうな兵器へいき開発かいはつが地域ちいきを不安定ふあんてい化かさせることを浮き彫うきぼりにするものだとして懸念けねんを示しめしたうえで「日本にっぽんと韓国かんこくの防衛ぼうえいに対にたいするアメリカの関与かんよは揺ゆるぎない」と強調きょうちょうしました。