日本新聞: 再審制度見直しへ“法改正の検討法制審議会に諮問” 鈴木法相

再審さいしん制度せいど見直みなおしへ“法ほう改正かいせいの検討けんとう法制ほうせい審議しんぎ会かいに諮問しもん” 鈴木すずき法相ほうしょう

Feb 7, 2025 11:02 6

Furigana

審理しんりの長期ちょうき化かが指摘してきされている再審さいしん＝裁判さいばんのやり直やりなおしの制度せいどを見直みなおすため、鈴木すずき法務ほうむ大臣だいじんは、法ほう改正かいせいの検討けんとうを法制ほうせい審議しんぎ会かいに諮問しもんすることを明あきらかにしました。法務省ほうむしょうでは、この春はるにも諮問しもんする方向ほうこうで、具体ぐたい的てきな検討けんとう項目こうもくとあわせて調整ちょうせいを急いそぐことにしています。

再審さいしん制度せいどは70年ねん以上いじょう、一いち度ども改正かいせいされたことがなく、去年きょねん無罪むざいが確定かくていした袴田はかまだ巌いわおさんが最初さいしょに再審さいしんを求もとめてから開始かいしまで40年ねん余あまりかかったケースをはじめ、審理しんりの長期ちょうき化かが課題かだいとして指摘してきされています。

鈴木すずき法務ほうむ大臣だいじんは、7日にちの記者きしゃ会見かいけんで再審さいしん制度せいどの見直みなおしに向むけて、法ほう改正かいせいの検討けんとうを法制ほうせい審議しんぎ会かいに諮問しもんすることを明あきらかにしました。

そして「さまざまな論点ろんてんについて、実情じつじょうを踏ふまえつつ、幅広はばひろい観点かんてんから検討けんとうしていただける形かたちで諮問しもんしたい」と述のべました。

関係かんけい者しゃによりますと、この春はるにも諮問しもんする方向ほうこうで、具体ぐたい的てきな検討けんとう項目こうもくとあわせて調整ちょうせいを急いそぐことにしています。

再審さいしん制度せいどをめぐっては、法務省ほうむしょうの有識者ゆうしきしゃ会議かいぎが

▽現在げんざいは具体ぐたい的てきな手続てつづきが定さだめられていない証拠しょうこ開示かいじの規定きていを設もうけるべきかや

▽裁判所さいばんしょの再審さいしん開始かいし決定けっていに対にたいする検察けんさつの不服ふふく申し立もうしたてを禁止きんしすべきかなどを論点ろんてんに議論ぎろんを続つづけ

おとといの会合かいごうで「早急そうきゅうに法ほう整備せいびに取り組とりくむ必要ひつようがある」という意見いけんで一致いっちしました。

法務省ほうむしょうではこれも踏ふまえ、諮問しもんする検討けんとう項目こうもくをまとめることにしています。

一方いっぽう、超党派ちょうとうはの議員ぎいん連盟れんめいも再審さいしんの迅速じんそく化かを図はかるための法ほう改正かいせいを目指めざして本格ほんかく的てきな検討けんとうを始はじめています。

有識者ゆうしきしゃ会議かいぎこれまでの議論ぎろん

5日にちの法務省ほうむしょうの有識者ゆうしきしゃ会議かいぎでは、袴田はかまだ巌いわおさんの無罪むざいを受うけて最高さいこう検察庁けんさつちょうが行おこなった検証けんしょう結果けっかなどを踏ふまえ、「早急そうきゅうに法ほう整備せいびに取り組とりくむ必要ひつようがある」とか「国民こくみんの関心かんしんの高たかさを踏ふまえると法制ほうせい審議しんぎ会かいで議論ぎろんを深ふかめるべきだ」という意見いけんが出でて、こうした方針ほうしんについて異論いろんはなく、まとまったということです。

これまでの議論ぎろんのうち、証拠しょうこ開示かいじの制度せいど化かについては「これまでの事例じれいを見みても検察官けんさつかんが持もつ証拠しょうこを必要ひつような範囲はんいで開示かいじするのは有用ゆうようだ」という意見いけんがあった一方いっぽう、検察けんさつの委員いいんからは制度せいど化かについて慎重しんちょうな意見いけんが出でていました。

また、再審さいしん開始かいし決定けっていに対にたいする検察けんさつの不服ふふく申し立もうしたてについては「えん罪えんざい被害ひがい者しゃの救済きゅうさいを遅おくらせるので禁止きんしすべきだ」という意見いけんのほか、「申し立もうしたてで裁判所さいばんしょの決定けっていが覆おおった例れいもある」という慎重しんちょうな意見いけんもありました。