日本新聞: “去年末に発見の小惑星 2032年に2.2％の確率で地球衝突” ESA

“去年きょねん末まつに発見はっけんの小惑星しょうわくせい 2032年ねんに2.2％の確率かくりつで地球ちきゅう衝突しょうとつ” ESA

Feb 9, 2025 05:02 38

Furigana

去年きょねん末まつに発見はっけんされた小惑星しょうわくせいが、現時点げんじてんで2032年ねんに2.2％の確率かくりつで地球ちきゅうに衝突しょうとつするおそれがあるという推定すいていをESA＝ヨーロッパ宇宙うちゅう機関きかんが発表はっぴょうし、今後こんごも注意深ちゅういぶかく、観測かんそくを続つづけるとしています。

ESAによりますと、この小惑星しょうわくせいは去年きょねん12月つき27日にちに新あらたに発見はっけんされ、直径ちょっけいは40メートルから90メートルとみられています。

発見はっけん後ご、小惑星しょうわくせいの動うごきを観測かんそくした結果けっか、今月こんげつ7日にち時点じてんでこの小惑星しょうわくせいが2032年ねん12月つき22日にちに2.2％の確率かくりつで地球ちきゅうに衝突しょうとつする可能かのう性せいがあるといういうことです。

ESAでは、地球ちきゅうに近ちかづく可能かのう性せいがある1700以上いじょうの小惑星しょうわくせいを追跡ついせきし、リストにしていて、今回こんかいの小惑星しょうわくせいは、現時点げんじてんで潜在せんざい的てきな衝突しょうとつの可能かのう性せいがもっとも高たかくなっています。

この大おおきさの小惑星しょうわくせいは数すう千せん年ねんに1度どの割合わりあいで地球ちきゅうに衝突しょうとつしていて、衝突しょうとつした場合ばあい、地域ちいきに深刻しんこくな被害ひがいを与あたえるおそれがあるということです。

ESAによりますと、長期ちょうき間かん、観測かんそくすることで正確せいかくな軌道きどうが特定とくていされ、地球ちきゅうに衝突しょうとつするリスクがゼロになるケースが多おおいということで、今後こんごも注意深ちゅういぶかく観測かんそくを続つづけることにしています。

小惑星しょうわくせいなどをめぐっては、仮かりに地球ちきゅうに衝突しょうとつすれば大おおきな被害ひがいが出でるおそれがあるため、2022年ねんにNASA＝アメリカ航空こうくう宇宙うちゅう局きょくが小しょう惑星わくせいに探査たんさ機きを衝突しょうとつさせ、軌道きどうを変かえる実験じっけんを行おこなうなど、各国かっこくで対策たいさくの研究けんきゅうが進すすめられています。

JAXA吉川よしかわ真しんチーム長ちょう「今後こんごの推移すいいを見守みまもることになる」

JAXA＝宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうは、天体てんたいの衝突しょうとつによる災害さいがいを事前じぜんに防ふせぐための活動かつどうを行おこなう「プラネタリーディフェンスチーム」を、今年度こんねんど（2024年度ねんど）から設置せっちし、国連こくれんのグループに参加さんかして、今回こんかいの小惑星しょうわくせいの観測かんそく情報じょうほうの共有きょうゆうなどを行おこなっているということです。
吉川よしかわ真しんチーム長ちょうは今回こんかいの小惑星しょうわくせいについて「現時点げんじてんでの衝突しょうとつ確率かくりつでは、今後こんごの推移すいいを見守みまもることになる。この小惑星しょうわくせいはことし5月つき初はじめごろまで観測かんそくが可能かのうと考かんがえられていて、次つぎに観測かんそくできるようになるのは2028年ねん半なかばごろになり、その間そのかんは情報じょうほうが得えられない。観測かんそくで軌道きどうの推定すいてい精度せいどが上あがっていく過程かていで、ほとんどの場合ばあいは衝突しょうとつの確率かくりつがゼロに近ちかづくと予測よそくされている」としています。
一方いっぽうで、詳くわしい観測かんそくの結果けっか、衝突しょうとつが確実かくじつ視しされた場合ばあいの対応たいおうについては「国連こくれんのグループで対応たいおうが検討けんとうされることになり、この小惑星しょうわくせいに探査たんさ機きを送おくることや、衝突しょうとつ回避かいひを行おこなうことが考かんがえられる。それが実行じっこうできない場合ばあい、衝突しょうとつ予測よそく地点ちてんや被害ひがいを受うけそうな場所ばしょから人々ひとびとを避難ひなんさせる計画けいかくを検討けんとうすることもありえるのではないか」としています。