イスラエル軍は、イスラム組織ハマスとの停戦の延長に向けた協議が行き詰まったことを受けて、先月中旬からガザ地区への攻撃を再開していて、18日夜から翌朝にかけても各地を空爆しています。
パレスチナのメディアによりますと、ガザ地区南部のハンユニスでは住宅などが空爆を受け、あわせて10人が死亡したということです。
ハンユニスにある病院でNHKガザ事務所のカメラマンが撮影した映像には、幼い子どもを含む大勢のけが人が次々と病院に運び込まれ、痛みで泣き叫んだり恐怖で震えたりしている様子が写っています。
この空爆で1歳8か月の男の子も死亡し、家族が遺体のまわりに集まって、悲しみに暮れていました。
父親は「18年間待ち望んで生まれた息子でした。しかし、突然ミサイルが飛んできて息子は死んでしまったのです」と話していました。
ガザ地区の保健当局は19日、この2日間だけで92人が死亡し、これまでの死者は5万1157人に上ると発表しました。
停戦協議をめぐっては、イスラエル側が再度、期限付きの停戦を行い、人質の解放やハマスの武装解除を進めようとしているのに対し、ハマス側はあくまで恒久的な停戦とガザ地区からのイスラエル軍の完全撤退を求めていて、協議の進展が見通せない中、市民の犠牲が増え続けています。