日本新聞: オリンピック柔道男子73キロ級大野将平金メダル 2連覇

東京とうきょうオリンピック柔道じゅうどう男子だんし73キロ級きゅうで、大野おおの将すすむ平ひら選手せんしゅが金メダルきんめだるを獲得かくとくしました。大野おおの選手せんしゅは、前回ぜんかいのリオデジャネイロ大会たいかいに続つづく金メダルきんめだるで、2連覇れんぱを果はたしました。

大野おおの選手せんしゅは、危あぶなげない戦たたかいぶりで初戦しょせんの2回戦かいせんから準決勝じゅんけっしょうまでの4試合しあいを勝かち上あがり、決勝けっしょうでジョージアのラシャ・シャフダトゥアシビリ選手せんしゅと対戦たいせんしました。

大野おおの選手せんしゅは序盤じょばんから積極せっきょく的てきに攻せめましたが、投なげ技わざなどを警戒けいかいする相手あいてに対にたいして技わざを決きめきれず、決勝けっしょうも延長えんちょう戦せんに入はいりました。延長えんちょう戦せんは、大野おおの選手せんしゅが延長えんちょう5分ふん半はんごろに支ささえ釣り込つりこみ足あしで技わざありを奪うばって勝かち、金メダルきんめだるを獲得かくとくしました。

前回ぜんかい、リオデジャネイロ大会たいかいで金メダルきんめだるを獲得かくとくした大野おおの選手せんしゅは、2連覇れんぱを果はたしました。

大野おおの「心こころが動うごく瞬間しゅんかんがあれば光栄こうえい」

オリンピック2連覇れんぱを果はたした大野おおの将すすむ平ひら選手せんしゅは「厳きびしい戦たたかいが続つづいて、オリンピックで理想りそうの柔道じゅうどうを体現たいげんすることの難むずかしさを感かんじた。自分じぶん自身じしん、まだまだだと思おもった」と振り返ふりかえりました。コロナ禍かでの開催かいさいとなった今こん大会たいかいについては「アスリートの姿すがたを見みて、心こころが動うごく瞬間しゅんかんがあれば、光栄こうえいに思おもう」と話はなしていました。

柔道じゅうどう家かとしての礼儀れいぎ正ただしさに、圧倒的あっとうてきな強つよさで、世界中せかいじゅうの柔道じゅうどう選手せんしゅから尊敬そんけいのまなざしを受うけてきた大野おおの将すすむ平ひら選手せんしゅ。

期待きたいにたがわぬ強つよさを見みせつけて2連覇れんぱを達成たっせいするとともに日本にっぽん柔道じゅうどうの神髄しんずいを再ふたたび世界せかいに知しらしめました。

2016年ねん、前回ぜんかいのリオデジャネイロ大会たいかいを圧倒的あっとうてきな強つよさで制せいし金メダルきんめだるを獲得かくとくした大野おおの選手せんしゅ。

優勝ゆうしょうしてもすぐには喜よろこびのしぐさを出ださず、深々ふかぶかと礼れいをした姿すがたは世界せかいから称賛しょうさんされ、日本にっぽんでは道徳どうとくの教科書きょうかしょの題材だいざいにもなりました。

ここからの5年間ねんかん、大野おおの選手せんしゅは「2016年ねんのひとつ完成かんせいした大野おおの将すすむ平へいがいちばん最大さいだいの最強さいきょうの大おおきな敵てき。そこにいかに勝かち、超こえていくか」と話はなし自分じぶんとの戦たたかいがテーマとなりました。

稽古けいこでは「自分じぶんで自分じぶんを倒たおす感覚かんかく」と例たとえるようにあえて自分じぶん不利ふりの組くみ手しゅを作つくってからの攻せめを繰り返くりかえしたり、本来ほんらいとは逆ぎゃくの左ひだりの組くみ手しゅで一いち日にち中ちゅう、稽古けいこをしたりしてきました。

大野おおの選手せんしゅを徹底てってい的てきに研究けんきゅうしまともに組くもうとしない相手あいてに対にたいしても、いかにそこから組くみ手しゅ争あらそいを制せいし、両手りょうてで組くんで投なげる日本にっぽん伝統でんとうの柔道じゅうどうに持もちこむか。

地道じみちな稽古けいこをひたすら繰り返くりかえして来きました。

しかし、その大野おおの選手せんしゅも去年きょねんは新型しんがたコロナの感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうを受うけ、試合しあいから遠とおざかることでモチベーションの維持いじに苦労くろうしました。

海外かいがい選手せんしゅと本気ほんきで組み合くみあう機会きかいを求もとめてことし5月つきに向むかったのはロシアでした。

この国際こくさい合宿がっしゅくで、1つ上うえの階級かいきゅうのオリンピック、金きむメダリストなどと試合しあいを想定そうていした稽古けいこをしました。

大野おおの選手せんしゅは「自分じぶんの戦たたかってきた場ばはなまぬるくなかった。海外かいがいの遠征えんせいをへて時じが満みち、今いま、戦たたかいたいと思おもえた」とこの合宿がっしゅくで再ふたたび心こころに火ひがついたと話はなしています。

2014年ねんから海外かいがい選手せんしゅ相手あいてにはけがによる不ふ戦敗せんぱいを除のぞいて負まけなし。

今回こんかいも圧倒的あっとうてきな金メダルきんめだる候補こうほとして臨のぞんだ本番ほんばんで期待きたいにたがわぬ戦たたかいぶりを見みせ、日本にっぽん柔道じゅうどう7人にん目めのオリンピック連覇れんぱを達成たっせい。

柔道じゅうどうの聖地せいち、日本にっぽん武道ぶどう館かんで「柔道じゅうどうスタイル・姿勢しせい・組くみ手しゅ・技わざ、すべてで差さをつけて圧倒的あっとうてきな差さをつけて勝かつ」という柔道じゅうどう家かのきょうじを世界せかいに示しめしました。

大野おおの 7人にん目めのオリンピック2連覇れんぱ

大野おおの選手せんしゅは、日本にっぽんの柔道じゅうどうでは7人にん目めとなるオリンピック2連覇れんぱを果はたしました。男子だんしでは4人にん目めです。

これまでに2連覇れんぱを達成たっせいした6人にんです。

▼斉藤さいとう仁ひとしさんは、男子だんし100キロを超こえるクラスで、1984年ねんのロサンゼルス大会たいかいと1988年ねんのソウル大会たいかいで金メダルきんめだるを獲得かくとくし、日本にっぽん柔道じゅうどうで初はじめてのオリンピック2連覇れんぱを成し遂なしとげました。

▼谷たに亮子あきこさんは、女子じょし48キロ級きゅうで2000年ねんのシドニー大会たいかいと2004年ねんのアテネ大会たいかいで金メダルきんめだるを獲得かくとく。

▼野村のむら忠宏ただひろさんは男子だんし60キロ級きゅうで、1996年ねんのアトランタ大会たいかいと2000年ねんのシドニー大会たいかいで連覇れんぱを果はたし、さらに2004年ねんのアテネ大会たいかいでも金メダルきんめだるを獲得かくとくし3連覇れんぱを果はたしました。日本にっぽん柔道じゅうどうでこれまで3連覇れんぱを果はたしたのは野村のむらさんだけです。