Báo tiếng Nhật: 「日本経済コロナ前にいつ戻る？」国内企業100社アンケート

日本にっぽん経済けいざいがコロナ禍かの前まえの水準すいじゅんに戻もどるのはいつになるのか。NHKが国内こくないの主おもな企業きぎょう100社しゃにアンケートを行おこなったところ「来年らいねん以降いこう」と回答かいとうした企業きぎょうが7割わりを超こえました。

政府せいふは、ことし中ちゅうにGDPがコロナ前まえの水準すいじゅんに戻もどるという見通みとおしを示しめしていますが、変異へんいウイルスによる感染かんせん急きゅう拡大かくだいやワクチン接種せっしゅの遅おくれを理由りゆうに企業きぎょうは経済けいざいの回復かいふくに厳きびしい見方みかたを示しめしていることがうかがえます。

NHKは先月せんげつ21日にちから今月こんげつ4日にちにかけて、国内こくないの主おもな企業きぎょう100社しゃを対象たいしょうにアンケートを行おこない、すべての企業きぎょうから回答かいとうを得えました。

まず、国内こくないの景気けいきの現状げんじょうに対にたいする認識にんしきを尋たずねたところ、

「横よこばい」が54社しゃで最もっとも多おおく、

「拡大かくだい」が1社しゃ、

「緩ゆるやかに拡大かくだい」が39社しゃ、

「緩ゆるやかに後退こうたい」が3社しゃでした。

「横よこばい」と答こたえた企業きぎょうにその理由りゆうを複数ふくすう回答かいとうで尋たずねたところ、

「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんやまん延まんえん防止ぼうし等とう重点じゅうてん措置そちに伴ともなう経済けいざい活動かつどうの制限せいげん」が85.2％、

「個人こじん消費しょうひの伸び悩のびなやみ」が83.3％、

「ワクチン接種せっしゅの遅おくれ」が48.1％でした。

一方いっぽう「拡大かくだい」「緩ゆるやかに拡大かくだい」と答こたえた企業きぎょうの理由りゆうは

「アメリカ経済けいざいの回復かいふく」が72.5％、

「ワクチン接種せっしゅの広ひろがり」が55％、

「中国ちゅうごく経済けいざいの回復かいふく」が50％となりました。

また日本にっぽん経済けいざいが感染かんせん拡大かくだい前まえの水準すいじゅんに戻もどる時期じきを尋たずねたところ

「ことし＝2021年ねん後半こうはん」は5社しゃにとどまった一方いっぽう、

「2022年ねん前半ぜんはん」は30社しゃ、

「2022年ねん後半こうはん」は24社しゃ、

「2023年ねん前半ぜんはん」は8社しゃ、

「2023年ねん後半こうはん」は8社しゃ、

「2024年ねん前半ぜんはん」は3社しゃで、

「来年らいねん以降いこう」と回答かいとうした企業きぎょうが7割わりを超こえました。

政府せいふは、ワクチン接種せっしゅを進すすめる中なかで経済けいざい回復かいふくが本格ほんかく化かし、ことし中ちゅうに、GDPがコロナ前まえの水準すいじゅんに戻もどるという見通みとおしを示しめしていますが、変異へんいウイルスによる感染かんせんの急きゅう拡大かくだいやワクチン接種せっしゅの遅おくれなどを理由りゆうに企業きぎょうは経済けいざいの回復かいふくに厳きびしい見方みかたを示しめしていることがうかがえます。

そして日本にっぽん経済けいざいの回復かいふくに向むけて必要ひつようなことや課題かだいについて複数ふくすう回答かいとうで尋たずねたところ

「個人こじん消費しょうひの回復かいふく」が82社しゃ、

「政府せいふの大だい規模きぼな経済けいざい対策たいさく」が26社しゃ、

「設備せつび投資とうしの増加ぞうか」が23社しゃ、

「脱だつ炭素たんそへの対応たいおう」が19社しゃなどとなりました。

企業きぎょう業績ぎょうせき二に極きょく化かが鮮明せんめいに

新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうが長期ちょうき化かする中なか、ことし4月つきから6月つきまでの日本にっぽん企業きぎょうの業績ぎょうせきは、アメリカや中国ちゅうごくの経済けいざい回復かいふくによる需要じゅようの増加ぞうかなどで追い風おいかぜを受うけた業種ぎょうしゅと外出がいしゅつの自粛じしゅくなどの影響えいきょうを受うけた業種ぎょうしゅとの間まで二に極きょく化かが鮮明せんめいになっています。

トヨタ自動車とよたじどうしゃが発表はっぴょうしたことし4月つきから6月つきまでのグループ全体ぜんたいの決算けっさんは、最終さいしゅう的てきな利益りえきが前まえの年としの同おなじ時期じきのおよそ5.6倍ばいにあたる8978億おく円えんとなり過去かこ最高さいこうとなりました。

ワクチン接種せっしゅが進すすむなど経済けいざいが堅調けんちょうに持ち直もちなおしているアメリカや中国ちゅうごくでは、車くるまの需要じゅようが高たかまっていて、感染かんせん拡大かくだい前まえの水準すいじゅんを上回うわまわり回復かいふくが鮮明せんめいになっています。

ソニーグループもいわゆる「巣すごもり需要じゅよう」で音楽おんがく配信はいしんの売り上うりあげなどが好調こうちょうだったことから、本業ほんぎょうのもうけを示しめす営業えいぎょう利益りえきは前まえの年としの同おなじ時期じきより26％余あまり増加ぞうかして2800億おく円えんとなり、こちらもこの時期じきとしては過去かこ最高さいこうとなりました。

最終さいしゅう的てきな利益りえきも9％増ふえて2118億おく円えんに上のぼっています。

このほか日本にっぽん郵船ゆうせん、商船しょうせん三井みつい、川崎かわさき汽船きせんの海運かいうん大手おおて3社しゃもコロナ禍かで自宅じたくで使つかう商品しょうひんの需要じゅようが拡大かくだいして船ふねで運はこぶ荷物にもつが増ふえ、運賃うんちんが高騰こうとうしていることからいずれも最終さいしゅう的てきな利益りえきがこの時期じきとして過去かこ最高さいこうとなりました。

一方いっぽう、たび重かさなる緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんによる外出がいしゅつ自粛じしゅくなどで人ひとの移動いどうが大幅おおはばに減へったことで航空こうくうや鉄道てつどう、小売こうりや外食がいしょくなどでは業績ぎょうせきの落ち込おちこみが続つづいています。

航空こうくう大手おおてのANAホールディングスと日本にっぽん航空こうくうのグループ全体ぜんたいの決算けっさんは、いずれも最終さいしゅう的てきな損益そんえきが500億おく円えんを超こえる赤字あかじとなりました。

JR東日本ひがしにっぽんも鉄道てつどうの利用りよう者しゃの落ち込おちこみが続つづいていることから、最終さいしゅう的てきな損益そんえきが769億おく円えんの赤字あかじとなっています。

このほか、デパート大手おおての三越みつこし伊勢丹いせたんホールディングスは緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんを受うけた売り場うりばの休業きゅうぎょうなどの影響えいきょうで最終さいしゅう的てきな損益そんえきが86億おく円えんの赤字あかじになるなど、厳きびしい状況じょうきょうが続つづいています。

専門せんもん家か「想定そうていより景気けいき回復かいふくが遅おくれている」

今回こんかいのアンケート結果けっかについて、マクロ経済けいざいに詳くわしい「みずほリサーチ＆テクノロジーズ」調査ちょうさ部ぶの山本やまもと康雄やすおさんは「欧米おうべい先進せんしん国こくに比くらべてワクチン接種せっしゅが遅おくれたことが企業きぎょうの景況けいきょう感かんに大おおきく影響えいきょうしている。ことしに入はいってから緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが繰り返くりかえし出だされたことで、当初とうしょの企業きぎょうの想定そうていより景気けいき回復かいふくが遅おくれているのは間違まちがいないと思おもう」と指摘してきしています。

そして「アメリカや中国ちゅうごくの景気けいき回復かいふくに伴ともなって輸出ゆしゅつの比率ひりつが高たかい製造せいぞう業ぎょうは足元あしもとの景気けいきが回復かいふくしていると判断はんだんする企業きぎょうが多おおいが、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんによって国内こくないの個人こじん消費しょうひが非常ひじょうに弱よわいため、外食がいしょくや旅行りょこうなどのサービス業ぎょうや小売こうり業ぎょうを中心ちゅうしんに「横よこばい」もしくは「やや後退こうたい」と判断はんだんしているのではないか」と分析ぶんせきしています。

また景気けいき回復かいふくの見通みとおしについては「ワクチンが普及ふきゅうして感染かんせんが収束しゅうそくすれば、消費しょうひ活動かつどうが活発かっぱつになり、ことし10月つきから11月つきごろには景気けいき回復かいふくが始はじまり回復かいふく本格ほんかく化かは来年らいねん1月つきから3月つきごろになる可能かのう性せいが高たかい」と予測よそくしています。

そのうえで「変異へんいウイルスの感染かんせん拡大かくだいで経済けいざい活動かつどうの制限せいげんの解除かいじょに時間じかんがかかれば、回復かいふく時期じきがさらに後こうずれするおそれがある。飲食いんしょくや旅行りょこうなどの業界ぎょうかいは金融きんゆう支援しえんによってすでに負債ふさいが膨ふくらんでいる状況じょうきょうにあり、経済けいざい活動かつどうの回復かいふくが遅おくれれば倒産とうさんや廃業はいぎょうのリスクが高たかまってくると思おもう」と指摘してきしています。