日本新闻: 気になるワクチン副反応は？デルタ株とラムダ株の特徴は？

いま国内こくないのほとんどの地域ちいきで、新型しんがたコロナウイルスは変異へんいウイルスの”デルタ株かぶ”に置き換おきかわったと推定すいていされています。そのうえ、新あらたに”ラムダ株かぶ”という変異へんいウイルスも検疫けんえきで見みつかっています。

次々つぎつぎに現あらわれる変異へんいウイルス。中なかでもデルタ株かぶとラムダ株かぶについてどのようなウイルスなのか、まとめました。

気きになるワクチンの副ふく反応はんのうは

まずは気きになるコロナワクチンの副ふく反応はんのうですが、どれくらい報告ほうこくされているでしょうか。

2021年ねん8月つき4日にちにワクチンの副ふく反応はんのうの専門せんもん部会ぶかいで示しめされた厚生こうせい労働ろうどう省しょうの研究けんきゅう班はんの資料しりょうによりますと、ファイザーのワクチンの主おもな副ふく反応はんのうは▽うずくような痛いたみ、とう痛つうが出でた人ひとが1回かい目めの接種せっしゅ後ごは92.6％、2回かい目めの接種せっしゅ後ごは89.5％、▽けん怠けんたい感かんが出でた人ひとが1回かい目めの接種せっしゅ後ごは23.2％、2回かい目めの接種せっしゅ後ごは68.9％、▽頭痛ずつうが1回かい目めの接種せっしゅ後ごは21.4％、2回かい目めの接種せっしゅ後ごは53.1％、▽かゆみが1回かい目めの接種せっしゅ後ごは8.0％、2回かい目めの接種せっしゅ後ごは11.9％、▽38度ど以上いじょうの発熱はつねつが1回かい目めの接種せっしゅ後ごは0.9％、2回かい目めの接種せっしゅ後ごは21.3％などとなっています。

また、モデルナのワクチンでは、2回かい目めの接種せっしゅ後ごに副ふく反応はんのうが出でる割合わりあいが多おおく、▽うずくような痛いたみ、とう痛つうが出でた人ひとが1回かい目めの接種せっしゅ後ごは86.5％、2回かい目めの接種せっしゅ後ごは88.2％、▽けん怠けんたい感かんが出でた人ひとは1回かい目めの接種せっしゅ後ごは26.8％、2回かい目めの接種せっしゅ後ごは83.9％、▽頭痛ずつうが1回かい目めの接種せっしゅ後ごは17.4％、2回かい目めの接種せっしゅ後ごは67.6％、▽かゆみが1回かい目めの接種せっしゅ後ごは5.3％、2回かい目めの接種せっしゅ後ごは13.7％、▽38度ど以上いじょうの発熱はつねつが1回かい目めの接種せっしゅ後ごは2.1％、2回かい目めの接種せっしゅ後ごは61.9％などとなっています。

心臓しんぞうの筋肉きんにくや膜まくに炎症えんしょうが起おきる心筋しんきん炎えんや心こころ膜まく炎えんの疑うたがいがあると報告ほうこくされた人ひとは、7月つき25日にちの時点じてんでファイザーのワクチンが43人にん、モデルナが3人にんで、いずれも100万まん人にんあたり1.1人にんの割合わりあいでした。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは「2種類しゅるいのワクチンは接種せっしゅしている年齢ねんれいが異ことなるため、単純たんじゅんな比較ひかくはできない」としたうえで、いずれも接種せっしゅ体制たいせいに影響えいきょうを与あたえる重大じゅうだいな懸念けねんは現時点げんじてんで認みとめられないとして引き続ひきつづき接種せっしゅを進すすめていくことにしています。

またアメリカのCDC（疾病しっぺい対策たいさくセンター）によりますと、副ふく反応はんのうは通常つうじょうの場合ばあい、接種せっしゅ後ご数すう日にちで消きえるということです。

ほとんどが軽症けいしょうから中等ちゅうとう度どで、日常にちじょう生活せいかつに影響えいきょうが出でるほどの副ふく反応はんのうは少数しょうすうだったということです。

”デルタ株かぶ”が目下もっかの脅威きょうい

WHO（世界せかい保健ほけん機関きかん）によりますと、デルタ株かぶは2020年ねん10月つきにインドで初はじめて報告ほうこくされ、2021年ねん4月つき以降いこうのインドでの爆発ばくはつ的てきな感染かんせん拡大かくだいの原因げんいんの1つとみられています。

WHOは最もっとも警戒けいかい度どが高たかい、VOC（懸念けねんされる変異へんい株かぶ）に位置いちづけていて、デルタ株かぶが報告ほうこくされている国くにや地域ちいきは2021年ねん8月つき10日にち現在げんざいで142に上のぼります。

感染かんせん力りょくが強つよく、従来じゅうらいの新型しんがたコロナウイルスのおよそ2倍ばい、日本にっぽん国内こくないの感染かんせん拡大かくだいの第だい4波はで広ひろがったアルファ株かぶの1.5倍ばい程度ていどとなっています。

デルタ株かぶは日本にっぽん国内こくないでも国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょが、VOC（懸念けねんされる変異へんい株かぶ）に位置いちづけています。

感染かんせんした場合ばあいに重症じゅうしょう化かしやすいかどうかについては各国かっこくで研究けんきゅうが進すすめられている途中とちゅうですが、WHOでは入院にゅういんに至いたるリスクが高たかまっているとしています。

その中なかでカナダのトロント大学だいがくのグループがまだ専門せんもん家かの査読さどくを受うけていない段階だんかいで2021年ねん8月つきに示しめした研究けんきゅうでは、20万まん人にんの新型しんがたコロナの患者かんじゃを分析ぶんせきした結果けっか、デルタ株かぶは従来じゅうらいのウイルスなどに比くらべて入院にゅういんするリスクが2.08倍ばい、ICUが必要ひつようになるリスクが3.34倍ばい、死亡しぼうするリスクが2.32倍ばいになっていたとしています。

WHOは、実験じっけん室しつレベルの研究けんきゅうではデルタ株かぶに対にたいしてはワクチンによってできる中和ちゅうわ抗体こうたいが少すくなくなるという結果けっかが出でているとしました。

”ラムダ株かぶ” は不明ふめいな部分ぶぶん多おおく

WHOによりますと、変異へんいウイルスのラムダ株かぶは2020年ねん8月つきに南米なんべいのペルーで初はじめて報告ほうこくされ、ペルーやチリ、エクアドルなどの南米なんべい諸国しょこくを中心ちゅうしんに広ひろがっています。

世界中せかいじゅうの新型しんがたコロナウイルスの遺伝子いでんし配列はいれつを登録とうろくするウェブサイト「GISAID」には2021年ねん8月つき15日にちの時点じてんでラムダ株かぶが34か国かこくから報告ほうこくされていますが、この4週間しゅうかんで見みると登録とうろくのほとんどは南米なんべいのチリからとなっています。

従来じゅうらいのウイルスより感染かんせん力りょくが強つよまっている可能かのう性せいやウイルスの働はたらきを抑おさえる中和ちゅうわ抗体こうたいが効ききにくくなる変異へんいがあり、WHOはVOI（注目ちゅうもくすべき変異へんい株かぶ）に位置いちづけていますが、現在げんざいのところ、デルタ株かぶやアルファ株かぶなどのVOC（懸念けねんされる変異へんい株かぶ）に位置いちづけられている変異へんいウイルスほどの広ひろがりは見みられません。

ラムダ株かぶについて国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょは今いまのところ、VOC（懸念けねんされる変異へんい株かぶ）にも、VOI（注目ちゅうもくすべき変異へんい株かぶ）にも位置いちづけていません。

ラムダ株かぶは感染かんせん力りょくや感染かんせんした場合ばあいの重症じゅうしょう度どなどについてまだ分わかっていないことが多おおく、WHOは感染かんせんを抑おさえる対策たいさくやワクチンの効果こうかに影響えいきょうが出でるかどうかさらに調しらべる必要ひつようがあるとしています。

ラムダ株かぶは、実じつはデルタ株かぶより時期じき的てきには早はやくに見みつかっていますが感染かんせん拡大かくだいのスピードはデルタ株かぶのほうがラムダ株かぶより速はやく、各国かっこくでより差し迫さしせまった問題もんだいとなっています。

デルタ株かぶにワクチンは効きく？

いま国内こくないで接種せっしゅが行おこなわれているワクチンはデルタ株かぶにも効果こうかが高たかいとする研究けんきゅうが各国かっこくから出でてきています。

このうち、2021年ねん7月つきに国際こくさい的てきな医学いがく雑誌ざっし「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」にイギリスの保健ほけん当局とうきょくやロンドン大学だいがくなどのグループの研究けんきゅうでは、デルタ株かぶに対にたいするワクチンの発症はっしょう予防よぼう効果こうかは、ファイザーのワクチンで1回かい接種せっしゅ後ごには35.6％、2回かい接種せっしゅ後ごには88.0％、アストラゼネカのワクチンで1回かい接種せっしゅ後ごには30.0％、2回かい接種せっしゅ後ごには67.0％だったとしています。

研究けんきゅうグループは「2回かい接種せっしゅしたあとにはデルタ株かぶに対にたいしても高たかい発症はっしょう予防よぼう効果こうかが見みられた」としています。

また、アメリカのメイヨークリニックなどのグループが査読さどくを受うける前まえの論文ろんぶんとして公表こうひょうした7万まん7000人にんを対象たいしょうに分析ぶんせきした研究けんきゅう結果けっかでは、デルタ株かぶが大おおきく広ひろがった2021年ねん7月つきには、感染かんせんを防ふせぐ効果こうかはファイザーのワクチンで42％、モデルナのワクチンで76％とこれまでより下さがりましたが、入院にゅういんに至いたるのを防ふせぐ効果こうかはファイザーのワクチンで75％、モデルナのワクチンで81％といずれも高たかい水準すいじゅんを維持いじしたとしています。