日本新聞: 将棋藤井聡太二冠「王位」タイトル初防衛を果たす

将棋しょうぎ藤井ふじい聡さとし太たい二に冠かん「王位おうい」タイトル初はつ防衛ぼうえいを果はたす

Aug 25, 2021 17:08

Furigana

将棋しょうぎの藤井ふじい聡さとし太たい二に冠かん（19）が、2つ目めのタイトル防衛ぼうえいをかけて臨のぞんでいた「王位おうい戦せん」の七なな番ばん勝負しょうぶで挑戦ちょうせん者しゃの豊島としま将之まさゆき二に冠かん（31）を破やぶり、先月せんげつの「棋聖きせい」に続つづき、「王位おうい」のタイトルでも初はつ防衛ぼうえいを果はたしました。

「王位おうい戦せん」七なな番ばん勝負しょうぶの第だい5局きょくは、徳島とくしま市しの料亭りょうていで行おこなわれていて、24日にちに引き続ひきつづき、藤井ふじい二に冠かんは青色あおいろの羽織はおり、豊島としま二に冠かんは薄うす緑色りょくしょくの羽織はおり姿すがたで、大だい一番いちばんの勝負しょうぶに臨のぞみました。

藤井ふじい二に冠かんは去年きょねん、八大やひろタイトルのうち「棋聖きせい」と「王位おうい」を獲得かくとくし、先月せんげつには「棋聖きせい」を防衛ぼうえいして、史上しじょう最年少さいねんしょうで九きゅう段だんに昇段しょうだんしていて、今回こんかいの「王位おうい戦せん」もここまで3勝しょう1敗はいとして2つ目めのタイトル防衛ぼうえいに王手おうてをかけています。

対局たいきょくは、先手せんての藤井ふじい二に冠かんが、的確てきかくな指さし回まわしでリードを広ひろげて徐々じょじょに敵陣てきじんに攻せめ入はいる展開てんかいとなり、25日にち午後ごご4時じ45分ふん、77手てまでで豊島としま二に冠かんを投了とうりょうに追い込おいこみ、4勝しょう1敗はいとして「棋聖きせい」に続つづき、「王位おうい」のタイトルでも初はつ防衛ぼうえいを果はたしました。

藤井ふじい二に冠かんは現在げんざい、「叡あきら王おう戦せん」の五ご番ばん勝負しょうぶに挑戦ちょうせん者しゃとして臨のぞんでいて、同おなじく豊島としま二に冠かんを相手あいてにここまで2勝しょう2敗はいとしています。

来月らいげつの最終さいしゅう局きょくに勝かてば、史上しじょう最年少さいねんしょうでの「三さん冠かん」達成たっせいとなります。

藤井ふじい二に冠かんvs豊島としま二に冠かん将棋しょうぎ界かいでは“十じゅう二に番ばん勝負しょうぶ”

史上しじょう最年少さいねんしょうでのプロ入いり以降いこう、いくつもの記録きろくを打うちたててきた藤井ふじい聡さとし太たい二に冠かん。

難なん敵てきとして立たちはだかったのが、豊島としま将之まさゆき二に冠かんでした。

藤井ふじい二に冠かんは王位おうい戦せんが開幕かいまくした6月つきの時点じてんで、1勝しょう6敗はいと大おおきく負け越まけこしていてこの夏なつは、この2人にんが「王位おうい戦せん」の七なな番ばん勝負しょうぶと「叡あきら王おう戦せん」の五ご番ばん勝負しょうぶで対局たいきょくすることから、将棋しょうぎ界かいでは“十じゅう二に番ばん勝負しょうぶ”と呼よび、勝負しょうぶの行方ゆくえが注目ちゅうもくされました。

藤井ふじい二に冠かんは今回こんかいの「王位おうい戦せん」で、第だい1局きょくこそ豊島としま二に冠かんに完敗かんぱいを喫きっしましたが、その後そのご、4連勝れんしょうで防衛ぼうえいを決きめ、「二に冠かん」を守まもりました。

一方いっぽう、藤井ふじい二に冠かんが挑戦ちょうせん者しゃとして臨のぞむ「叡あきら王おう戦せん」五ご番ばん勝負しょうぶは、ここまで2勝しょう2敗はいと互たがいに譲ゆずらない熱戦ねっせんで、来月らいげつの最終さいしゅう局きょくで、藤井ふじい二に冠かんが勝かってタイトルを奪うばえば、羽生はぶ善治よしはる九きゅう段だんの記録きろくを28年ねんぶりに塗り替ぬりかえ、史上しじょう最年少さいねんしょうでの「三さん冠かん」を達成たっせいすることになります。

さらに、藤井ふじい二に冠かんは八はち大だいタイトルの序列じょれつで最高峰さいこうほうの「竜王りゅうおう戦せん」への挑戦ちょうせん権けん獲得かくとくにも、あと1勝しょうに迫せまっていて、挑戦ちょうせんを決きめれば、「王位おうい戦せん」「叡あきら王おう戦せん」に続つづき、ここでも豊島としま二に冠かんと七なな番ばん勝負しょうぶを戦たたかうことになります。

現地げんちでは大盤おおばん解説かいせつ

第だい5局きょくが行おこなわれている徳島とくしま市しでは、対局たいきょく会場かいじょうの隣となりの建物たてもので、棋士きしが対局たいきょくの進行しんこうを説明せつめいする「大盤おおばん解説かいせつ」が開ひらかれ、感染かんせん対策たいさくが取とられる中なか、訪おとずれた将棋しょうぎファンが熱心ねっしんに耳みみを傾かたむけていました。

このうち、高校こうこう1年ねんの息子むすこと参加さんかした女性じょせいは「子こどもが将棋しょうぎを勉強べんきょうしていて、徳島とくしまでタイトル戦せんが開催かいさいされるというので参加さんかしました。豊島としまさんは角番かどばんなので、ぜひふんばってもらって、注目ちゅうもくの2人にんの対局たいきょくをもう少もうすこし長ながく見みたいです」と話はなしていました。

65歳さいの男性だんせいは「藤井ふじいさんの大だいファンです。同時どうじに行おこなわれている『叡あきら王おう戦せん』では、先日せんじつ豊島としまさんに負まけたばかりですが、きょうは気持きもちを切り替きりかえているようで、さすがだなと感かんじます。ぜひ王位おういを防衛ぼうえいして、叡あきら王おうも獲得かくとくして、かつての羽生はぶさんのように七なな冠かん、さらには八はち冠かんを達成たっせいしてほしいです」と話はなしていました。