「
相互関税」の
発表で
トランプ大統領の
言うように
アメリカ「
解放の
日」となるのか?
世界は、そして日本はどう向き合うべきなのか?
かつて日米貿易摩擦の最前線で戦った元外交官に、大統領演説を前に聞きました
「『互惠關稅』的發表是否如特朗普總統所言成為美國的『解放日』?<br><br>世界以及日本應該如何應對?<br><br>曾在日美貿易摩擦的最前線奮戰的前外交官在總統演講前接受了採訪。」
(ニュースウオッチ9取材班)
【NHKプラスで配信】配信期限 :4/9(水) 午後10:00 まで
トランプ関税は実りあるものにはならないおそれ
かつて日米貿易摩擦の最前線で交渉を担った元外交官の薮中三十二(やぶなか・みとじ)さんです
<br><br>(新聞觀察9採訪組)<br>【NHK Plus 配信】配信期限 :4/9三 晚上10:00 前<br>川普關稅可能不會帶來實質性的成果<br>曾在日美貿易摩擦的最前線負責談判的前外交官薮中三十二(やぶなか・みとじ)先生
トランプ氏の関税政策は実りあるものにならないおそれがあると指摘します
Q.「『アメリカ解放の日になる、黄金時代を取り戻すんだ』という風に言っていますが、どう思いますか?」元外務省事務次官 薮中三十二さん
「何の解放なのかな、という感じがしますよね
Q.「『美國解放日即將到來,黃金時代將重現』這樣說,你怎麼看?」<br><br>前外交部事務次官 薮中三十二先生<br>「感覺不太明白是什麼解放呢」
関税をボーンと
かけると
世界経済に
悪影響ですよね
トランプさんが
どう判断するのか、
それを
みんな(
世界)がハラハラドキドキしながら
見ている」
かつての日米貿易摩擦とは
薮中さんが日米貿易交渉を担った1980年代
特朗普先生會如何判斷,大家(世界)都在心驚膽戰地觀望著。<br>曾經的日美貿易摩擦<br>薮中先生在1980年代負責日美貿易談判。
日本製の自動車やテレビの輸入が急速に増えたことで、対日貿易赤字が500億ドルを突破
日本製汽車和電視機的進口迅速增加,對日貿易赤字突破500億美元。
「ジャパン・バッシング」と呼ばれる日本への厳しい批判が巻き起こります
レーガン大統領は、日本の大型オートバイを対象に45%もの関税をかけるなど、日本に対して次々と強硬策を打ち出しました
雷根總統對日本採取了一系列強硬措施,包括對日本大型摩托車徵收高達45%的關稅。
薮中三十二さん
「アメリカは自分がフェアだと思うもんですからね
<br>薮中三十二先生<br>「美國認為自己是公平的,因為呢
そのアメリカに
堂々と
こっちも
言わないと、
どんどんどんどん
向こうの
要求が
上がってくる
在那個美國面前,我們也要理直氣壯地說,不然他們的要求會越來越高
『
あの温厚な
薮中さんが』と
言われましたが、
時々僕も
立ち上がって
相手と
激しく
言い合うということもありましたしね
「『那個溫厚的薮中先生』被這麼說過,但有時我也會站起來和對方激烈地爭論。」
『
アメリカ側も
努力してくださいよと
日本の
マーケットにあったようなものを
作ってくださいよ』と、そういう
議論をした
記憶はありますですね」
Q.アメリカの消費者や経済にも悪影響が出る可能性があると思うんですけれども、この関税を強行する、その最大の理由はどこにあると思いますか?
薮中三十二さん
「やっぱりトランプさんの思い込みで『貿易赤字は悪であると
「請製作一些適合日本市場的產品」,我記得我們曾經進行過這樣的討論。」<br><br>問:我認為這可能會對美國的消費者和經濟產生負面影響,但您認為堅持徵收這些關稅的最大原因是什麼?<br><br>薮中三十二先生<br>「果然是因為特朗普先生的固執認為『貿易赤字是壞事』。」
それを
解消しなきゃいけない
それを
変えるのは
何があるかといえば
関税だ』と
関税でもって
相手側をやっつけて、というですね
(かつての)
アメリカ側の
当事者というのは
もう少し、
今よりは
合理的というか、
彼らも
やはり『
国際ルール、
国際ルールというのは
大事なんだ』と、『
その中でやっていこう』という
思いはあったもんですからね
「(以前的)美國方面的當事人似乎更為理性一些,他們也認為『國際規則、國際規則是很重要的』,並且有『在這些規則下運作』的想法。」
今は
もう国際ルールとかWTOのルールなんて
知ったことではない、と
アメリカが
どう考えるんだ、と
トランプさんが
どう考えるんだと、
そこは
当時と
違うように
感じますね」
報復の応酬に“2つの心配”
トランプ大統領の関税をめぐり、同盟国や友好国などが見せ始めているのが「報復」の構えです
特朗普先生怎麼想,我感覺那裡和當時不一樣呢」<br>報復的交鋒中有「兩個擔心」<br>圍繞特朗普總統的關稅,盟國和友好國等開始顯現的是「報復」的姿態
EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は「欧州がこの対立を始めたのではない必ずしも報復を望んではいないが、必要な場合には報復のための計画があり実行する」と述べています
歐盟(EU)主席馮德萊恩表示:「歐洲並不是這場對立的始作俑者,我們並不一定希望進行報復,但在必要時,我們有報復的計劃並將付諸實施。」
また、カナダのカーニー首相は、「慎重な対策を講じてカナダのために戦い米国政府による不当な措置と戦う」と述べています
此外,加拿大總理卡尼表示,「將採取謹慎的措施為加拿大奮鬥,並與美國政府的不當措施作鬥爭」。
Q.「仮にですね、各国が報復合戦ということになっていった場合、世界はどういう風になっていくとみますか?」
薮中三十二さん
「2つの心配があるわけですよね
<br>Q.「假如各國進行報復戰的話,您認為世界會變成什麼樣子?」<br><br>薮中三十二先生<br>「有兩個擔心的地方
1つは
貿易戦争もう1つは
同盟国とか
友好国を
あまり大事にしないと
今、
実は中国とかがですね、『
自分たちと
一緒になって
ルールを
守ろう』ということを
言っていてですね、
逆に
中国の
方の
立場の
方が
国際的には
正しいんじゃないかと
現在,事實上中國等國家正在說「和我們一起遵守規則」,反而中國方面的立場在國際上可能是正確的。
そんな変な
話にもなりかねないんですね」
日本経済にも大きな影響があると指摘する薮中さん
「那樣的奇怪談話也不是不可能呢」<br>薮中先生指出這對日本經濟也有很大的影響
最後に、歴史の教訓があるとした上で日本が果たすべき役割について語りました
<br><br>最後,談到了如果有歷史的教訓,日本應該扮演的角色
日本が果たすべき役割は
元外務省事務次官 薮中三十二さん
「第二次世界大戦、その理由の1つというのが、そういう保護主義とか経済の動きがあったよねと
日本應該發揮的角色 前日本外務省事務次官 薮中三十二先生 「第二次世界大戰,其原因之一就是存在這樣的保護主義和經濟動向。」
その反省のもとにね、『
多角的な
自由貿易体制が
世界のためにいいんだ』ということでやってきた
在反思的基礎上,我們認為「多邊自由貿易體制對世界是有利的」,因此我們一直在推進這一點。
堂々と
アメリカと
向き合って、
やっぱり『
トランプさん、
これは
ルールというのは
守ってくださいよ』と
言いながら、トランプさんの
ある意味で
懐に
入るためには、やっぱり『
日本は
ちゃんとアメリカと
一緒になって
投資をやってるんですよ』と、
原理原則は
きちっと言いながら、
他方において、トランプさんとの
間でですね、
相手が
まあ少し喜ぶようなところも
見せると
面對美國時要理直氣壯,對特朗普先生說「這是規則,請遵守」,但為了在某種意義上進入特朗普先生的懷抱,還是要說「日本和美國一起進行投資」,一方面要堅持原則,另一方面在與特朗普先生的互動中,展示一些讓對方高興的地方。
その辺のところのさじ
加減が
非常に
大事だと
思います」
取材後記
世界は今、「トランプ関税」に身構えています
我認為那方面的分寸拿捏非常重要」<br><br>採訪後記<br>現在全世界都在對「特朗普關稅」保持警惕
仮に報復の連鎖となれば同盟国や友好国の間でも信頼関係が崩れ、世界の分断が深まる懸念もあります
假如報復的連鎖發生,盟國或友好國之間的信任關係可能會崩潰,世界分裂加深的憂慮也會加劇。
各国とも国益をかけた交渉になりますが、薮中さんも話していたように、いかに国際秩序も守るのか、対する世界、そして日本には、したたかな外交戦略が求められることになりそうです
各國都將進行關乎國益的談判,但正如薮中先生所說,如何維護國際秩序,面對這樣的世界,日本需要一個精明的外交戰略。