10日午後6時前、奈良市学園中1丁目にある学校法人「帝塚山学園」のグラウンドに雷が落ち、警察によりますと、男子中学生5人と女子高校生1人のあわせて6人が病院に運ばれました。
このうち、サッカー部に所属する14歳の男子中学生が意識不明の状態だということですが、県によりますと、別の14歳の男子中学生も意識不明の状態になっているということです。
また、もう1人、入院している男子中学生がいますが、意識はあり、会話もできる状態だということです。
当時、サッカー部は顧問の指導でグラウンドの北西付近でミニゲームをしていて、警察の聞き取りに対して顧問は「午後6時前に雨が急に強くなりいきなり雷の音がして生徒たちが倒れた」と説明しているということです。
学校法人 当時の状況など記した文書をホームページに掲載
帝塚山中学校・高校は、11日午前、当時の状況などを記した文書をホームページに掲載しました。
それによりますと、10日は午後5時40分ごろに小雨が降り始め、いったんやみ、強い雨が降り始めた直後に落雷があったということです。
当時、グラウンドには、サッカー部のほか、野球部や硬式テニス部の生徒あわせて114人と、顧問の教員など8人がいたということです。
落雷の直後に現場にいた教員らが119番通報し、AEDを使用して対応にあたったということです。
その後、生徒6人が救急搬送され、このうちの3人は10日帰宅しましたが、現在も3人が入院中だということです。
11日は休校とし、事故が起きた当時の状況の確認を行うとともに、今後の対応について協議しているということです。
部活動中の落雷事故 過去にも
部活動中の落雷事故はこれまでも繰り返し起きています。
1996年8月に、大阪 高槻市でサッカーの試合中に、高知県の高校1年の男子生徒に雷が落ち、両目を失明するなどの後遺症を負ったほか、1997年10月には、福岡県久留米市で中学2年のサッカー部員がグラウンドで落雷に遭い、重傷を負いました。
最近では、去年4月に、宮崎市の高校のグラウンドに雷が落ち、サッカーの練習試合をしていた高校生18人が病院に搬送されこのうち1人が意識不明となりました。
死亡事故も起きていて、2014年8月には愛知県扶桑町で、野球部の練習試合に参加していた高校2年の男子生徒が、2016年8月には埼玉県川越市のグラウンドで野球の練習試合で訪れていた高校1年の男子生徒が、それぞれ落雷により、命を落としています。
奈良県教委 落雷事故防止に関する通知 改めて県内学校に周知
今回の事故を受けて、奈良県教育委員会は去年、文部科学省が出した落雷事故の防止に関する通知を、改めて11日、県内の県立学校や私立学校に周知しました。
このなかでは、屋外で活動している際に天候が急変した場合などは、ためらうことなく計画の変更や中止といった適切な措置をとることや、気象庁のホームページに掲載されている雷の発生に関する予測情報などを活用するよう求めています。